前回に引き続き「えこひいき」のお話をしたいと思います。
サービスの提供側は、顧客に対して、なぜ思い切った「えこひいき」ができるのでしょうか?
それは、顧客のことを把握しているからです。前回、例に挙げた航空業界やスポーツビジネス、金融業界などは、対象顧客が、どのような購買活動をしているのかデータベースで把握しています。顧客を把握しているから、思い切った「えこひいき」ができるのです。
「えこひいき」は少しむずかしくいうと、FSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)といいます。
FSPでは、差別的に特別優遇する顧客を優良顧客といいます。優良顧客を選び出すために、「いつ、何が、いくら売れたか」という売り上げ情報に、「誰にうれたか」の情報を付け加えます。「誰に」を情報収集するために、店はポイントカードなどを発行して、清算の時に商品と一緒に出してもらいます。
FSPの展開レベルには、4段階があります。
①ポイントサービス
ポイントカードを発行して、割引サービスをします。
②優良顧客の選定
ポイントカードに番号をつけてデータベースで管理します。優良顧客をみつけ、特別待遇をします。
③顧客カテゴリーのマネジメント
優良顧客に特別待遇するだけではなく、来店回数が少ない顧客や買い物金額が少ない顧客を分類(カテゴライズ)して分析します。分析結果にもとづいて、優良顧客を増やす工夫をします。
④ワントゥワン・マーケティング
分類ごとの分析ではなく、顧客一人ひとりの情報を分析して、サービスに使います。
以上のような段階を踏んで、顧客との関係性を深めていきます。
診断士実習の時、約2か月間松山―広島を行ったり来たりしていました。その時、何回も同じ広島のホテルを利用していたのですが、何回か利用したある時、チェックインの際「ご利用は初めてですか?」とフロントに聞かれました。マニュアルかもしれませんが、がっかりしました。顧客との関係性を軽く見ているホテルだなぁと感じました。
事業者のみなさん、優良顧客を把握し、どんどん「えこひいき」してあげてください。関係性が深まりますよ。
人気ブログランキングへ←ランキング参加中。ぽちっとご協力よろしくお願いします。
にほんブログ村←ランキング参加中。ぽちっとご協力よろしくお願いします。