アベノミクスで、起業機運が高まっています。創業補助金なる起業者にとても魅力的な補助金制度も、補正予算で創設されました。
一見、起業のハードルが下がったように見えます。私の周りでも起業の話を聞く機会が多くなりました。
起業自体については、私は肯定的です。自分もかつては起業者だったからです。だから、起業するときの胸の高まりや、不安、何より新しい人生のスタートを切るというわくわく感は、よく分かります。
しかし一方で、起業者支援を事業としていること、商店街に事務所を構えていること、から様々なケースに関わったり、見聞してきました。
そういうわけで、今回よりシリーズで起業について、特に注意点をお話してみたいと思います。注意深くしっかりと準備し、それでも始まれば予定外のことが発生し、トライ&エラーを繰り返しながら、少しづつ前進していくのが、起業です。
世間一般のイメージで起業と言えば、華やかなイメージがありますが、決してそうではありません。ちやほやされてお祝い気分なのも少しの間です。実は起業後半年以内に、商売をたたむ起業者がどれだけ多いことか。
私が所属している商店街や、近隣の商店街でも、「あれ、つい最近できたばかりなのに。」という店舗があっという間に廃業しているケースがあります。特に起業しやすい飲食業や衣服店、サービス業、小売業にその傾向があります。
見ていると、資金繰り的な事の他に、精神的なことも多い気がします。飲食店や小売店を開業し、始めは知り合いがご祝儀で来店します。それが一息つくと、客足がピタッと止まるのです。客が来ない飲食業や小売業、サービス業ほど、気持ちが折れることはありません。自尊心が粉々になります。
こうして半年も持たず、廃業を決める起業者が多いのです。