【この記事で分かること】
・ 405事業を使うことで得られる銀行のメリット
・ 405事業を使うときに注意すること
・ 405事業を失敗しないための対策
【銀行員のあなたへ最初に伝えたい大切な話】
405事業がうまくいかないのは、着手が遅いからです。
あなたの銀行の融資先企業が、連続赤字を計上したとします。そのときにはすでに、商品力が落ちていたり、優秀な人材が流出していたり、顧客離れが起こっていたり、大きな問題を抱えている可能性が高いのです。その時点で慌てて改善計画を作っても、机上の理論、付け焼刃になります。
だから融資先の一番近くにいる銀行員のあなたが、1期赤字が出た時点のまだ傷が浅いうちに、素早く改善計画策定を提案してあげるのです。経営改善への早期着手は、融資先を助けることになり、結果として銀行の貸出資産を守ることになります。
405事業成功のポイントは、「早期発見、早期治療」です。
以下記事を読んで、、融資先への405事業活用提案を検討してみてください。
令和3年10月 中小企業診断士 和田健一
【中小企業庁;認定支援機関検索システム和田経営相談事務所はこちら】
【405事業に関する無料事前相談】申し込みはこちら
この記事のポイントは以下です。
☑ 銀行が405事業を使うメリットは、「銀行員の負担が減ること」「成果が出れば事業者に喜ばれること」「銀行の業績に貢献できること」である
☑ 405事業が成功するかどうかは、事業者の意欲はもちろん、計画策定能力の高い認定支援機関と連携できるかどうかにかかっている
では詳しく見ていきましょう。
業績の厳しい会社が作る、銀行提出の経営改善計画書。
経営改善計画策定支援事業(通称405事業)を上手に使うと、事業者はもちろん、銀行にも大きなメリットがあります。
しかし、キーマンとなるべき「現場の銀行員」は、案外この事業の存在を知りません。
銀行にとって、405事業を使うことのメリットは何か?また使用する際のポイントは何か?
少しお話ししていきたいと思います。
銀行員、特に支店の現場で働く皆さん。
あなたは、405事業をご存知ですか?この事業は、銀行員のあなたの役割が非常に大切なのです。
当初事業ができたとき(2013年3月)405億円の予算がついたため、通称でそう呼ばれています。正式名称は、「経営改善計画策定支援事業」と言います。
事業者が経営改善計画を策定する場合、①企業規模や有利子負債を基準に、②最高450万円(令和4年4月にモリタリング費用が拡大)につき2/3を限度に、③認定支援機関に対して支払う計画策定費を補助しましょう、という制度(計画策定後の3年間のモリタリング付き)です。
申請は、各都道府県の経営改善支援センター(令和4年4月より「中小企業活性化協議会」に名称変更)が窓口になっています。
申請にあたっては、事業者、メインバンク(またはサブバンク)、認定支援機関(一定の要件を満たした支援機関を経済産業省が認定。私も認定されています、中小企業庁;認定支援機関検索システム和田経営相談事務所はこちら)が三者連名で申請書を提出します。申請書が基準を満たし、受理されれば、事業計画策定スタートです。
【参考】405事業の事業内容詳細や申請方法(中小企業庁オフィシャルサイト)はこちら
行政補助金はたくさんあり、使い勝手が良いもの、ハードルが高いもの色々ありますが、この405事業はうまく活用すれば、事業者はもちろん、銀行にとっても大きなメリットがあります。銀行側のメリットを以下に記載しますね。
【銀行員のメリット】
①支援が難しい経営不振先の見通しについて、第三者的である専門家の知見を借りた経営改善計画書の策定ができる
②経営不振先の融資方針について方向性が決定するため、事業者や本店融資部との交渉の面で、支店現場銀行員の負担が減る
③事業に3年間のモニタリングがついているため、経営不振先のモニタリングの負担が軽減する(専門家が定期的にモニタリング報告書を銀行に提出するため)
④金融庁が旗振りしているコンサルティング機能やリレーションシップバンキングの方針に合致する
⑤経営が改善し、事業者の格付けが向上すれば、貸倒引当金の戻りが発生し、銀行業績のプラス要因になる
⑥通年事業なので、他の補助金のように締め切りに左右されず、必要なタイミングで活用できる
とはいえメリットばかりではなく、デメリットもあります。こちらの記事に詳しく説明していますので、併せてご確認ください。☟
【参考記事】405事業(経営改善計画策定支援事業)、失敗する3つのケース!
