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経営改善計画書の数値計画とアクションプラン|作り方と連動例

「経営改善計画書の計画部分には、何をどこまで詳しく書けばいいのだろう?」

「値上げや経費削減を考えているが、銀行へ説明できる数値の根拠がまとまらない」

「アクションプランと、利益・資金繰り・返済の計画をどうつなげればいいのか?」

経営改善計画書は、「誰が・いつ・何を変えるか」を決め、その効果を売上・費用・入出金へ反映して作ります。改善後の損益だけでなく、現預金と借入残高の推移、未達時の対応までつながっていることが重要です。

愛媛を拠点に全国の企業を支援する和田経営相談事務所では、経営者が改善行動を決め、支援者が数値の整合性と実現可能性を確かめる進め方を重視しています。この記事では、計画に必要な内容と、行動を数字へ落とす手順を説明します。

計画書の中身、どう作る?
将来の見通しを持つには、改善行動と、その結果が数字へ表れる時期を具体化します。

経営改善計画書の「計画部分」に必要な内容

アクションプランは実行する行動、数値計画はその行動によって見込む成果です。現状分析で明らかになった課題を起点に、次の項目を一組として作成します。

計画の主要項目と、つなげて確認する内容
項目 記載・確認すること
アクションプラン 課題、改善策、担当者、期限、実行費用、進捗を測る指標
損益計画 単価・数量から売上を計算し、原価・人件費・経費・利息・税金を反映
貸借対照表計画 現預金、売掛金、在庫、設備、借入金、純資産の期末残高
CF・資金繰り計画 営業・投資・財務の資金増減と、月別の入出金・最低残高
返済・金融支援計画 金融機関別の返済額、借入残高、必要な支援内容と実施時期

製造原価、販管費、人員配置、設備投資、減価償却費などは、これらの数字を裏付ける明細として用意します。純資産の増減や担保・保証の状況も必要に応じて示します。書類を増やすより、同じ前提で各表の数字がつながっているかを確認することが先です。

年次計画は改善・返済の道筋が見える期間を取り、当面の資金繰りは月次で具体化します。例えば向こう1年の月次表を作り、資金が薄い時期は週次・日次でも確認します。制度を使う場合の計画期間や必要様式は、その制度の要件に合わせます。

アクションプランは、担当・期限・判断基準まで決める

「営業を強化する」だけでは、何を実行して数字を改善するのか分かりません。まず、利益率低下の原因が価格、仕入原価、商品構成などのどこにあるかを確かめます。訪問件数が少ない場合も、件数を増やせば受注につながるのかを検証します。

記載例:主力商品の価格改定

  • 課題:仕入価格の上昇を販売価格へ反映できていない。
  • 担当・期限:営業責任者が9月末までに対象顧客と交渉し、10月納品分から改定する。
  • 目標:単価1,000円を1,100円へ改定し、月1,000個の販売を目指す。
  • 確認指標:価格改定の合意状況、実際の単価・数量・粗利を毎月確認する。
  • 未達時の対応:数量減少の理由を調べ、条件の再交渉や対象商品の見直しを行う。

経営者は、顧客との関係や現場の負担も踏まえて採否を決めます。支援者は比較案や数値のたたき台を用意し、経営者と現場担当者が実行できる内容かを確かめます。担当者と時間・費用を確保できない施策を、達成済みのように計画へ入れないことが大切です。

数値例:値上げを利益と入金の計画へつなげる

先ほどの施策を使った説明用の仮例です。3月決算で、4月から翌3月までを計画します。商品は1種類、月1,000個、単価1,000円、1個当たり売上原価700円。年間の販管費は380万円とします。

10月から単価を100円上げ、数量と1個当たり原価が変わらなければ、当期の増収・粗利増加は100円×1,000個×6か月=60万円です。交渉・切替えの追加費用12万円を当期の販管費に入れます。

当期の損益比較(単位:万円)
項目 改善を行わない場合 10月から改定
売上高 1,200 1,260
売上原価 840 840
売上総利益 360 420
販管費 380 392
営業利益 -20 28

営業利益は48万円改善します。年度途中の施策を12か月分で計上すると、当期の効果を過大に見積もります。また、単価上昇を売上計画へ反映したうえで、同じ60万円を別の「粗利改善効果」として再加算しないようにします。

数量が減る場合も同じ前提で再計算する

10月以降の販売が月800個になれば、その6か月の粗利は(1,100円-700円)×800個×6か月=192万円です。前半6か月の粗利180万円と合わせて372万円。販管費392万円を引くと、営業利益は20万円の赤字に戻ります。

値上げ額だけでなく、顧客の合意や数量減少の見込みが計画の根拠になります。失注時にも当面の支払いを続けられるか、対応策と併せて確認します。

利益の増加と、当期の入金増加は一致しない

月1,000個を維持できても、月末締め・翌月末入金なら、10月~3月の値上げ分60万円のうち、当期中の入金増加は11月~3月の50万円です。残り10万円は3月末の売掛金に残ります。

