ゆうちょ銀行が2013年4月から新規業務を開始すべく、準備をしています。以下の3点です。
①住宅ローン、カードローン、目的別ローンなどの個人向け貸付業務
②住宅ローンに伴う長期火災保険の募集業務
③上場企業や中小企業などへの貸付業務
新規業務の目標残高は、5年後に住宅ローン7900億円、企業向け貸付3500億円です。
個人ローンについては知っていましたが、企業向け貸付まで進出してくるとは驚きです。早速、民間金融機関から「民業圧迫になるのでは」という批判が噴出しています。
自分が銀行員時代を思い出すと、まさか郵便局(ゆうちょ銀行)が競合になるとは想像もできませんでした。仮に申請が認められ、来年4月から新規業務がスタートするとなると、新規キャンペーンを貼るのでしょうか。ここで問題は、ゆうちょ銀行に今まで取り扱っていない業務である融資に関する審査や募集に詳しい人材はいないということです。人材確保はどうするのでしょうか。気になります。既存の民間金融機関からゆうちょ銀行へ人材の大移動があるのでしょうか。
企業側からしても、調達先が広がるのはいいことです。新規融資を求めて、申込みが殺到するかもしれませんね。その時に、倒産した日本振興銀行や新銀行東京などの失敗事例を教訓とする必要があります。焦げ付きは国民負担になりますので。
ただ逆の見方をすると、ゆうちょ銀行が企業融資に参入する余地があるということです。クライアント支援のコンサルの立場で見ていると、民間銀行は保証付融資に傾注するなど、リスクを取らない傾向があります。特に新規で融資取引を開始するには、ハードルが高い状況です。困ったときには、政府系金融機関が頼りになるケースが多いです。民間金融機関の奮起を期待したいと思います。
いずれにしろ、金融業界にとって、ゆうちょ銀行の動向は要注目です。引き続きウォッチしていきたいと思います。
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