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赤字経営立て直し まず何から?~今すぐ経営改善計画書を作りなさい!~

【はじめに】

銀行を17年勤務後開業し、赤字改善の経営アドバイザーとして活動して12年になります。

活動をしていて、気になっていることがあります。経営者が経営改善計画書を作り始めるタイミングです。多くが、連続赤字を計上して、銀行融資が難しくなり銀行から要請されて。「受け身」なのです。

本来は経営改善計画書とは、会社を立て直し将来を見通すために、自社主導で作るものです。他人から指示されるものではありません。着手するタイミングは、1期赤字が出たとき。赤字転落はサインなのです。経営改善計画を、主体的にかつ打ち手が残されている早い段階に着手してもらいたいと考え、記事にしました。

中小企業診断士 和田 健一 プロフィール

 

 

赤字とは

 

自社が赤字がどうかは、決算書の損益計算書を見れば分かります。

利益には何種類かあり、上から、売上総利益、営業利益、経常利益、当期利益となっています。

これらがマイナスになっている状態を「赤字」と言います。プラスになっている状態を「黒字」と言います。

事業が赤字

利益の種類について、ざっくりと説明します。

売上総利益は、売上から、仕入れなどの売上原価を引いたもの。

営業利益は、売上総利益から一般費および販売管理費(間接経費)を引いたもの。本業でどれだけ儲けているかを表します。

経常利益は、営業利益から、雑収入を足して、借入金支払利息など金融費用を引いたもの。本業利益で金融費用を支払えているかを表します。

当期利益は、経常利益からその期に特別発生した利益や損失を加減したものです。特別損益は、固定資産の売却、店舗閉鎖、有価証券の売買などにより発生します。

 

それぞれの赤字が表すもの

 

売上総利益が赤字とは、仕入れたものを販売した時点で赤字の状態ですから、商売として成り立っていません。早い段階で事業は継続できなくなります。

営業利益が赤字の状態とは、商品・サービスを販売した利益で、事務所経費などの間接費が、まかなえないということです。社長や事務員の人件費、事務所家賃、水道光熱費、その他もろもろの経費のどこかしらが、過大になっている状態です。このままの利益体質では、いずれ事業が継続できなくなります。

経常利益が赤字の状態とは、本業でコストがまかなえている(本業は黒字)のですが、金融費用が負担できていない状態です。支払利息などの金融費用を、個人的な資金で負担するか、銀行から再度借りてくるか、などの対応を取らないと資金が回らなくなる状態です。あまりよくない表現ですが、この状態が恒常化した企業は、「ゾンビ企業」(営業利益で支払利息が負担できない企業)と呼ばれています。

売上総利益が赤字、営業利益が赤字、経常利益が赤字の順に、事業としてより厳しい状態であり、いずれも事業は立ち行かなくなります。

 

改善行動を始めるタイミング

 

私は、今までの支援経験から、改善行動を始めるタイミングは、「初めて赤字になった時」だと感じています。

黒字だった企業が赤字に転落するには、何かしらの原因があるからで、赤字転落は一つの重大なサインなのです。

しかしながら、多くの経営者は、危険サインを見落とします。

結果、恒常的な赤字体質になり、抜け出せなくなるのです。

1期赤字で黄色信号、2期連続赤字で点滅赤信号、3期連続赤字で赤信号→退室となります。

ですから、1期赤字になったら大騒ぎして、改善行動を直ちに実施しなければなりません。

 

経営者のお尻に火が付くのは、外部圧力が掛かってから

 

銀行員として17年、その後コンサルタントとして9年、合計26年の間、経営不振企業を見てきました。

経営者のお尻に火が付くのは、外部から圧力が掛かってからか、資金繰りがどうしようもなくなってからです。

 

具体的には、銀行融資の返済が厳しくなった、税金や社会保険料が払えなくなった、仕入代や人件費、家賃の支払いが遅れだした、個人の貯蓄が尽きた、などの事象が発生してからです。

銀行や仕入先など外部からの圧力が掛かって初めて、具体的に動き始めます。

しかし、この時点で改善行動を始めても、成果が出始めるのに時間がかかりますし、完全に受け身の状態になっていますので、時間切れになることが多いのです。残念ながら、追い込まれて始めても遅いのです。

そして、銀行融資ストップ、個人の資産も枯渇して、資金繰りが行き詰まり、事業継続が困難になるのです。

事業を継続していく経営者とそうでない経営者の違いは、危機に直面した時の初期対応です。危険を早い段階でキャッチし、素早く的確な改善策を打てるかどうか、です。

事業を継続してく経営者は、1期赤字でアラームを鳴らし、赤字を無視したり見過ごしたりしません。

 

【参考記事】不採算部門からの撤退、どう判断する??

 

経営改善計画書を作り、見える化して、改善策を実行する

 

改善行動に入る場合、書面で経営改善計画書を作成すると、より効果が出やすいでしょう。

いざ、改善策を実行しようとしても、頭の中だけでは、的確な改善策が立案できませんし、思考は堂々巡りになりがちです。

経営改善計画書を作り「見える化する」ことで、経営者の頭の中が整理され、改善行動に向けて意識を集中することができます。

また文章化して、社内、取引銀行、取引先など利害関係者に周知することで、今後の貴社の方向性について、合意形成が可能となります。

経営改善計画書には、①現状分析により経営課題を把握し、②経営課題に対して的確な改善策を立案し、③行動することで計数にどう反映されるか数値目標を作る、大まかに言えばこの3つの流れが必要になります。

貴社のリスクの芽を早めに摘み取り、将来像を導き出してくれることでしょう。

 

以上、赤字改善に取り組む上で参考にしていただくと幸いです。

 

自社で出来れば良いですが、自分で自分を管理し、改善策を実行するのは大変です。

その時は、第三者に手伝ってもらう方法もあります。

当事務所では、記事のような状態になってしまった中小企業(黒字から赤字へ転落)の支援実績があります。

 

当事務所実績一覧 ~企業支援関係~

【参考】経営改善計画書を作るための補助制度、405事業の申請方法(中小企業庁オフィシャルサイト)はこちら

 

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経営支援

 

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