「決算書が出来上がった。売上と利益の数字は確認したけれど、他に社長として絶対に見ておくべきポイントはあるのだろうか?」
「うちの会社の『現預金』残高が前期より大きく増えた(あるいは減った)けれど、これって経営的に良いことなのか?それとも悪い兆候なのか?」
「『赤字なのに現金が増える』という不思議な現象が起きていると聞いたが、一体どういうカラクリなのだろうか?」
【目次】
愛媛県を中心に全国の優良企業の財務戦略を支援する和田経営相談事務所の見解は、決算書において売上や利益以上に経営者が血眼になって注視すべき科目は「現預金」であり、この現預金の増減の「本当の理由」を正しく読み解けないどんぶり勘定の経営者は、遅かれ早かれ資金ショート(黒字倒産)の危機に直面すると断言します。
経営者や経理担当者の皆様、決算書を確認する際、一番下の「当期純利益」だけを見て一喜一憂していませんか?実は、利益の額以上に会社の生死を直接的に分けるのが、貸借対照表(B/S)の左上にある「現預金(現金及び預金)」の残高とその増減トレンドです。この「現預金」の動きを時系列で読み解くことで、損益計算書(P/L)の表面的な数字だけでは絶対に気づけない、会社のリアルな健康状態や、潜在的な破綻リスクが浮き彫りになります。
この記事では、元銀行員としての厳しい審査目線と、数多くの中小企業を支援してきた財務コンサルタントの経験から、「現預金」が異常に増減する理由(「現預金 増加理由」「現預金 減少理由」)を「健全なケース」と「破滅に向かう危険なケース」に明確に分け、さらに経営者が最も混乱する「赤字なのに現金が増える」という会計の魔術について、分かりやすく徹底解説します。

高度な分析に入る前に、「現預金」が会社にとってどれほど重要なものか、基本を再確認しましょう。
「現預金」は、貸借対照表(B/S)の左側の最上段、「流動資産」のトップに君臨する勘定科目です。具体的には、以下の合計額を指します。
大企業と違い、資金調達手段が限られている中小企業にとって、「現預金」は会社の生命線(血液)そのものです。仕入代金や社員の給与の支払い、税金の納付、そして予期せぬトラブル(得意先の倒産や設備の故障)を乗り切るための唯一の防衛資金です。「現預金」残高の多寡は、そのまま企業の「生存能力(資金繰りの安定性)」と「銀行からの信用力」に直結します。どれだけ黒字でも、現預金が尽きた瞬間に会社は倒産します。
現預金は「今いくらあるか(点)」を見るだけでは不十分です。重要なのは、過去からの「増減トレンド(線)」とその「背景」を紐解くことです。
まず、過去3~5期分の決算書を並べ、「現預金」の期末残高の推移をエクセル等でグラフ化してみてください。 右肩上がりなのか、ジリ貧で減少しているのか、あるいは特定の期だけ異常に突出しているのか、会社の資金繰りの大きなトレンドが一目で分かります。
次に、現預金が大きく動いた期に、会社でどのような重大イベントが発生したか(大型設備の導入、巨額の銀行借入、不採算部門の閉鎖、役員退職金の支払いなど)を記憶と記録から引っ張り出し、数字の動きと突き合わせます。 この作業を行うことで、「なぜ現預金が増えた(減った)のか」という真の理由が明確になります。
「現預金 減少理由」には、未来への投資という「ポジティブなケース」と、倒産へのカウントダウンである「致命的なケース」が存在します。
■ ご利用は簡単3ステップ
【入力プロンプト】
直近2期の決算書データを基に、当社の「現預金」の増減理由をキャッシュフローの観点(営業・投資・財務)から客観的に分析してください。特に、「利益が出ているのに現預金が減っている(またはその逆)」という不自然な動きがあれば、その根本原因(売掛金の滞留、過剰な借入返済など)を指摘し、黒字倒産のリスクがないか診断してください。
※アップロードされたデータはAIの学習には一切使用されません。当事務所のプライバシーポリシーに基づき、機密情報は厳重に保護されますのでご安心ください。
次に、「現預金 増加理由」を分析します。手元にお金が増えると社長は安心しがちですが、その中身(質)が極めて重要です。
経営者が最も混乱する「赤字なのに現金増える」という現象。これは直感に反しますが、キャッシュフロー経営の観点からは頻繁に起こる事実です。主な理由は以下の通りです。
「赤字なのに現金増える」状況は、減価償却による健全な理由であれば良いですが、借入依存や支払遅延によるものであれば、それは「終わりの始まり」のサインです。
[関連記事:赤字なのにお金が増えた?その理由と潜むリスク]
中小企業の決算書で極めて頻繁に見られ、銀行が最も厳しく追及するのが、「決算書のB/Sには『現金 1,000万円』と書いてあるのに、会社の金庫を開けてみたら10万円しか入っていない(架空の現金が計上されている)」というケースです。
これは、過去の経営者の個人的な流用(社長の個人的な飲み代など)、使途不明金、あるいは税金を誤魔化すための不適切な処理を、税理士が面倒くさがって(あるいは社長の指示で)「とりあえず現金勘定に放り込んで帳尻を合わせた(どんぶり勘定の極み)」結果、何年もかけて積もり積もったものです。
銀行は、この「実態のない現金」を見つけた瞬間、「この会社は粉飾をしている」「社長が資金を横領している」とみなし、融資を即座にストップします。 このズレは、顧問税理士と協議の上、社長の役員報酬との相殺など、血を流してでも合法的に処理・消滅させなければなりません。
[関連記事:現預金とは。~決算書にあるのに、手元にお金がないわけ~]
決算書における「現預金」の動きは、小手先の会計操作では決して誤魔化せない、会社の「残酷な真実」を映し出す鏡です。
現預金(キャッシュフロー)の動きを完全に掌握し、コントロールすること。それこそが、どんぶり勘定から脱却し、どんな経済ショックにも耐えうる強靭な優良企業を創り上げるための、経営者の最大の責務です。
[関連記事:キャッシュフロー経営とは?中小企業が意識すべき理由]
「不適切な会計や『架空の現金』を正し、銀行から真っ当な評価を受けられるクリーンで強靭な財務を作りたい」「損益計算書だけでなく、キャッシュフローの動きから自社の本当のリスクと課題を分析してほしい」と本気で願う経営者様へ。
和田経営相談事務所は、耳障りの良い言葉だけを並べるコンサルティングは行いません。元銀行員としての厳しい審査目線と、数多くの事業再生現場で培った実務経験に基づき、御社の「現預金(キャッシュ)」の動きを冷徹に分析し、黒字倒産を防ぎ、資金繰りを劇的に改善するための抜本的な財務戦略をご提案いたします。
※銀行を騙すような悪意のある粉飾決算や不誠実な資金隠しのご相談につきましては、対応できかねますので何卒ご了承ください。
自社の現状を正しく把握し、本気の財務改善を目指す方は、ぜひ一度当事務所へご相談ください。