関連会社が2社以上あるケースで、決算期が違うときがあります。
A社は3月、B社は6月などです。
経営者に、「関連会社なのに決算期が違う」理由を聞くと、『経理上の関係』と、回答が返ってきます。
つまり複数社の決算が重なると、経理処理が繁忙になるからです。
担当税理士事務所も事務処理量の関係から、決算期をずらすことを助言することもあるようです。
しかし、このことを銀行は実は嫌がります。
理由は、グループの全体像把握が難しくなるからです。
銀行は、上記の場合なら、A社とB社を一体で評価しています。
A社に黒字があっても、B社に赤字があり、合計して赤字なら、そのグループは赤字企業として評価します。また、銀行からの融資金額も合計して、借入依存度を計っています。
グループ間同志の「資金や資産の貸し借り」も把握するように努めています。
銀行は、一つの会社を単独で見ることはせず、グループ力を重視します。
なぜなら、1社の経営不振が他のグループ会社の足を引っ張ることがあるからです。
だから、仮にB社が融資を受けていないケースでも、B社の決算書提出を求めてくることがあります。
以上のような理由で、銀行はグループ会社間で決算期が違うことを嫌うのです。
元々、グループ間で決算時期を統一しているのを、事務処理量などを理由に分散化させようとすれば、銀行から思わぬ抵抗に遭うかもしれません。
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