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あなたの会社は売れるのか ~見える企業価値、見えない企業価値~

私には政府が、コロナ禍において、体力の落ちている中小零細企業の再編や業態転換を促しているように見えます。

そうなると、ますます活発化してきそうなのは、中小企業のМ&A市場です。

中小企業を取り巻くМ&A市場は、急ピッチで整備が進んでいます。

私のところにも、М&A関係のメールマガジンが、頻繁に届くようになりました。

М&Aと切り離せないのが、企業価値評価です。

そこで今日は、企業価値について少し考えてみたいと思います。

会社を引き継ぐ

目に見える企業価値は決算書で分かる

会社を買うにしろ、売るにしろ、会社の値段を決める必要があります。

値段設定には、目に見える価値と目に見えない価値があります。

目に見える価値は、財務諸表(決算書)に数値として現されます。

本当は、買収の際の企業価値評価は複雑なのですが、分かりやすくするために、話を単純化します。

あなたの会社の最新の決算書の貸借対照表を眺めてみてください。

左側の資産勘定から、右上の負債勘定を引いたものが、右下の純資産勘定です。

純資産勘定(純資産の部;資本金+利益剰余金)は、プラスですか?マイナスですか?

プラスであれば、売却して手元にお金が残ります。

マイナスであれば、売却しても負債が残ります。

純資産がマイナスの状態であれば、簡単に売却も廃業もできません。

この状態を債務超過(さいむちょうか)と言います。

債務超過かどうか判定するときに、気を付けないといけないのは、資産勘定の内容です。

資産勘定の中に、不良債権や陳腐化した在庫、価値が劣化した固定資産、下落した有価証券などがあれば、その金額は除く必要があります。

中小企業の場合、決算書の時価評価をしていないので、「表面上は純資産プラスでも実態は純資産マイナス」ということが大いにあり得るのです。

 

【参考記事】資産超過と債務超過 ~決算書が資産超過でも安心できないわけ~

 

目に見えない資産価値

会社には、目に見えない(数値化されない)資産もあります。

例えば、経営陣の先見性や専門知識、優秀な従業員、忠誠心の高い常連顧客との関係性、地域でのブランド認知度、取引先や仕入先とのネットワーク、特許権等の知的財産権、などです。

これらは、数値化ができませんので決算書の貸借対照表には出ていません。

しかし一方で、目に見えない資産は、いずれは損益計算書の売上高となって、決算書に結果として現れてくるとは思います。

そういう意味では、自分たちが目に見えない資産として評価しているものも(数値として決算書に出ていないのであれば)、現段階では市場価値が低い可能性もあります。

会社を売買する際には、目に見えない資産をどのように評価するかが、難しいところです。

 

どこに、何を相談すれば良いのか

会社を売買したいとき、どこに相談すれば良いのか。

まず考えられるのは、取引銀行。

近年、各銀行は、М&Aマッチングに力を入れていますので、協力してくれるでしょう。

銀行に相談するのに抵抗があるのなら、各都道府県に配置されている公的なМ&A相談センター(事業引継ぎ支援センター)もあります。

もちろん当事務所でも、М&A相談をお受けしています。

その際、何から相談すれば良いか、相談すること自体がはっきりせず、迷ってしまうかもしれません。

まず以下の様なことを相談してみてはいかがでしょう?

☑ 引き継ぐ相手はいるか?いるならそれは誰か?

☑ いつごろまでに引き継ぎたいのか?

☑ 自身はリタイヤ後どんな生活をしたいのか?

☑ 引継ぎするにあたり、ネックになりそうなことは何か?取引先との関係?銀行の融資?従業員の処遇?

まずは第三者に相談してみてはいかがでしょう?自分一人で悩み、堂々巡りになっていた色々なことが見えてくるはずです。

 

売却の選択肢を持ちながら経営する

実際に会社を売る売らないは別として、第三者から買いたいと思われるぐらい魅力的な会社にしておきたいものです。

「買収価値がある魅力的な会社にするため、頑張る」という気持ちが経営の動機づけになるでしょう。

ご子息が会社を継いでくれるなら、それも嬉しいことです。

会社の魅力を高め、債務を圧縮し財務体質を強固にするなど、 後継者にいい形でバトンタッチできるよう準備したいですね。

長年経営してきた会社に愛着を持って続けるにしても、売却という選択肢があるのと、ない(売却できる価値がない)のとでは、プレッシャーが違ってきます。

良い形で会社が売却できれば、身軽になり、また新たなことに挑戦できます。それもまた魅力的なことではないでしょうか。

 

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