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会社の資金繰りは、どうやって把握するのか ~資金繰り表の作成手順~

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《この記事の内容は以下の通り》

☑ 12月は会社の資金繰りが忙しくなる月。資金繰りを把握するためには、資金繰り表の作成が有効である

☑ 資金繰り表作成時のポイントは、預金通帳や当座預金の移動表などで、現金残高を確認し、資金繰り表の翌月繰越高と合致させること

☑ 経営者が自身で作ってみると、お金の動きで色々な事が見えてくるため、会社経営にプラスになる

☑ 予想に対して実績を確認し、差異の原因を解明することが大切である

 

詳しくみていきましょう。

 

12月は、資金繰りが忙しくなる月

12月に入りました。年末が迫り、1年の総仕上げをする時期になりました。

当事務所も、区切りをつけないといけない仕事がいくつかあり、あと1ヶ月弱、しっかりと取り組んでいきたいと思います。

企業活動においては、12月はかき入れ時です。同時に従業員の賞与や、買掛金の支払いなど、資金需要が旺盛になり、資金繰りも忙しい時期になります。

銀行も同様に、12月は忙しい時期です。取引先企業の資金需要が旺盛なために、融資申込が増加するからです。企業の財務担当者には、いつも以上に早めの資金対応が求められます。

 

資金繰りを把握するために有効な、資金繰り表の作成

早めに資金需要をつかむためには、資金繰り表の作成が効果的です。

貴社は資金繰り表を作成していますか?最低でも向こう3ヶ月分、できれば半年分作成しておきたいものです。

資金繰り表を作成しておけば、今後どのタイミングで資金が不足するかとか、今後支払いをしていくためには、どれぐらいの売上を上げていかないといけないか、よく分かります。

 

初めての資金繰り表作成手順

初めて資金繰り表を作成する場合には、まず過去を振り返ります。資金繰り表のフォーマットに過去1年分の実績を入れてみます。1年分の実績が正しく作成できれば、それを参考に今後の資金繰り表も作りやすくなります。

この過去実績を振り返る作業をしないで、未来の資金繰り表作りに着手すると、思わぬ抜け(経費の計上漏れ等)が発生し、資金繰りが狂い、苦しい思いをすることになります。遠回りのようですが、まずは過去の実績を振り返りましょう。

過去の実績を振り返るのに、一番参考にすべきなのは、銀行口座の動きです。資金繰りで大切なのは、「手元にどれだけ現金が残っているかを把握して今後を予想し、不足部分をどう手当てするか考えること」です。

現預金残高と資金繰り表の残高を合わせましょう。

【資金繰り表のフォーマット例】

資金繰り表フォーマット

 

経営者が資金繰り表を作成することで分かること

この作業を経営者自らやってみると、色んなことが見えてきます。売掛金をもっと早く回収しないといけないとか、この価格で販売していると資金繰りが次第に厳しくなるとか、このコストは増加(または減少)傾向にあるぞ、とか。

決算書や試算表を見ていても分からないことが、判明してきます。いくら決算書で利益が出ていても、資金が回らなければ企業活動は破綻します。例えば、売掛金として1億円が売上計上されていても、口座に入金されなければ(または入金が数ヶ月後になれば)、資金繰りは厳しくなるのです。

ネットで調べれば、資金繰り表のフォーマットはいくらでもあります。特に銀行のホームページから引っ張ってくると良いでしょう。後は会社にある預金口座の移動表や支払手形の元帳、売上代金の入金管理帳、銀行の借入金返済表、などをめくりながら、空欄を埋めていきます。最初は慣れないですが、何回かやっていると、そのうちスムーズにできるようになります。

 

予測に対して実績を把握

そして作成後は、資金繰り予想に対して、実績確認します。予想通りだったのか、それとも外したのか。外したときは、検証が大切です。どの部分の差異が大きかったのか、その原因は何か。反省を次回からの資金繰り表の作成に活かします。こうして資金繰り表の精度を高めていくのです。

精度の高い資金繰り表ができれば、以後の資金繰りの予測がつくので、あとはどう資金を手当てしていくか。メインバンクに相談するのか、売掛回収を急ぐのか、預金取り崩しで対応か、社長の個人預金を使うのか。

資金繰り表を作成して確認する習慣をつけておくと、資金管理にプラスとなるのです。

 

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