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会社を再建する!経営改善計画書の作り方④~数値計画と具体的行動策~

現状分析が終わると、計画策定に入る

前回は、現状分析についてお話ししました。

現状分析が終わると、ようやく「数値計画と具体的行動策」に入ります。

この数値計画と具体的行動策を指して、一般的に「経営改善計画書」と言っています。

そのため、ここから着手してしまいますが、今まで説明してきた通り、大切なのはその前の部分の現状分析です。

正確な現状分析ができてはじめて、実現性の高い「経営改善計画書」が出来上がります。

経営課題に対しての改善策を一緒に考える

まず最初に支援先経営者と実施するのは、課題に対しての改善具体策のディスカッションです。

前回お話しした現状分析(事業調査・財務調査)で、支援先企業の経営課題が把握できているはずですから、その課題に対して、経営者として何をしていくか、案を出してもらいます。

出てきた案に対して、意見交換を重ねていきます。

我々支援者の役割は、まずは経営課題を的確にまとめることです。経営者が感じている漠然とした課題を文章化したり、支援者が感じた経営課題を客観的視点をもって提言します。

ここは、支援者のプロとしての力量が問われるところです。

経営課題が的を得ていたら、後はそれに対して、企業が保有する経営資源を使って、どんな具体策をぶつけていくか考えるだけです。

具体策は必ず企業側に案を出してもらいます。支援者の押し付けでは実行が伴わず、「机上の空論」になる可能性が高いからです。

数値計画は支援者がたたき台数値を作る

具体策を考えてもらっている間に、同時並行で、今後の数値計画のたたき台数値を検討します。

数値計画とは、将来(5~10年)の損益計画、貸借計画、キャッシュフロー計画、製造原価計画、販売管理費計画、純資産の推移計画、金融機関借入金の返済額と残高推移、減価償却費計画などです。

これらの数値が、行動策と一致していなければなりません。

本当は、経営者に考えてもらえればベストなのですが、残念ながら中小企業経営者に、詳細な数値計画を策定できる時間と経験はありません。

プロとして、支援者がたたき台数値を作成し提案する必要があります。

繰り返しますが、支援者が整合性のある数値計画を作るためのは、現状分析に時間をかけ、企業の内容を熟知していないと難しいです。

経営改善計画書への記載内容

こうして、以下のような内容で、「数値計画と行動の具体策」が出来上がります。

①表紙

②経営者挨拶

③目次

④経営改善計画の概要

⑤ビジネスモデル俯瞰図

⑥関係者相関図

⑦計画数値の概要と具体的実施策

⑧行動スケジュール(改善行動の優先順位付け)

⑨数値計画詳細(将来5~10年程度)

PL計画、BS計画、CF計画、製造原価計画、販売管理費計画、タックスプラン、金融機関借入金残高推移、純資産計画など

⑩事業部門別、取引先別、商品カテゴリー別、店舗別などの収支計画(企業の状況に応じて選定)

⑪人員計画

(今後人員をどう配置していくか、人件費はいくら予算取りするか)

⑫設備投資計画

(事業継続のため、必要な設備投資は何か)

⑬コスト削減策、営業強化策、収益改善策、人材育成策、不良資産・在庫削減計画など、企業の状況に応じた改善策

⑮資金繰り計画

(計画を実施することで、今後資金繰りはどうなるか)

⑯金融支援計画

(計画を実行することで、取引金融機関からどのような金融支援が必要となるか、金融機関借入金残高・返済金額はどう推移していくか)

(金融機関ごとの返済額を決めるためには、根拠あるキャッシュフロー金額予測と、基準日の融資残高シェアが必要です)

⑰減価償却費明細

(過去の償却率と将来の投資計画をもとに、各資産別の将来の償却額を予測)

⑱金融機関別保全状況

 

【経営改善計画書出来上がりイメージ】計画書サンプル;出所;中小企業庁

 

金融機関にとって気になること

上記の中で、特に金融機関など債権者が気になるのが、⑨数値計画詳細と⑯金融支援計画です。金融機関は、この計画を実行することで、融資金がきちんと返済されるかどうかが、一番の関心ごとだからです。

 

【参考記事】→「銀行が提出した経営改善計画を認めない3つの理由」

 

そして、金融機関から認められる数値計画を作成するためには、人件費、借入金利息、減価償却費、社会保険料、棚卸資産残高、売掛金残高、買掛金残高など、細部にわたるまで、きちんと数値算出の根拠を示すことが大切です。

例えば、金融機関から借入金利息金額の算出根拠を聞かれた場合、支援者が「今まで実績でこれぐらいだったから、将来もこれぐらいです」と曖昧な回答をするようでは、経営改善計画書の信ぴょう性を疑われます。

各金融機関、各借入ごとの金利はいくらで、保証料がいくらで、年度ごとの借入金残高がこの金額推移になりますので、掛け合わせて(2期の残高平均×利息・保証料)この支払利息になります、と図表を使い、説明する必要があります(借入金利息計算シートを添付します)。

なぜここまで質問されるかというと、金融機関にとって支払利息は、自分たちに深く関係する勘定科目だからです。あらかじめ説明できる資料を作って計画書に添付しておけば、質問されることはありません。

このように、ポイントになる数値において、計算の根拠を説明できるようにしておきます。

企業にとって重要なこと

数値計画を説明するために、今まで時間をかけて現状分析をして、ロジックを積み上げてきました。この計画実施が「金融機関にとってもメリットである」ことを、理解してもらいます。

一方、会社にとって大切なのは、⑦行動の実施策⑧行動スケジュール⑬各種改善策です。

なぜなら、数値は行動を起こすことによる結果だからです。結果を出すための過程(改善策を実施すること)が最も重要になります。

このように、経営改善計画の行動計画と数値計画を作成するためには、様々な面からノウハウや配慮が必要です。やっつけ仕事では、利害関係者の満足のいくものができず、時間とコストが無駄になります。

 

債権者である金融機関に認められる「経営改善計画書」であり、そしてそれがイコール、支援先企業の将来を照らしていく指針(行動実施策、数値計画、金融支援計画がリンクして、この計画を実行することで企業が再建する)になっている必要があります。

以上、経営改善計画の「数値計画と具体的行動策」の作成についてお話ししました。次回は、計画策定後のモニタリングについてお話しします。

 

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