銀行主導でなく、自社で決めるべきこと、第3回目の今日は「短期借入金の返済のタイミング」についてです。
御社が優良企業で、短期借入金、例えば極度枠で当座貸越や手形貸付を作っていたとします。ある時、売上代金の入金があり、資金繰りに余裕ができたとします。返済しようと担当者を呼ぶと、返済せずに預金としておいておいてほしい、と依頼されます。銀行サイドとしては、貸出金と預金が両方ある状態が一番望ましいからです。この状態を両建てといいます。
そしてしばらくおいておくと、諸経費の支払いが発生して、預金残高が減少し、短期資金が返済できなくなります。手貸の場合は「コロガシ」、当座貸越の場合は「ベタ貸」、と呼ばれる状態になります。財務内容が良いうちは、銀行は何も言ってきません。しかし一度財務内容が悪化すると、コロガシやベタ貸の分割返済を求めてきます。過去の実績から判断して、借入が張り付いている(返済できていない)という評価になるのです。
ですから資金があるうちは、面倒でも短期借入を返済することをお勧めします。そして資金が必要な時に、再度借入を興すのです。短期借入返済の返済時期は、銀行主導ではなく、自社主導で行うべきなのです。
以上3回に渡り、「銀行主導ではなく、自社で決めるべきこと」についてお話しました。銀行と永くいい関係を継続するためには、お互いがパートナーとして対等な信頼関係を築く必要があります。ここでお話したことを参考にしてください。
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