ただし、この事業活用にあたっての注意点も、もちろんあります。経験上以下のようなところでしょうか。
【事業活用の注意点】
①事業者に事業内容を理解してもらうことが大切。経営不振先にすべて適用するのではなく、計画策定により改善が見込まれる先を選定して提案すること。
②事業者費用負担が1/3発生する。持ち出しは経営不振先にとっては、資金面で負担になることもある。一方自己資金を投入することで、関係者の責任や覚悟にもつながる。費用負担について理解を得ること。(費用交渉については認定支援機関が直接行う)。
そして、これが最も重要なポイントです。
③どこの認定支援機関(専門家)と連携するか、
今まで対銀行用経営改善計画策定の実績の乏しい認定支援機関を、事業者が連れてくることがあります。こうした場合、現場銀行員は、「事業者の要望だから」、と受け入れてしまう傾向にあります。いざ出来上がった計画書を見てみると、銀行内部の基準を満たすものに仕上がっていないことがあります。(ちなみに当事務所が作る経営改善計画書はこんな感じで作ります)。
また、事業者が顧問税理士を連れてきた場合は、特に確認が必要です。顧問税理士は、自分の作成した決算書を客観的に精査することができません(誰でも自己否定につながる可能性がある作業は、難しいものです)。そのため、財務デューデリジェンスが不十分になってしまいます(正確な経営改善計画書を作成するためには、確実な財務デューデリジェンスが大切です)。
【参考記事】銀行が嫌う税理士 ~銀行が嫌がる経理処理と経営者の心構え~
基準を満たさない経営改善計画書が提出されてくると、抜本的な作り直しをお願いするか、別の専門家を見つけて一からやり直してもらう必要が出てきます。事業者も抵抗するでしょう。事業者、銀行、作成した認定支援機関、皆が嫌な思いをします。時間も費用もロスします。
これらの問題を事前に回避するには、
①当事者意識をもって真摯に経営改善に取り組みそうな事業者を選定する
②事業者が連れてきた認定支援機関を鵜呑みにせず、今までの実績や事業計画策定の方針・流れ・品質基準などを、事前に認定支援機関からしっかりヒアリングする(厳しいですが、あとあと関係者全員が助かります)
③基準を満たしそうになければ、認定支援機関の入れ替えを助言する(事前にやっておけば、時間もコストも浪費しない)→客観的に事業者を見ることができる認定支援機関を選んでもらう
④日頃から専門家とのネットワークを張り巡らせておく
事前にこれらをしっかりしておかないと、あとで何倍もの労力を要します。
405事業は、うまく活用すれば、事業者にも銀行にも大きなメリットがあります。そして経営不振先に寄り添った支援は、今銀行員に求められていることではないでしょうか。
私もこの事業をお手伝いしてきましたが、銀行とうまく連携できた良い事例があります。
銀行員の皆さん、参考にして405事業を有効活用してください。
当事務所では現在(令和5年9月時点)までに、405事業を認定支援機関として活用し、10年間で7社(中小企業庁;認定支援機関検索システム和田経営相談事務所支援実績はこちら)の計画策定に関わりました(うち7社とも3年間のモニタリング期間も終了)。
当事務所では、405事業活用に関して、皆さんの疑問に答えるため【無料事前相談】を開始しました。
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