お問合せ

キャッシュフロー計画作成のポイント:アクションプランと数値計画|経営危機を乗り越える!経営再建計画の作り方⑲

アクションプランと数値計画の第12回目。

今日は、「アクションプランと数値計画:キャッシュフロー計画作成のポイント」の話をします。

キャッシュフロー計画

 

キャッシュフロー計画とは

キャッシュフロー計画とは、PL計画やBS計画を実施することで現金の動きがどうなるか、確認するための計画です。

そのため順番としては、一番最後に作る数値計画となります。

ここまでの過程でPL計画やBS計画が出来ていますから、それらの数値を転記することで自動的に完成します。

 

キャッシュフロー計画の作成手順

私がいつも使っているフォーマットを使って作成手順を説明します。

実務では、事業実態に応じてもう少し細かく項目を分けるのですが、分かりやすくするため単純化して説明します(パソコンサイトの方は、表のうえでクリックすると拡大します)。

キャッシュフロー計画

上記表の右側「数値入力の方法」に従い、既に作成が完了しているBS計画、PL計画、金融支援計画、リース支払計画の数値を転記していけば完成です。

何点か注意するポイントを説明します。

1. 法人税等支払額
税額計算表作成のポイントで説明した通り、繰越欠損金の取り扱いに注意します。

2. 投資CF(キャッシュフロー)
・アクションプランに基づき売却される固定資産の予想入金額をプラスで記載します。
・設備投資計画に基づき、設備投資を行う金額をマイナスで記載します。

3. 金額の整合性確認(①~⑤は上記表の中の番号)
・①営業CF+②投資CFを③FCF(フリーキャッシュフロー)と言います。FCFは④財務CF(主に金融機関借入金)の返済原資となります。
③FCF+④財務CFの合計金額は、⑤の現預金増減額と必ず一致します。

後は粛々と数値を転記するだけです。

キャッシュフロー計画が完成すると経営再建計画書の数値計画は完成となります。

 

数値計画作成の順番

数値計画作成の順番は以下です。この順番で作らないと、うまく作成が進まず行き詰まります。

1. 減価償却と設備投資計画
・必要な設備投資は何か、投資額はどれぐらい必要か、減価償却費はどう推移するか

2. リース支払計画と人件費計画
・人件費はどれぐらい必要になるのか、リース支払の資金負担は今後どれぐらいか

3. 0年目損益計画着地見込み
・今期の損益着地見込み数値はどれぐらいか

4. 販管費計画
・どのコストにどれぐらいの予算配分をすればいいのか、削減が必要なコスト、増加配分が必要なコストは何か

5. 製造原価計画
・製造コストはどれぐらいか、売上比率で過去と比較(材料費、労務費、外注費、製造経費)して、どれぐらいの製造コストでどれぐらいの粗利が残るのか

6. PL計画
・売上は今後どういう推移になるか(別に売上根拠資料として取引先別、商品カテゴリー別、店舗別、工事種別などの売上計画を作成する。事業デューデリでこれらの要素分解分析ができていないと作れない)
・利益はどれぐらい残るのか(粗利、営業利益、経常利益、最終利益)

7. 金融支援計画
・利益からどれぐらい返済に回せるのか、追加融資は必要になるのか、どこから融資を受けるのか、支払利息負担はどれぐらいになるか、金融機関借入金の残高推移はどうなるか

8. 税額計算表
・利益計画から必要となる税額はいくらか、繰越欠損金による税額への影響はどれぐらいか

9. BS計画
・資産額、負債額はどのように推移するのか、資産超過になるのか債務超過になるのか、現預金はどれぐらいで推移するのか

10. 不良資産回収計画
・不良債権は減るのか、増えるのか、どのように減らすのか

11 キャッシュフロー計画(本日説明)
・1~10を作成した後、現金の動きはどうなるのか

1~11を順番に作成することで色々なことが見えてきます。また作成途中で1~11を行き来しながら数値計画の精度を高めていきます。

以上、「キャッシュフロー計画作成のポイント」について、お話しました。

今後の貴社の財務改善にお役立ていただけますと幸いです。

次回は、アクションプラン「アクションプランとタイムスケジュール」についてお話ししていきます。

 

お問い合わせはこちらからどうぞ☟

「キャッシュフロー計画作成のポイント:アクションプランと数値計画|経営危機を乗り越える!経営再建計画の作り方⑲ 」
ご覧いただきありがとうございました。

「経営者の方へ」 関連の記事一覧

お問合せ
セミナーの依頼
 
注目の記事カテゴリ

経営者の方へ

銀行員の方へ

中小企業診断士の方へ

ページトップ