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資産超過と債務超過 ~決算書が資産超過でも安心できないわけ~

【この記事で分かること】

 

・資産超過とは何か

 

・債務超過とは何か

 

・資産超過でも実態は債務超過の場合があること

 

・債務超過解消のための4つの方法

 

 

 

【この記事のポイントは以下の通り】

 

☑ 債務超過とは、純資産の部がマイナスのことで、会社清算をした際、負債が残る良くない状態である

☑ 資産超過とは、純資産がプラスのことであるが、資産の部に陳腐化・回収不能な資産が多額にある場合は、良い状態にあるとはいえない

☑ 純資産が、資産のどの部分に振り替わっているか把握し、会社の実態をつかんでおくことは大切である

☑ 債務超過を解消するための4つの方法を、以下記事で紹介する

 

詳しく見ていきましょう。

 

 

債務超過と資産超過

 

債務超過とは、決算書の貸借対照表の純資産(資本金+会社設立からの利益の蓄積)の部分が、マイナスになることだ。

債務超過 決算書

 

 

貸借対照表は、左側に「資産の部」、右側に「負債の部」と「純資産の部」で構成されている。必ず、右側合計金額と左側合計金額が一致するようになっている。

 

であるから、①資産の部=負債の部+純資産の部 ②資産の部-負債の部=純資産の部 の算式が成立する。

 

「純資産の部」がマイナスであると、資産より負債の方が大きいということで、「純資産の部」がプラスであると、資産の方が負債のより大きい、ということだ。

 

もし仮に今の時点で、事業をやめようとしても、資産より負債が大きければやめられない。(資産をすべて処分しても負債が残るから)。

 

債務超過とは、そういう状態のことで、非常にまずい。もちろん債務超過でも、取引金融機関から融資を受けたり自己資金を取り崩したりして、資金調達が可能なら、事業を続けることができるが、よろしくはない。

 

資産超過でも、まずい場合

資産超過とは、債務超過と反対に、純資産の部がプラスである状態だ。

資産超過 決算書

 

では、決算書が資産超過なら問題ないのか、と言えばそうでもないことがある。

右側の純資産の部に、1,500万円の金額が記載されているとする。

見ておきたいのは、その1,500万円が、「左側の資産の部のどの部分に振り替わっているか」だ。

 

例えば、在庫として資産の部に4,000万円記載されているが、そのうち2,000万円は市場価値のない陳腐化在庫だという場合。純資産2,000万円は減価し、実質純資産は▲500万円となる。(純資産の部は2,000万円減少する)。

不良資産在庫

 

 

資産の部に4,000万円が土地勘定で計上されているが、バブル時代に購入した土地であり、現在の相場が半値になっている。このケースは、純資産の1,500万円は吹き飛ぶ。(純資産の部は2,000万円減少し、実質は債務超過といえる)。

不良資産土地

 

 

資産の部に、回収不能な売掛金、使途不明な仮払金、貸付金、未収入金などがあった場合も同様。(上記いずれの場合も、中小企業は決算書を修正する必要はないが、実質はこのような状態という意味)。

 

大切なのは純資産の実態をつかんでおくこと

 

大事なのは、純資産が資産の部のどこに振り替わっているのか、そして、その純資産の中身は本当に価値がある資産なのか、ということ。

資産の部がプラスだからと言って、必ず安心できるわけではないのだ。

 

 

【参考記事;債務超過を解消する財務的な方法】こちら→資本性劣後ローン 

 

債務超過4つの解消法

お話ししてきたように、自社財務にとって良くない状態の債務超過。

どのように解消し、資産超過の状態に持ってゆけば良いか。以下4つ方法を説明する。

 

①損益計算書で利益計上して、貸借対照表の利益剰余金のマイナス分を減らす

この方向が一番の王道である。ただ、そもそも債務超過状態の会社が利益体質になることは、難しい。赤字会社が利益体質になるためには、売上の増加、値上げや販売価格見直しによる利幅の増加、材料費や仕入れなど直接コストの見直し、事務所経費や人件費ほか間接コスト削減、などの方法がある。

②役員借入金の活用

役員借入金を資本金に振り替え(増資による資本金の増加)したり、役員借入金を債権放棄して債務免除益により特別利益計上(利益剰余金の増加)したり、することで債務超過を解消する。

 

【参考記事】役員借入金の減らし方を図表付きで詳しく解説しています。こちらの記事でチェック

 

 

③含み益のある資産を売却し、特別利益を出す

含み益がある資産、例えば上場有価証券や、投資信託、保険積立金、遊休不動産、などを売却する。含み益が顕在化し特別利益計上で債務超過解消となる(特別利益の金額が債務超過額を上回れば。ただし法人税負担は考慮していない。繰越欠損金が存在し、法人税負担が発生しない決算期に処理すると、現金流出しない)。

④個人資産による増資

個人の預金を投入したり、個人の不動産を売却して資金を捻出したりして、社長など役員が債務超過金額を増資する。資本金が増加するため、債務超過解消となる。

 

①は、事業自体を筋肉質にして債務超過を解消する方法、②、③、④は財務テクニックによる債務超過を解消する方法となる。

いずれの方法を採るとしても、会社としての事業・財務戦略が必要になる。

 

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