お問合せ

【メインバンク変更 デメリット】安易な変更のリスクと失われる「取引の歴史」(2025年版)

「今のメインバンクより、サブバンクの方が良い条件を出してくれている…乗り換えるべきか?」

「メインバンクを変更することに、デメリットやリスクはないのだろうか?」

「長年の付き合いがあるメインバンク。その『取引の歴史』にはどんな価値がある?」

会社の経営において、取引銀行、特にメインバンクとの関係は非常に重要です。しかし、担当者との相性、融資条件への不満、あるいはサブバンクからの魅力的な提案などをきっかけに、「メインバンク変更」を検討される法人経営者の方もいらっしゃるでしょう。

新しい銀行が提示する金利などの条件は、一見すると非常に魅力的に映るかもしれません。しかし、安易なメインバンク変更には、目先のメリットだけでは測れない、深刻なデメリットやリスクが潜んでいることをご存知でしょうか?

この記事では、ここ愛媛県をはじめ多くの中小企業をご支援してきたコンサルタント(元銀行員)として、メインバンク変更、特に他行への乗り換え(肩代わり)に伴うデメリット(「メインバンク変更 デメリット」)、失われがちな「取引の歴史」(「メインバンク変更 歴史」)の価値、そして経営者が取るべき慎重な判断について解説します。

メインバンク変更デメリット
(「メインバンク、変えるべきか…?」と悩む経営者)

メインバンクとは?サブバンクとの役割の違い

まず、メインバンクとサブバンクの基本的な違いと、銀行側の認識を理解しておくことが重要です。

銀行が考えるメインバンク(融資シェア重視)

経営者にとっては「一番親身になってくれる」「決済口座がある」など様々な定義がありますが、銀行は一般的に**「融資残高(貸出シェア)が最も大きい銀行」をメインバンク**と見なします。そして、その企業の資金繰りや経営全体に対して、主導的な役割(支援もリスクも)を担うべき存在だと考えています。

サブバンクの狙いと提案の背景

サブバンク(メインバンク以外の取引銀行)は、常にメインバンクの座を狙っています。そのため、メインバンクよりも有利な金利や条件を提示して、融資の肩代わりや取引シェア拡大を図ろうとすることがあります。その提案は、新規取引獲得のための「赤字覚悟」の戦略的なものである可能性も認識しておく必要があります。

[関連記事:メインバンクの概念について – 銀行が考える定義とは?]

メインバンク変更で失われるもの:取引の「歴史」という価値

安易なメインバンク変更で失われる最も大きなもの、それは**「長年の取引の歴史」**という目に見えない、しかし非常に重要な資産です。

長期的な信頼関係の重要性

何年、何十年という取引を通じて築かれるメインバンクとの信頼関係は、単なる書類や数字だけでは測れません。会社の良い時も悪い時も共有してきた経験は、いざという時の相互理解の基盤となります。

業績悪化時に試される真価【最重要デメリット】

この「取引の歴史」の価値が最も顕著になるのは、会社の業績が悪化した時です。 長年の付き合いがあるメインバンクは、過去の経緯や経営者の人となりを理解しているため、厳しい状況でもすぐに支援を打ち切るのではなく、再建に向けた相談に親身に乗ってくれる可能性があります。

一方、取引の歴史が浅い新しい銀行は、過去の実績がないため、業績悪化に対してよりシビア(=融資回収優先、支援打ち切り)な対応を取る可能性が高まります。「金利が安いから」という理由だけで乗り換えた新しい銀行が、苦しい時に本当に助けてくれる保証はどこにもありません。 これが「メインバンク変更 デメリット」の核心部分です。

担当者異動と関係の継続性

銀行員には必ず人事異動がありますが、メインバンクであれば、担当者が変わっても、会社に関する情報や過去の取引経緯は組織として引き継がれます。 しかし、新しい銀行との関係は、担当者が変わるたびに、ある意味「リセット」に近い状態から再構築が必要になる可能性があります。

銀行が「メインバンク変更(肩代わり)」を嫌がる理由と影響

経営者がサブバンクの提案に乗ってメインバンクの融資を完済(肩代わり)した場合、元のメインバンクとの関係はどうなるのでしょうか?

