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2024コンサル業界を展望する ~資金繰り支援から事業再生支援へ~

17年勤めた銀行を脱サラし、中小企業診断士(以下診断士)の資格を活用して経営コンサルタント業を開始して、もうすぐ13年が経過します。

その間、私が属するコンサル業界も色々な環境変化がありました。

特に2020年~のコロナ禍では、緊急的に制度融資などの資金繰り支援策や、各種補助金制度が立ち上がりました。

経営者に補助制度を届けるため、書類作成に長けた診断士は重宝されました。

こうした需要を背景に、コロナ禍で脱サラし、経営コンサルタントとして独立開業した診断士が増えたと聞きます。

私はコロナ禍で増加した設備系の補助金申請(事業再構築補助金、ものづくり補助金など)の仕事をしていないので分からないのですが、報道などによると、経営コンサル業はコロナ特需があったとも聞きます。

 

当局は再生支援に舵を切った

最近の新聞報道や、私の耳に入ってくる情報によると、当局(経産省や金融庁や中小企業庁)は、ナ禍で重要だった当面の資金繰り支援から、事業本体を立て直して将来を見据えていく事業再生支援に舵を切ったようです。

このことは、大きな政策変更と言えます。

何が起こるか予想してみると、事業再生計画策定支援の仕事が今後増えるということです。ちなみに私はこんな感じで再生計画を作っています。

再生計画の支援メニューには、収益改善に焦点を当てたライトなもの(ポスコロ事業)から、デューデリジェンスを実施する本格的なもの(405事業、中小企業活性化協議会、信用保証協会、)まで、実は色々と制度が整っています(405事業とポスコロ事業について、以下に参考記事を貼っておきます)。

 

【参考記事】405事業とポスコロ事業の違い

 

金融機関の計画策定支援にも補助

再生計画策定に進んでいくためには、金融機関の理解と熱意が大切です。

2024年2月からは、金融機関が策定支援する経営改善計画にも補助金が支給されるようになります。

つまり金融機関は、融資先の計画策定支援により、手数料(上限15万円)が受け取れます。

今までは、手数料の受取は認められていませんでした。

地方銀行や信用金庫など、融資先の本業支援のメニューとして、本腰を入れて取り組んでくる金融機関が出てくるかもしれません。

ポスコロ事業の一環として、1年間の時限措置で実施するようです。

ただ計画策定支援は、融資や預金などの本業以外のコンサル業務となります。そのため、リソースやノウハウが不足する金融機関、熱意を持って取り組む金融機関の間で、温度差が出てくるでしょう。

また、フィーは最大15万円であるため、費用対効果を考えれば、そもそも熱が入らない可能性もあります。

上記の動きは、コンサルタントに一定の影響があると思いますが、金融機関(ポスコロ事業)とコンサル業界(405事業や活性化協議会事業)という具合に、棲み分けができると思います。

コンサル業界を脅かすというよりは、計画策定の裾野を、将来に向けて広げていくプラスの効果があるでしょう。

 

診断士の人材不足

私は開業後13年間、事業再生計画策定支援や経営診断を中心にコンサル活動を行ってきました。

事業再生計画書策定支援は、今まで30社以上のお手伝いに携わりました。

その現場で最近特によく耳にするのは、「事業再生計画を作ることができる診断士がいない」ということです。

今までコロナ禍の3年間は、当面の資金繰り支援や補助金申請支援に重点が置かれていたため、目立たなかったのです。

「診断士は、一つのテーマに絞り込んで支援することは得意だが、一方で中小企業の経営全体を俯瞰して、改善方向性を精度の高い数値に落とし込む力が弱い」という評価です。

補助金申請・SNS活用・IT活用支援など、部分最適はできるが、経営全体をカバーして数値化に落とし込む支援できない、と見られています。

金融機関が同意する事業再生計画書とは、①事業デューデリジェンスに代表される現状分析、②現状分析から導き出される課題設定、③課題解消に向けての具体的改善策、④具体的改善策を実施することによる将来的な数値計画、⑤数値計画から達成可能な金融債務の返済スケジュールが記載され、将来が見渡せる計画書です。

こうした事業再生計画策定分野に関する診断士への低評価に対して、業界として真剣に対策を考えていく必要があります。

 

生成AIとの付き合い方

生成AIとの付き合い方は、今後コンサル業界にとって避けて通れないテーマです。

当事務所でも2024年に生成AIをテーマに入れた診断士勉強会を開催します。

2023年は、生成AIが普段使いされ始めた年です。

2024年は、さらにコンサル業務に食い込んでくることが予想されます。

外部環境分析などは生成AIを活用して作業時間を削減すれば、空いた時間で経営者とディスカッションしたり、経営課題の改善策を考えたり、内部環境分析を深堀したり、できます。

生成AIをうまく活用することで、出来上がる成果物の精度も上がってきます。

私個人は、「BingChat」や「bird」などとディスカッションして、新たな視点に気づいたり、自分の考えを深めたり、活用方法を模索中です。

資料作成などには、まだうまく活用できていません。

今年は、Microsoft「コパイロット(copilot)」を勉強して、ExcelやpowerPointのレベルを上げたいな、と考えています。

 

以上、2024年のコンサル業界の動きを予測してみました。

この予測に基づき、準備を進めていきたいと思います。

 

 

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