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会社が立ち直ると感じるとき|経営危機を乗り越える!経営再建計画の作り方|【番外編】

コンサル14年間で30社以上の事業計画策定をお手伝いしてきました。

その多くが経営再建計画です。

支援期間は6か月など短いものから、計画完成後のモニタリングを含むと4年程度に及ぶ長いものまで、色々です。

経営再建計画の手伝いをしてほしいとの話。

私のところに話が来るのは、会社の業績が厳しくなった段階です。

最初は社長の態度も様々です。

 

プロジェクト当初の社長の態度

ざっくり以下の様なケースがあります。

①社長自身に問題(現状改善)意識があり何とかしたいと切実に願う

②銀行に言われて取り組むが、社長自身もこのままではいけないと考えている

③銀行に言われてしぶしぶ取り組むが、本当はあまりやる気がない(コンサルの力量を疑っている)

④銀行に言われて取り組むが合わせているだけで本当はやる気がない

私は経験が浅いコンサル初期のころ無我夢中で、①~④まですべてやりました。

思わしくない結果になったこともありました。

④はまず上手くいかず、計画は出来上がっても机上の理論になり、会社のその後も良くなりませんでした。

③はコンサルがプロジェクト前半に有益な助言をして、会社から信頼を獲得する必要があります。

①と②は、③と④と比較して、プロジェクトがスムーズに進む可能性があります。

 

社長のやる気以外に必要な要素

もちろん社長のやる気だけでは限界があります。

商品・サービスの強さとか、顧客や仕入先など応援してくれる周りの存在とか、会社に愛着を持って貢献する社員とか、所属する業界・市場の将来性とか、、、。

今は厳しくても、それらがあれば経営再建の可能性はあります。

しかし良いものを持ち再建可能性がありながら、再建が叶わなかった会社もあります。

どういうケースでしょうか?

考察してみます。

 

身の丈経営ができない

以前、社長以外の幹部社員に、「業績が厳しい原因」をインタビューしたことがあります。

その幹部が言うには「派手なことをして身の丈経営が出来ていないから」でした。

その数年後、会社は事業継続が叶わなくなりました。

社長に助言しても色々言い訳を並べ、こちらの助言には耳を傾けませんでした。

「どうしたら良いと思いますか?」と聞いてくることもありませんでした。

 

成功体験が抜けない

現在業績が厳しくなっているのに、以前のままのやり方で環境が上向けば業績が戻ると考えています。

だから数値計画の打ち合わせをしても、売上を伸ばすことばかり。

最近の業績動向や市場環境を見ても、右肩上がりの売上計画には無理があります。

市場環境が変わったことを直視せず、やり方を変えようとしません。

 

身を切るプランが出てこない

経営再建計画を作る際、ポイントは「会社自身から身を切るプランが出てくるかどうか」です。

私は、経営再建計画にはコストカット策が重要だと思っています。

経営再建計画が必要な会社は、「無駄なコストが結構あること」を経験上知っているからです。

 

【参考記事】営業赤字からの脱却|コスト削減シートで会社を再建する方法

 

そのため、デューデリの段階で資料を作成して、社長にコスト削減の助言をします。

社長は「ふんふん」と聞いています。

しかしいざコスト計画の数値を出してもらうと、こちらの助言が反映されていないことがあります。聞いているふりをして社長に腹落ちしていないパターンです。

例えば100万円の利益増加をさせたい場合。

コストカットなら100万円ですが、粗利20%会社が100万円の利益を出すためには、500万円の売上増加が必要です。営業経費などを入れるともっと売上増加が必要です。実現性はあるでしょうか?

会社の業績が厳しく銀行に返済猶予をしてもらいながら、自分は派手な生活を続ける。

その姿勢が銀行や従業員からどう見えるか、立ち止まって考えてみると良いでしょう。

身を切る覚悟が足らないので、経営再建の雲行きは怪しくなります。

 

立ち直る会社の特徴

数値計画やアクションプランの打ち合わせをしていて「この会社は立ち直るかもしれない」と感じるときがあります。

そうした会社は経営再建計画策定後の実行ステージにおいて、業績を改善させたり、厳しい事業環境の中でも健闘していたり、が多いです。以下の様な特徴があります。

✔ 良いと思った改善策は素早く実行する
・前回出たアイデアを次回訪問した際にすでに着手している

✔ 従業員と逃げずに向き合う
・コスト削減策実施にあたり、会社を継続させるために人員構成を変えないといけないケースがあります。厳しい判断を伴う場合でも、社長が逃げずに従業員と面談し、理解を得るように動いている

✔ 現実を直視する客観性がある
・過去の良い時ではなく、現在の厳しい状況を直視し、改善していくべく行動する。会社や自分を守るような言い訳をしない

✔ 身を削るプランを自分から出してくる
・現実を直視して経営責任を取り、まずは自分から正そうとしている

社長にこうした姿勢が見えた時、私は「やってくれるかもしれない」と思うのです。

 

関わった会社が良くなることが喜び

私は開業してから「がむしゃら」な時期は、自分が生活していくことで精一杯でした。

しかし開業後14年が経過し、おかげさまで関わる会社も増えてきました。

今は関わっている会社、以前お手伝いに関わった会社が良くなることが一番嬉しいことです。

支援が終了して、ご無沙汰している方の近況を見聞きすることがあります。

業績不振だと聞くと残念ですし、逆に頑張っていると聞くと、とても嬉しいです。

数値計画とかアクションプランとか、難しいことを言ってきましたが、目的は会社が良い状態で継続できることです。

経営再建計画は、そのための手段なのです。

 

以上、「会社が立ち直ると感じるとき」について、お話しました。

今後の貴社の財務改善にお役立ていただけますと幸いです。

 

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