銀行側の「裏切り」という感情

肩代わりされた側の銀行員や支店は、これを**「長年の信頼関係を一方的に反故にされた」「裏切られた」**と受け止め、強い不快感や不信感を抱きます。これは担当者の人事評価にも悪影響を与えるため、感情的なしこりが残りやすくなります。

旧メインバンクとの関係修復は困難

一度肩代わりという形で関係が悪化すると、将来的にその銀行との良好な関係を修復することは極めて困難になります。将来、再び支援が必要になった際に頼っても、「以前、他行を選ばれたのですから…」と門前払いされる可能性が高いでしょう。その事実は銀行内部で記録として引き継がれていきます。

[関連記事:融資 肩代わり – 銀行が嫌がる理由と影響は?]

それでもメインバンク変更がやむを得ないケース

もちろん、メインバンク変更が絶対にダメというわけではありません。以下のような場合は、変更を検討せざるを得ない、あるいは合理的な判断と言えるでしょう。

・銀行側の事情による変更: メインバンクの支店統廃合による利便性の著しい低下、合併に伴う方針の大幅な変更、担当者の度重なる不適切な対応など。

・会社の成長によるミスマッチ: 会社の事業規模が拡大し、現在のメインバンクの融資能力や提供サービスでは対応しきれなくなった場合。

ただし、これらの場合でも、可能な限り円満な形で移行できるよう、コミュニケーションを図ることが望ましいです。

安易な変更を避けるための経営者の視点

サブバンクからの魅力的な提案を受けた際など、メインバンク変更を検討する際には、以下の視点を持つことが重要です。

目先の金利差だけで判断しない

提示された金利差が、失われる可能性のある長期的な信頼関係や、いざという時のサポートという価値に見合うものか、冷静に比較検討する必要があります。金利以外の要素(担当者の質、提案力、迅速性など)も考慮に入れましょう。

自行との関係性を客観的に評価する

「メインバンクは何もしてくれない」と感じていても、客観的なデータ(過去の融資実行額の推移、プロパー融資と保証協会付融資の割合、担保評価に対する融資額など)を見てみると、実はメインバンクとして相応のリスクを取って支援してくれている場合もあります。感情的にならず、取引実績を冷静に評価してみましょう。

変更前に既存バンクと交渉する

現在のメインバンクの条件や対応に不満がある場合、すぐに乗り換えを決断するのではなく、まずはその不満点を率直に伝え、改善や条件変更の交渉を試みるべきです。それで状況が変わらない場合に、初めてメインバンク変更を本格的に検討するのが筋と言えるでしょう。

まとめ:メインバンクとの「歴史」は重要な経営資源

法人にとってメインバンク変更は、時に必要となる経営判断ですが、多くの場合、安易な変更は「メインバンク変更 デメリット」の方が大きいと言えます。特に、長年かけて築き上げてきた**「取引の歴史」**(「メインバンク変更 歴史」)という目に見えない経営資源を失うことは、会社の長期的な安定性を損なうリスクがあります。

サブバンクからの魅力的な提案は、あくまで「入口」である可能性を念頭に置き、

・目先の条件だけでなく、長期的な信頼関係の価値を考慮する。
・現在のメインバンクとの関係性を客観的に評価する。
・不満があれば、まずは改善交渉を試みる。

といった慎重な姿勢で臨むことが、結果的に会社の利益に繋がります。

「メインバンクとの関係に悩んでいる」「サブバンクからの魅力的な提案をどう判断すべきか」「メインバンク変更のメリット・デメリットを具体的に相談したい」経営者様は、当事務所の初回無料相談をご利用ください。貴社の状況を客観的に分析し、最適な銀行取引戦略についてアドバイスいたします。

この記事が、貴社のメインバンクとの関係、そして銀行取引全体について考える一助となれば幸いです。

 

銀行対応に関するご相談、お問い合わせは、こちらからどうぞ。☟

「【メインバンク変更 デメリット】安易な変更のリスクと失われる「取引の歴史」(2025年版) 」
ご覧いただきありがとうございました。

「コンサルのちょっといい話」 関連の記事一覧

お問合せ
セミナーの依頼
 
注目の記事カテゴリ

経営者の方へ

銀行員の方へ

中小企業診断士の方へ

ページトップ