自社の創業からの銀行取引を振り返ったことがありますか?
会社の歴史には、銀行取引が深く関係しています。
創業からの会社業績の歴史と、銀行取引の推移を並べてみた場合、色々と気づくことがあります。
創業時で信用がなかったとき、業績が悪化したとき、取引先の倒産に引っかかったとき、信用不安が発生したとき、、、
苦しいときに助けてくれた銀行(もしくは信用金庫)はどこですか?
今、会社が存続できているのは、その銀行(信用金庫)が支えてくれたからかもしれません。
年月が経過すると、忘れてしまいがちです。
厳しいときに融資をしてくれるのは、銀行からみるとリスクが高い行動です。リスクを取って支えてくれたのです。
その時の支店長、融資担当者は誰でしたか?
厳しいときに支えてくれたこういう銀行は、いつまでも大事にしたいものです。
逆にそのときに、サッと逃げて行ったのは、どこの銀行ですか?
業績が良くなってから近づいてくる銀行があります。
銀行は、決算書を見て業績が良いと、アプローチしてくるのが普通です。
ほとんどの銀行は、創業時の信用がない時期、業績が悪化した時期、融資を敬遠します。
銀行は上場会社であるため、株主訴訟のリスクを負っています。
貸倒・倒産リスクが高い企業に融資は難しいのです。
ただ、業績が厳しいときは見向きもしなかったのに、業績が上向いてくると近づいてくる銀行。
経営者としては、複雑な気分になるでしょう。
銀行から信用を得よう思ったら、「融資を約束通り返済すること」が重要です。
長期融資を約定返済(当初の融資契約期間で払いきること)すると信用が高まります。
リスケジュール(元金返済ストップ)を申し込んだり、他の銀行から融資を受けて返済する(融資肩代わりと言います)と、銀行からの信用は下落します。
長期融資を約定返済するためのポイントは、当初の事業計画です。
事業に想定外はつきものですが、出来るだけ色々なケースを想定した事業計画を立案し、無理のない返済計画を立てることが大切です。
支店長が替われば、融資方針がガラッと変わることがあります。
残念ながら、これは事実です。
銀行の中には、融資に積極的な支店長も、慎重な支店長もいます。融資先に対して寛容な支店長も、厳しい支店長もいます。
銀行組織は、タイプの違う多様な人材を定期的な移動により交替させて、融資リスクを分散させているのです。
イケイケの支店長ばかりだと、逆に慎重な支店長ばかりだと、どうなりますか?
ウマの合う支店長が長年担当してくれれば良いのですが、そういう支店長に限って転勤ですぐいなくなります。
そのため、支店長と個人的に付き合うのではなく、銀行組織と付き合うというスタンスが大事になります。
社長が代替わりした際、新しい社長は、銀行を変えたくなります。
会社と銀行の歴史を振り返らず、新しいことをしてみたくなります。
20年以上も前になりますが、私も銀行の融資担当者の時、経験しました。
代替わりした新しい社長に理由を聞くと、「新しい銀行に変えたくなった」とストレートに言われ、ショックを受けたことがあります。
特に最近は、融資条件や銀行ブランドで、銀行をドライに変えることが増えている気がします。
銀行を変える検討をする際、今までの取引の歴史を考えることも必要です。以下メインバンク変更の参考記事をご参照ください。
【参考記事】
「メインバンク変更 検討すべきケース」https://wada-keiei.com/archives/8940(和田経営相談事務所オフィシャルホームページ)
「メインバンク変更 デメリットとリスク」https://wada-keiei.com/archives/7993 (和田経営相談事務所オフィシャルホームページ)
「経営者が何気なくやる メインバンクがされて嫌なこと」https://wada-keiei.com/archives/6568 (和田経営相談事務所オフィシャルホームページ)
☑ 設備投資をする際、どこの銀行に申し込もうか、
☑ 経営者交替をどこの銀行に最初に報告しようか、
☑ М&Aの相談をどこにしようか、
☑ 人材雇用(財務部長派遣など)をどこの銀行に頼もうか、
会社にとって銀行に関する重要な経営判断をするとき、会社と銀行がたどってきた歴史を振り返れば、そこにヒントが埋まっているかもしれません。
以上、会社と銀行取引の歴史について、考えてみました。今後の参考にしていただけますと幸いです。
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