《この記事のポイントは以下の通り》
☑ 経営者がメインバンク変更を決断するのは、ほとんどが融資対応に関しての、メインバンクに対する「不満、怒り、不信」を原因としている。
☑ メインバンク変更が起こる可能性は、引き受けてくれる銀行の存在、経営者の交代などが重なった場合に、高まりやすい。
☑ メインバンク変更にはリスクもあり、経営者は慎重な判断を求められる。
詳しくみていきましょう。
メインバンク。
経営者は何をもって、その銀行をメインバンクと考えているのか。
創業からお世話になっている(取引期間が長い)、売上入金や代金支払いなど口座を動かしている、融資を一番多く受けている、など。
メインバンクとの良好な関係は、事業をしていく上で、大切である。
経営者は、そうした関係を断ち切り、「メインバンクを変更する」という決断に至ることがある。
何が経営者にその決断をさせるのか?少し考えてみたい。
今まで培ってきた歴史や信頼関係を捨て去り、新しい銀行をメインバンクにすることは、リスクが大きい。
リスクを承知で決断した背景には何があるのか。
多いのは、「メインバンクへの不満・怒り・不信」を原因にしたものだ。
ほとんどが融資取引に絡んでいる。例えば、以下のようなケースだ。
・融資申込を放置されて、いつまで経っても返事が来ない。→不満
・融資を「けんもほろろ」に断られた。担当者に上から目線で対応された。→怒り
・融資形態を自社の支払いがしやすい形に変えたいが、支払い条件変更を承諾してくれない。→不満
・長年メインバンク一行で取引をしていたが、どうやら金利を高く設定されているようだ。→不信
・追加の担保や保証人を要求された。→不信
そして、上記状況に加え、次のメインバンクとして、『引き受けてくれる銀行の存在』は、欠かせない。
不満・怒り・不信の心理状態の中、メインバンク以外に相談すると親身に相談に乗ってくれたり、素早く対応してくれると、一気に経営者の気持ちはメインバンク変更に傾く。
加えて、経営者が先代から後継者に代替わりしたタイミングが重なれば、よりメインバンク変更の可能性が高まる。
後継者は、自分のやり方で銀行取引をやってみたいと思っているし、メインバンクとの歴史や信頼関係は、すべて引き継ぐことは難しいからだ。
しかしながら、メインバンクを変更するときに気をつけておきたいこともある。
新しいメインバンクとは、メインとして良いときも悪いときも付き合ってきた、という歴史がない。メインバンク変更に尽力してくれた支店長や担当者も、いずれ転勤で移動する。今は良いが、本当に助けが必要になったときに支援したくれるかどうか、分からない。
その時に以前のメインバンクに駆け込んでも、おそらく聞く耳は持ってもらえないだろう。口には出さないが、以前のメインバンクは、取引を変更されたことで、感情的なしこりをもっている。メインバンク変更などの過去の経緯は、文章で引継ぎされている。
だから、メインバンク変更は、慎重に行うべきだ。短気をおこすべきではない。長い取引の中、色々状況の変化はある。メインバンクを変っても同じ事が起こる可能性がある。
しかし、こうした事情を分かった上で、メインバンクを変更を決断するなら、経営者はよほどの覚悟をもっている、ということだろう。
もしメインバンクを替えることで判断に迷ったら、下記連絡フォームからご連絡ください。
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