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資本性劣後ローンの財務メリットとデメリット ~金利、返済方法、対象企業~

【はじめに】

新型コロナで消失した売上。一方、人件費や家賃は固定費ですから、売上ゼロでも発生します。仮に1か月の固定費が1,000万円で3か月売上がほぼなければ、3,000万円は赤字ということ。この赤字資金を通常の融資で調達すれば、毎月の元金返済の存在により、いずれ資金繰りが厳しくなります。そこで今日のお話。資本性劣後ローンの出番です。金融借入金を資本金のように扱うことで、毎月の元金返済負担を抑え、当面の資金繰りを落ち着かせます。以下の内容を確認し、導入を検討してみてください。

(ココから本文です)

 

今国会では2次補正予算が議論されています。

1次補正は政府系金融機関の融資制度など、資金繰りに重点が置かれていました。

2次補正の内容を見ていると、より踏み込んだ金融支援策が検討されているようです。

具体的には、資本性劣後ローンと事業再生ファンドです。

 

資本性劣後ローン

 

資本性劣後ローンとは、融資を受けた企業が返済不能になったとき、通常の金融借入金より返済の優先順位が低い融資です。

資本金的意味合いが強い融資であり、資本性劣後ローンと呼ばれています。

 

資本性劣後ローンで融資を受けるメリットは、

①期限一括償還であり、長期間元金返済がない(例;日本公庫国民生活事業;返済期日は、5年1か月、10年、20年;貸付限度額は7,200万円)

②民間金融機関が、資本性劣後ローンを自己資本とみなすため、財務評価が高くなる。その結果、民間金融機関から追加支援を受けやすい

ことです。

資本性劣後ローンのイメージ図

デメリットは、

①金利が業績連動タイプであり、借入後、4年目以降黒字が出た場合は、通常融資と比較して金利が高くなる(例;日本公庫国民生活事業の場合 当初3年間1.05%、4年目以降黒字の場合、3.4%~4.8%負担が発生します。現状であれば、新型コロナウィルス感染症特別貸付(日本公庫)を受け、据え置き期間5年を選んだほうが、当面は元金支払いが発生しませんし、金利負担はトータルで少なく済む可能性があります)。

②期限一括償還ということは、メリットである反面、返済期日に多くの資金を用意する必要がある

ということです。

 

業績が良いときに、金利負担が高くなるのは、通常融資と逆の考え方です。

通常融資の場合は、業績の良い企業が低い金利で融資を受けられますから。

資本性劣後ローンの金利は、株式の配当金の様なイメージ(利益が多く出れば多く配当する)になります。

赤字だと、金利が低くなります(例;日本公庫国民生活事業 赤字の場合 1.05%)。

日本政策金融公庫や商工中金が、「新型コロナウィルスの影響で資金が不足するスタートアップ企業」や、「一時的に財務が悪化し企業再建に取り組む持続可能な企業」に対して融資を実施します。

 

事業再生ファンド

 

地域の核となる事業者が倒産・廃業することがないよう、ファンドを通じて支援します(中小企業経営力強化支援ファンド、中小企業再生ファンド)。

官民連携ファンドを通じて、債権買取や出資等を行い、経営改善までのハンズオン支援を実施するようです。

現在のコロナ禍において、民間金融機関ができることは限られています。

地域民間金融機関自身も体力が低下しており、個々にリスクをとって中小企業支援に踏み出すことは、難しい状況です。

そこで、公的組織である中小機構や複数の金融機関がまとまって資金を出し、ファンドを設立します。

事業再生ファンドという新しい枠組みを作ることにより、リスクを取り機動的に、事業再生を支援していく方向です。

全国都道府県の中小企業再生支援協議会や事業引継ぎ支援センターとも連携していくようです。

 

選定される企業

 

通常の融資とは異なる、資本性劣後ローンや事業再生ファンド。

どのような企業が支援を受けることができるのでしょう。

まだ詳細は発表されていないので、私の予測ですが、

①雇用や地域経済への影響などが大きい企業
②キラリ、事業の強みをもちながら過剰債務で苦しんでいる企業(過剰債務問題を解決すれば立ち直る)
③資本性劣後ローンや事業再生ファンドを導入することで、立ち直りが期待される企業

でかつ、新型コロナウィルスの影響で一時的に業績が悪化していること、などが要件になると考えます。

いずれにしろ、メインバンクの積極的な支援姿勢が求められるでしょう。

メインバンクが、「この企業を何とか支援したい」と、強く感じていることがポイントです。

よって、通常融資のように企業側から申請するのではなく、メインバンクからの提案により導入することが多くなるでしょう。メインバンクから日本政策金融公庫や商工中金への取り次ぎが想定されます。

 

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