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経営改善計画策定支援事業(通称405事業)の現状について思うこと【前編】~制度の概要と現在の状況~

【はじめに】

新型コロナの緊急事態宣言も終了し、少し落ち着いてきた現在。この記事にたどり着いたあなたは、今後の会社の将来展望を描いていくうえで、405事業活用の検討されているのでしょう。この記事を書いたのは、もう4年前になります。下記に書いている405事業の内容は、4年前とほとんど変わっていません。制度も継続されています。引き続き405事業に対して一定の需要がある、ということです。

私は現在まで405事業を認定支援機関として活用し、7年間で7社の計画策定に関わりました(うち3社は3年間のモニタリング期間も終了し、残り4社は現在モリタリング中)。当事業は、支援先企業と支援者である認定支援機関、メインバンクの協力関係がうまく回れば、有益な事業です。ただ注意点も多く、安易な気持ちで取り組めば失敗が待っています。

特に、①経営者が本気で改善に取り組む気持ちがあるか②メインバンクが当該企業を本気で支える気があるか③認定支援機関の実務能力はあるか、この3つはポイントです。

以下記事及び、リンクの関連記事405事業「失敗のケース」「有効活用の方法」「経営者が気を付けること」「認定支援機関が気を付けること」「銀行員が気を付けること」を同時に読み進めていただければ、理解が進むと思います。参考していただけますと幸いです。

令和2年6月24日 中小企業診断士 和田 健一

 

(ここから本文)

経営改善計画策定支援事業(通称405事業)とは

行政支援策。色々種類があるが、使い勝手の良いもの、手続きが煩雑だったり、効果がわかりにくいため使い勝手が悪いもの。様々だ。

その中で私がコンサル活動を行ってきた中、これは良い制度だと思うものもいくつかある。その中の一つ、「経営改善計画策定支援事業」(通称405事業)の現状についてお話ししてみたい。

405事業は使い勝手が良い

この「経営改善計画策定支援事業」は、業績が厳しく、取引銀行向けに今後の改善策や数値計画を提出する必要がある中小企業者が活用できる制度だ。

 

事業申請の流れ

国が認知する中小企業支援者の「経営革新等支援機関」(私も認定されています)と、中小企業者、メインバンクの3者が連名で各都道府県の経営改善支援センターに申請し、採択になれば事業を開始するという流れだ。

採択後は、経営改善計画の策定に入り、完成すれば、経営革新等支援機関が呼びかけ、債権者(融資を受けている銀行など)を集め、そこで発表した計画が債権者から同意を得られれば、補助金が支給される。

 

事業の補助額

計画策定と、その後3年間のモニタリング(事業進捗の確認フォロー訪問)費用のうち、2/3が補助される(1/3は自己負担)。企業規模に応じて、最高100万円、200万円、300百万円の事業費である。(補助金はその金額の2/3が上限。300万円の事業費なら、200万円が補助金で、100万円が自己負担)。

 

事業が好スタートを切った背景とその後の失速

私も過去何件かお手伝いした。もう開始されてから4~5年が経過するが、この「経営改善策定支援事業」の取り組みが想定を下回っているという。事業開始当初は、405億円の予算が付き、通称405事業と言われ、好調なスタートであったという。その背景には、税理士の動きがある。

経営革新党支援機関として全国数万箇所が行政当局から認定されている。そのうちの多くを占める税理士と連携が深い、会計ソフト会社のTKCは、全国数万人のTKC会員税理士に、この補助金を活用したクライアント向け経営改善計画策定の号令をかけたそうだ。

このようにして、はじめは打ち上がった花火もその後勢いをなくす。なぜだろうか。一つは、やりやすいところから計画策定が一巡し、ネタ切れという側面もあろう。しかしながら、金融円滑化法の出口戦略の一環として立ち上がったこの事業。全国の中小企業約380万9000社(平成26年経済センサス-基礎調査)のうち、1/10が条件変更(リスケ先)と言われる現状において、行き渡ったとはとても言えまい。

であるならば、その真の原因は何であろうか?利害関係者(企業経営者、メインバンク、経営革新等支援機関=専門家)の各々の事情を次の回で考えてみたい。

【関連記事】

経営改善計画策定支援事業(通称405事業)の現状について思うこと(後編)

 

《記事のまとめ》
・数ある行政支援策の中で、経営改善計画策定支援事業(通称405事業)は使い勝手が良い
・事業が好調なスタートを切った背景には、税理士(TKC)の動きがある
・その後、失速気味なのは、やりやすい先が一巡したからである

 

【経営改善計画書出来上がりイメージ】計画書サンプル;出所;中小企業庁

 

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