追加費用12万円を当期中に全額支払うなら、この施策の当期の入出金改善は50万円-12万円=38万円です。営業利益の改善48万円と分けて扱います。

仮例は税抜金額で、消費税・法人税等の税金の影響を省略しています。記載外の条件や入出金は変わらず、回収遅延もない前提です。38万円は施策による増分であり、会社全体の現金残高や確定した返済余力ではありません。

銀行へ示す前に、資金繰りと返済計画を照合する

利益が改善しても、売掛金・在庫への資金滞留、設備代金、税金、元金返済が重なれば資金は不足します。借入金の元金返済は損益計画の費用に入らないため、資金繰り計画と借入明細へ反映します。

  • 現預金:期首残高+期間中の入金-出金が、同じ範囲の期末残高につながっているか。
  • 借入金:期首残高+新規借入-元金返済が、金融機関別の期末残高と一致するか。
  • 費用・投資:人員、設備、償却、利息、保証料について、費用計上と支払時期を反映したか。
  • 金融支援:何月にいくら必要か、条件変更後の返済をどの資金で続けるかを説明できるか。

「利益+減価償却費」やフリーキャッシュフローだけで判断を完結させず、運転資金と必要投資、手元資金の余裕も見ます。新規融資や返済条件の変更は、金融機関の合意前には未確定の前提として示し、支援を受けられない場合の不足も確認します。

一時的な補助金や資産売却収入は、継続して稼ぐ力と区別して表示します。当事務所では、会社の実態に合わせて管理用のCFを組み替える場合も、通常の表示から何を調整したかを明らかにし、入出金の総額と残高を合わせます。

計画には、実行後の確認と修正の方法も書く

計画策定時に、誰が実績を集計し、いつ経営者と確認し、金融機関へどう報告するかを決めます。社内では毎月、行動の実施状況と数値の差を一緒に確認する運用を基本にします。

値上げの例なら、未達の理由を「交渉が遅れた」「改定単価が低かった」「販売数量が減った」に分けます。元の計画と実績を残し、今後の見通しを更新してください。数字だけを達成しやすい目標へ書き換えると、原因の検証ができなくなります。

405事業では、金融支援と伴走支援を含めて検討する

405事業は、金融支援を伴う経営改善計画の策定と、その後の伴走支援に係る専門家費用を支援する制度です。中小企業活性化協議会による制度概要でも、アクションプラン、計画財務3表、資金繰り表、金融支援の依頼内容などが示されています。

計画書の完成だけで、費用補助や融資が決まるわけではありません。利用申請時点の手引きに沿って、計画要件、金融機関の同意、伴走支援の期間・頻度を確認します。社内の毎月の管理と、制度上の伴走支援・報告の要件は区別してください。

制度利用の流れは、【405事業の流れ】事前相談・利用申請・計画策定・銀行同意・伴走支援まで解説をご覧ください。計画実行の考え方は、経営改善計画書は作ってからが本番!どんぶり勘定から脱却し、確実な黒字化へ導く実行・管理プロセス(2026年版)で解説しています。

自社の課題を整理し、メインバンクへの相談に備える

AI経営参謀で、改善計画の検討事項を整理できます

直近2期分の決算書をご用意ください。決算書に付いている明細も、そのまま一緒に送っていただけます。まずは確認できる数字から整理し、追加で必要な情報がある場合だけ、チャットで順に確認します。

  1. 画面右下のチャットを開く。
  2. クリップマークから直近2期分の決算書を添付する。PDF、Excel(.xlsx・.xls)、JPG・PNG画像に対応。スマートフォンのPDF・Excelはファイルの選択画面から送ります。
  3. 次の質問をコピーして送信する。

添付した直近2期分の決算書を基に、当社の利益・運転資金・借入の変化と、改善計画で確認すべき課題を整理してください。資料にない数字や事情は推測せず、追加情報が必要な場合は一つずつ質問してください。そのうえで、検討する改善行動と、その効果を計算するために確認する数字・時期を示してください。

ご自身の会社の、取り扱う権限がある資料だけをご利用ください。不要な個人情報は除き、プライバシーポリシーをご確認ください。AIは検討事項の一次整理を行います。決算書2期分だけで、将来の数値計画、制度の利用可否や金融支援を確定するものではありません。

経営改善計画は、改善行動・利益・入出金・返済・進捗確認をつなげて初めて実務で使えるものになります。まず一つの施策について、担当者、開始時期、効果の計算根拠、入金・支払時期を書き出してください。

金融支援を伴う経営改善をご検討の方へ

まずメインバンクへ相談し、当面の資金繰り、金融支援の方向性、405事業などの利用の必要性を確認してください。資金が不足しそうな場合は、計画の完成を待たずに相談します。

すでに金融機関から提案・紹介を受けている場合は、担当職員と相談のうえ、金融機関ご担当者から当事務所へご連絡ください。案件概要の事前確認は電話:089-904-1437で承ります。

「経営改善計画書の数値計画とアクションプラン|作り方と連動例 」
ご覧いただきありがとうございました。

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