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2021年の銀行融資態度を予測する ~2度目のコロナ融資を受けてくれるか~

年初の首都圏の緊急事態宣言発令。

近畿圏や名古屋圏も発出の準備が始まりました。

このような厳しい情勢で、中小企業は資金繰りのため、2度目のコロナ融資など、ますます銀行を頼らないといけないケースが増えてきます。

銀行は今年どのように動くのか、経営者のあなたは頭に入れておく必要があるでしょう。

今日は、銀行の動きでも特に、「融資態度」に関する私なりの予測をお話ししてみたいと思います。

 

コロナ対策融資は期限が延長された

昨年、コロナ禍においても中小企業の倒産件数が大幅増加しなかったのは、政府が緊急対策で資金繰り支援の予算を多額につけたからです。

あなたの会社も、日本政策金融公庫のコロナ対策融資や、銀行(信用金庫含む)のセーフティネット保証融資を受けたかもしれません。

いずれも、原資は税金で、銀行には、貸し倒れリスクが少ない融資(一部リスク負担あり)です。

そのため、銀行間で融資枠の取り合いになり、銀行は取引先企業にこぞって提案をしていきました。

日本公庫のコロナ対策融資も銀行のセーフティーネット保証融資も、当初予定されていた期限が延長されたため、今後融資を申し込んだ際、当面はこうした制度融資の提案が続くでしょう。

銀行が独自に融資することをプロパー融資と言いますが、貸し倒れリスクの高い局面において、銀行が積極的に中小企業にプロパー融資をすることは少ないと考えられます。

 

銀行はコロナ融資を使い、プロパー融資の残高を減らす

全国に緊急事態宣言が出た昨年4月以降、コロナ融資を受けたあなたの会社が、今現在、再度資金が不足しているとします。2度目のコロナ融資が必要となります。

原因はなぜですか?

赤字ですか?毎月いくら赤字が出ていますか?赤字額より預金残高の減りが速くないですか?

銀行はコロナ融資を提案する一方、プロパー融資を絞っています。

言い方を変えれば、リスクの高いプロパー融資を、リスクのないコロナ融資に切り替えていることになります。

もちろん、「コロナ融資実行即プロパー融資回収」のように、誰が見てもわかるような、直接的な方法はとりません。

コロナ融資を受けた企業は、口座に資金を寝かせておきます。

しばらくすると、売上とか支払とか資金の出入りがあり、お金に色がなくなります。

数か月した時点で、期限が到来したプロパー融資の短期借入金を返済する、そして次にリピートの短期融資がなければ、結果的にプロパー融資が減少することになります。

銀行は民間企業(上場企業)ですので、リスクを抑えながら儲ける仕組みを工夫するのは当たり前の行動です。

経営者のあなたは、銀行がゼロゼロ融資(金利保証料3年間ゼロ、返済開始は最長5年後)という良い提案をしてくれたと思うだけではなく、裏にあるこのようなしたたかな融資戦略も頭に入れておく必要があります。

こうした視点で、一度自社のプロパー融資の残高推移を点検してみると、銀行ごとの融資態度がよく分かると思います。

コロナ禍において、極端なプロパー融資の減少がみられる銀行は、金融庁からチェックを受けているようです。

 

融資を受けるために事業計画書が必要となる

昨年の緊急事態宣言下において、政府のとにかく中小企業の倒産を防ぐ、という方針のもと、政府系も民間銀行も細かいことを言わず、コロナ融資を実行しました。

とにかく、融資をして当面の資金をつなぐから、時間ができた間に企業努力で経営を立て直してほしい、という主旨でした。

それから、半年以上が経過した現在。受けた融資資金が底をつきました。再度コロナ融資を申し込む。

おそらく今度は、前回のように、細かいことを言わずに、すぐ資金を出してくれることはない、でしょう。

融資先企業の将来像が見えないからです。例えコロナ融資の原資が税金と言えど、今後銀行は、返済が不透明な融資を出しません。

前回のコロナ融資を受けて半年間、経営者としてどんな企業努力をされたのですか、と問われます。

経営者のあなたは、銀行に再建の構想を事業計画書という見える形にして示す必要があります。

そして計画通り改善をすすめるので、これだけ利益が残り、よって、いついつから借入金の返済が可能になります、と数値を用いて説明しなければなりません。

このように次回からの融資申込の際には、将来に向け借入金の返済が可能であることを説明する事業計画書提出が求められるようになります。

 

資本性資金の導入

今、新しい融資の動きとして検討されているのは、資本性資金の強化です。

このブログでも以前詳しくお話ししましたが、あの時よりさらに、資本性資金の機運が高まっています。

地方銀行でも先進的な銀行は、資本性資金の商品を作り、取引先に提案を始めています。

資本性資金とは、資本性ローンに代表されるように、融資より資本的意味合いが強い劣後ローンです。

資本性ローンについて、詳しくはこちらの記事を参照下さい。

もし資本性ローンが導入できるとしたら、あなたの会社は財務内容が改善したり、資金繰りに落ち着きが出たりします。

しかしながら一方で、資本性ローンは銀行(政府系、民間ともに)からすればリスクの高い融資形態(劣後ローンであり、返済の優先順位が低い)であるため、ここでも将来の展望を説明する詳細な事業計画書提出が求められます。

 

経営者として準備しておくこと

☑ 融資を申し込めば、引き続きコロナ対策融資を中心に提案してくる

☑ その際には、借入金の返済可能を説明する事業計画書の提出が求められる

☑ プロパー融資に対しては積極的ではない

☑ 資本性ローンを提案してくる先進的な銀行が出てくる

以上、今年予想される銀行の融資姿勢についてお話しました。

経営者のあなたは、こうした銀行の予想される動きに対して、

☑ 自社の銀行ごとのプロパー融資の残高推移をチェックしてみる

☑ 自社の長期融資の返済余力を確認してみる(返済余力の計算方法はこちら

☑ 将来的(今後6か月~1年程度)な資金繰りを確認し、資金繰り計画を立てる(資金繰り表の作り方はこちら

☑ 事業計画書を策定し、持続可能な事業運営を実施する(銀行向け事業計画書作成に使える補助事業はこちら

☑ 資本性ローンを研究し、導入を検討しておく(資本性ローンの使い方、メリット、デメリットはこちら

などの対策が必要になってくるでしょう。

 

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