市場調査とくに競合調査をお願いすると、「近隣に競合店が少ないんです。」という答えが返ってくることがあります。
創業者の中には、近隣に飲食店が少ないことを気にしなかったり、チャンスとしてポジティブに捉えることがあります。
実はこれは気をつけたいケースなのです。「競合店が少ないのでチャンスです。」と簡単にはなりません。一見よさそうな立地、近隣に官公庁や大学があったり、大きな病院や施設があるにも関わらず、飲食店が少ないのには原因があります。その際には慎重に調査する必要があります。
例えば以前あった店舗が、売り上げ不振のため閉めているということが考えられるからです。官公庁なら、昼休みは1時間です。1時間の間に外食をしない地域性があるかもしれません。弁当の配達があったり、家から弁当を持ってきていたり。近くのコンビニ弁当で済ませているのかもしれません。他の飲食店ではなく、これらの業態もライバルになるのです。
データには見えるデータと見えないデータがあります。見えるデータは「人口、世帯数、事業所数、通行量、」などです。一方、見えないデータは、場所の属性、その地域の地域性、味の好みなどです。見えないデータは注意深く調査しないと見えてきません。見えるデータ、つまり机上の数値データだけでは分からないことがあります。
繰り返しますが、一見よさそうな立地ながら、近隣に飲食店がない場合は細心の注意を払う必要がありそうです。次回は開店後のPDCAサイクルについてお話します。
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