今日は少し耳の痛い話になるかもしれません。
銀行員17年、コンサルタント8年、合計25年間、多数の経営者と接してきました。
数字に強い経営者、苦手な経営者、様々いらっしゃいます。
ほとんどの経営者は、お話を聞いていると、感覚的には数字を把握しています。
どの商品が儲けを出している、あの取引先が儲けを出してる、あの現場は黒字のはずだ、赤字だろう、、、、。
さすが、だいたいは当たっています。
しかし一方で、自社の決算書を読むのが苦手な方もいらっしゃいます。
もったいないな、と思います。
現場の数値感覚が分かるので、あと自社の決算書が正しく読めれば、鬼に金棒なのに、と思います。
決算数字は、経理担当者任せ、税理士任せ、、、。これは危険です。業績悪化に弱い経営者の典型パターンと言えます。
自社の数字を理解していないため、原因が分からず適切な対策が打てなくなり、不安になるのです。
不思議と、普段は税理士丸投げの経営者ほど、有事の際には税理士に厳しく当たり、税理士を替えたりします。(丸投げしない経営者は、自分の責任と捉えます)。
ではどうすれば、良いか?
自社の決算内容は、経営者自身が腹入れすることです。
自社の決算書を正確に理解することも、経営者の重要な業務なのです。
そうはいっても、今さら、、、。何からやっていいか。
そこで、比較的簡単に取り組める方法があります。
「簿記」の通信教育を受けることです。もしくは通信教育が苦手なら、資格学校に通っても良いかもしれません(簿記3級で十分)。
簿記の何が良いかというと、「仕訳(しわけ)」が理解できること、です。
企業活動の多くは、数字に置き換えることができます。
☑売上が口座に入金になった、
☑仕入代金に対して、支払手形を切った、
☑従業員に給与を払った、
☑取引先と懇親会をして代金を払った、
☑銀行に借入金を返済した、
全て数字で、仕訳で、表現できます。
例えば、
✔ 売上代金の入金(1,000万円)ですが、簿記では、
借方 貸方
当座預金 1,000万円 売上 1,000万円
(資産の増加) (収益の計上)
✔ 銀行借入金の返済(300万円)は、
借方 貸方
長期借入金 300万円 当座預金 300万円
(負債の減少) (資産の減少)
✔ 従業員への今月の給与の支払い(200万円)は、
借方 貸方
支払給与 200万円 当座預金 200万円
(経費の発生) (資産の減少)
これが、積み重なったものが、決算書です。決算書の貸借対照表は、左側の資産と、右側の負債・資本合計が、同金額でしょう。
簿記の勉強をすると、こうした仕訳ができるようになります。簿記3級を勉強するだけでも全然違います。
企業経営で、経営者への投資(知識への投資)は、最も重要な気がしますが、いかがでしょう?
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