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アクションプラン作成のポイント:アクションプランと数値計画|経営危機を乗り越える!経営再建計画の作り方|⑳

アクションプランと数値計画の第13回目。

今日は、「アクションプランと数値計画:アクションプラン作成のポイント」の話をします。

 

 

アクションプランとは

経営再建計画におけるアクションプランとは、金融債務を削減していくための「改善具体策」のことです。

私の場合、アクションプランを作るのは、数値計画がある程度確定してからです。

アクションプラン(何をするか)を作ってから数値計画(その結果どうなるか)を作るのが通常の考え方ですが、実務を重ねていくうちに、逆のパターン(まず数値を作ってからアクションに落とし込む)の方がスムーズに計画策定が進むことに気づきました。

以下、アクションプランを作るにあたり、ポイントを説明します。

 

数値を作る過程でやるべきアクションが浮かぶ

経営再建計画のお手伝いを重ねていく中で、数値を作っていく過程で、やるべきアクションが見えてくることに気づきました。例えば、

✔(数値計画)取引先別収支計画を作る中で、この取引先をこれぐらいの売上にもっていかないと利益が残らない⇒(アクションプラン)A社に対する●●%の値上げ交渉を実施する。

✔(数値計画)売上原価計画を作る中で、粗利をしっかり確保するのは仕入れコストをこれぐらいに抑えないといけない⇒(アクションプラン)仕入れ商品Bの仕入抑制する。発注の組織体制を強化し、各部署に分散している仕入部署を一本化し、会社全体を把握できるようにする。また毎月の仕入れについて社長が最終確認をする。

✔(数値計画)C部門の売上を伸ばし、D部門を縮小するなら、C部門の人件費予算はこれぐらいでD部門の人件費予算はこれぐらい配分する⇒(アクションプラン)D部門の人材をC部門に●●名配置換えする。C部門は採用を強化し、D部門は退職補充を行わない。

✔(数値計画)返済財源に営業利益が●●●円必要なら、販売管理費は●●●円の範囲内に抑える必要がある⇒(アクションプラン)役員報酬、家賃、支払手数料、広告宣伝費、接待交際費をそれぞれ●●●円削減する。

このように先に数値計画を策定する中で、やるべきアクションが明確化していきます。

 

問題点の裏返しがアクションプラン

アクションプランを考える際、事業デューデリで作成した「経営課題、問題点の把握」が役立ちます。

なぜなら、経営課題や問題点の逆をアクションプランにすればいいから、です。

例えば、「在庫が膨らみ資金繰りを圧迫すること」が問題点で、「在庫発注ルールがない」「単品管理が不十分」が原因なら、「在庫発注の仕組み作り」「在庫管理の改善」「商品構成の入れ替え」など、在庫を抑制するための方策を考えます。

また、「従業員一人当たり売上高が少ない」問題点で、「従業員の動機づけが弱い」「営業担当の行動管理ができていない」が原因なら、「人事制度を変更し成果による報酬を付加する」「顧客行動を分析して効果が高いタッチポイントを営業担当に確認させる」「社長が営業と取引先へ同行訪問する」「デジタル導入により営業行動を見える化する」など、仕組み作りにより従業員の営業力の強化を図ります。

 

アクションプランは項目ごとに整理する

アクションプランは、「組織体制」「営業体制」「生産体制」「仕入政策」「コスト政策」「財務政策」など項目ごとの切り口でまとめると整理しやすくなります。

私がいつも使っているフォーマットを使って作成手順を説明します(パソコンサイトの方は表の上クリックで拡大します)。

 

アクションプランフォーマット

 

①経営課題を事業デューデリから転記します(事業デューデリでのしっかりした分析が大切です)。

②具体的な改善内容を記載します。

③実施時期を記載します。アクションプラン実施時期は、数値計画と整合している必要があります。

④計画書の中でアクションプラン詳細を記載しているページを記載します(例:●ページ「販売管理費計画」に詳細記載)。

もちろん一番大事なのは、②です。

 

有効なアクションプランを作るためには

アクションプランを作る時大切なのは、「支援専門家の独りよがりにならないこと」です。

アクションプランが社長に腹落ちしていないと机上の理論になり、経営再建計画書は失敗作になります。

アクションプランの案は、社長に出してもらいます。またはヒアリングにより社長の考えを反映させたものを作ります。

そしてこちらの専門家としての意見も出し、ディスカッションすることでアクションプランの内容を深めていきます。

専門家の役割は、社長が気付いていない視点を提供することです。

経営再建計画の場合、金融機関が債権者として関わってきます。

社長がやりたくても、予算の制約などで難しい場合もありますので、第三者の立ち位置で助言していきます。

その結果、社長が「よし取り組んでみよう」「しっかり頑張れば先が見えてきた」と前向きな気持ちになるアクションプランが良いアクションプランです。

 

以上、「アクションプラン作成のポイント」について、お話しました。

今後の貴社の財務改善にお役立ていただけますと幸いです。

 

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