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金融円滑化法 出口戦略について⑤

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金融円滑化法出口戦略の現在、第5回目の今日は「企業と金融機関の認識ギャップ」についてお話したいと思います。

このシリーズの第2回で、再生メニューとして「金融機関のコンサルティング機能の発揮」についてお話ししました。では企業側から見てそのニーズはあるのでしょうか?気になるデータをご紹介します。データ―元は、電通が2011年7月~8月に実施した経営者向けのアンケートです。(中小企業622社)

経営コンサルティングを現在利用中が17.4%、過去利用したが29.4%でコンサルティングの利用経験が50%程度あります。一方、「経営課題の相談相手で最も頼りになる」については、顧問税理士23.3%で金融機関は第4位の11.0%となっています。この結果については現役銀行員時代に、融資の推進で心当たりがあります。

私が現役銀行員でカバンをもって走っていた際、経営者に融資の提案をしました。「社長こんないい制度融資があります。使ってみませんか?」経営者はこう答えることが多々ありました。「一旦預からせていただいて、顧問税理士と相談してから連絡します。」少しジェラシーを感じたことを覚えています。銀行員の自分ではなく、顧問税理士を頼りにしているのか・・・。

同じように経営コンサルティングについても銀行員ではなく、顧問税理士やコンサルタントなどを頼りにしている様子が伺えます。コンサルティングを相談して悩みの本音をさらけ出すことが、取引に影響しかねないと懸念を抱く債務者(企業経営者)と、取引先の実態を解明し、貸出債権の健全化につなげようとする金融機関の思いが噛み合っていない現実があります。お互いの目的にズレがあるのです。

金融行政は声高に「金融機関のコンサルティング機能の強化」を叫んでも実態が進まないのはこういう背景があるからです。特に経営改善が必要な企業においては、企業と金融機関の認識ギャップはよく見られます。そのつなぎ役として我々コンサルタントは存在意義を発揮するべきと考えます。

しかし、コンサルタントも企業経営者からの信頼がまだまだ足りません。私を含めてコンサルタントも商品価値を高めていく必要がありそうです。次回は最終回、「現場はどう考え動いているか」についてお話します。

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