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恩と涙

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今日はビジネスの話ではありません。

先日、車を運転していると、少し離れたところで高齢のおばあさんが転倒しているのが目に入りました。スローモーションのようにゆっくり倒れていたので、一瞬「見間違いかな」と思いましたが、確かに転倒していました。

車を側道に停めて、おばあさんを引き起こしてあげました。杖が溝に引っ掛かり転んだようです。付近に買い物袋が散乱していました。気が動転しているようでしたが、幸いけがはありませんでした。近くのバス停でバスに乗るということだったので、動転により再転倒してはいけないと思い、バス停までお供しました。「本当にありがとうございます。」と感謝してもらい、私も「けががなくてよかったなぁ。」と、そのまま車で目的地に向かいました。

すると何故かふと(本当に何故か)、今から35年前の自分が幼稚園の時、右足に大やけどをした時の記憶が蘇りました。1か月入院し、3か月ギプスをはめていました。皮膚の移植手術をするほどでした。

それは5歳の時でした。母が運転するバイクの後部座席(今ではしませんが、当時はみんなよくやっていました。)に乗っていました。目的地に近づいたその時、私の右足がバイクのマフラーと車輪の間に巻き込まれました。バイクに乗る方はよくご存じだと思いますが、運転中のバイクのマフラーは非常に高温で危険です。

当時小さかった私は、何が起こったか理解できず、ぽかんとして「何か足が熱いなー。」と思っていました。その間どんどん「やけど」は進んでいきます。母はパニックですが、女性一人の力では、マフラーと車輪の間から足を引き抜くことはできません。引き抜くためには、マフラーを力ずくでずらし、空間を作らないといけないからです。ここからの先の話は、後日物心がついてから、母から聞きました。

5分ほど経過した時、そこに偶然、3人の大人の男性が車で通りかかりました。その3人の男性は状況を察知し、車から飛び降り、協力して素手でバイクのマフラーを引きはがし、私の足を引き出してくれました。その間の記憶は、私の中から飛んでいます。

覚えているのは、その後病院のベットで父が「我慢してえらいねー。泣かなくてえらいねー。」と言っていたことでした。

その3名の男性は、手にやけどを負いながら私を助けてくれました。自分達もけがをしながら、見ず知らずの私を助けてくれたのです。もしその助けがなければ、大変なことになっていたでしょう。両親は、後日3人の男性に御礼をしたそうです。

私は、車を運転しながら、その時ふと思ったのです。「お礼を言っていない。恩返しができていない。」そう思ったとき、涙がとめどなくあふれてきました。助けてもらった感謝の気持ちと、お礼が言えていない後悔の気持ちが入りまじり湧きあがってきたのです。

人間は、色々な人に助けられながら生きている。また多分、見えない何かに守られながら生きている。そして自分が受けた恩を、また違う形で、違う人に返していきたい。そう感じたのでした。

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