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銀行融資提案の賢い断り方|財務を守る効果的な文句

【この記事で分かること】

 

・ なぜ銀行は必要ない融資を提案してくるのか

 

・ 付き合いで融資を受けておくべきかどうかの判断基準

 

・ 関係を悪化させずないよう提案を断るときに、一番効果がある言葉

 

 

融資提案を断る

 

 

銀行からの融資提案。

 

いつもはお世話になっているけど、今は必要ない・・・。

 

今までの付き合いもあるし、、、

 

こんな時、どうしたらいいものか、迷うことはないですか?

 

この記事のポイントは以下3点です。

 

☑ 銀行員は、企業が必要のないときに融資提案をしてくることがある。それは銀行内部の事情による。

 

☑ 不要な融資を付き合いで受けると、企業側に無駄な出費など油断が出て、将来資金繰りが厳しくなることがある。

 

☑ 銀行から不要な資金の融資提案があったら、即答せずに一晩考える。断るときには、信頼関係が傷つかないよう以下記事のような、配慮した断り方をする。

 

詳しく見ていきましょう。

 

 

銀行融資が必要な時

 

会社経営をしていると、銀行融資を利用すると思います。

 

材料や商品の仕入、更新設備投資をしたい、IT化を進めたい、広告宣伝を打ちたい、店舗や事務所の新築や改装、賞与や納税の資金・・・。

 

色々な理由で融資を必要とすることがあるでしょう。

 

融資が必要な際には、銀行の営業や融資の担当者に申し込みます。

 

銀行との良好なパートナーシップ

銀行員がしてくる不要な時の融資提案

 

銀行員は、必要な時だけ融資を提案してくるのではありません。彼らには融資量拡大という使命があるからです。

 

では、経営者の皆さん、不要なときに、銀行員から融資の提案があったらどうしますか?

 

「とりあえず、付き合いで借りておく」、という経営者も結構多いのではないでしょうか。

 

私も銀行で融資営業を15年ぐらいやりましたが、企業側からの融資申込以外に、こちらからの融資提案をたくさんしました。

 

銀行員は、融資が必要のない企業に対して、お金を貸したがります(半面、特に資金繰りが厳しく融資が必要な企業には、貸したがりません)。融資が不要な企業は、財務内容も良いことが多いからです。

 

返済が進んだら、融資巻き直しを提案してくる

 

銀行員からの提案で多いのが、長期借入金の返済が進んだ企業に対して、返済した部分の融資を再度提案することです。

 

融資の巻き直しとか、組み換えとか、言います。

 

例えば、3年前に5,000万円長期融資(5年返済)した先が、現在2,000万円まで残高を減らした場合(3年間で3,000万円返済したことになります)、もう一度5,000万円の融資を提案するというケースです。その際現在融資残高の2,000万円は、一旦返済してもらうので、使用できる金額は3,000万円となります。

 

企業にとっては、3年前と同じ条件(5000万円、5年返済)で借り換えるので、月々の返済額は同じかつ、使用できる資金が3,000万円発生することになります。今までと返済額は変わらないのですから、心理的負担感が少なくなり、経営者には受け入れ易い提案と映るでしょう。

 

また決算書を提出した際にも、業績が良ければ、融資提案が多くなります。銀行は返済能力が高い企業(借入返済額< 利益額)に融資したいからです。

 

銀行員は耳元で、「社長、借りられるときに借りておきましょう!」とつぶやいたりします。

 

 

【参考記事】不要な融資を提案してくる一方、「繰り上げ返済」は嫌がります。その理由を下記記事でチェック☟

銀行が「融資繰り上げ返済」を嫌がるのはなぜか?

 

 

決算書提出をお断りできるとき

 

融資の返済が完了することを、「融資完済」と言います。

 

融資完済すると、銀行員は、「また同じような形で借りてください」と提案してきます。

 

融資完済した企業は信用が高く、銀行にとって「返済確率が高い」良いお客です。

 

そのため、取引を継続させようと、再提案があります。

 

この時社長のあなたは、「融資を受けない」という選択ができます。

 

すべて融資完済したときは、「決算書はお渡しできません」「また融資を受ける次の機会に提出します」

 

と、決算書提出を断ることができます。

 

 

不要な融資を受けると無駄な投資が増える

 

経営者にとって、日頃お世話になっている銀行員の提案を断ることは、「折角の提案を断ったら、銀行が気分を害して、しんどい時に力になってくれないのではないか」という不安心理を引き起こします。「じゃあ、返済負担も変わらないし、借りておくか」と決断します。

 

結果的には、「現時点では必要のない融資」を受けることになります。しかし人間とは不思議なもので、お金が口座に入ったら、色々なことに使いたくなります。財布のひもが緩くなります。「折角融資を受けたのだから使わないと」という意識が働き、お金がなかったら買わないものまで買ってしまいます。

 

不必要な設備、大々的な広告、豪勢な社員旅行、無駄な人員の雇用、必要のないIT投資、役員報酬の引き上げ・・・。

 

これらのうち多くが、将来の会社にとってマイナス要因になります。必要のない融資を受けて気持ちが大きくなり、経営を傾けてしまいます。

 

こうならないために、どんなことに気を付ければいいでしょうか?

 

【参考記事】経営者は悪気なく取っている行動が、銀行は嫌がっていることがあります。どんな場合か?こちらの記事で確認してみませんか?☟

銀行が嫌う経営者~銀行員がそっぽを向くタブーな言動~(和田経営相談事務所オフィシャルホームページ)

 

 

融資は必要な時に受けるもの

 

基本的に融資は、以下のような場合、必要な時に受けるものと認識することです。

 

・取引先からの将来有望な増産要請に応えるため、設備投資が必要になった

・工場や店舗が老朽化して、取引先や顧客に迷惑が掛かり、改修しなければ、業務に支障をきたす

・機械化やIT投資をして生産性をあげたい(人件費の比率を下げたい)

・会社にとって優秀な人材を雇用したい

・売上が増加して、商品仕入れ資金が必要になった

・補助事業に認定されたり、公共事業を受注したりして、事業期間の立替資金が必要になった
など、

 

資金使途がはっきりしていて、加えて大切なのは費用対効果。銀行融資を受けて投資して、何年で投資回収できるのか。この観点が必要になります。

 

不要な融資の、関係を悪化させない断り方

 

取引銀行からの不要な資金の融資要請。関係を考えると、断りにくいこともありますよね。

 

そんな時、銀行員の立場にも配慮した言い方で、こう伝えましょう。

 

「借りたら返さないといけないでしょ。返済できなくなると銀行さんに迷惑がかかるから」

 

「不要な資金を借りて、無駄遣いして経営がおかしくなると、銀行さんに迷惑をかけることになりますし」

 

「また必要な時はお世話になると思います。その際は、こちらから改めてお願いに行きます」

 

「今は借入残高と利息負担を減らすことで財務内容を改善し、経営体力をつけて、銀行さんからの評価を高めたいので」

 

いかがでしょう?

 

ちなみに、私が銀行員時代に受けた中で、一番有効だった断り文句は、

 

「今は必要ありませんが、必要になった時は、またご相談します」

 

でした。こう言われると納得しましたし、引き下がるしかありませんでした。

 

やんわりと当たり障りなくお断りすることで、銀行との長いパートナーシップが築いていけるのではないでしょうか。

 

【関連記事】

 

銀行が融資を勧めてきた。その理由と対処法

 

銀行員が上司と2人で訪問してくることの意味について(融資断りか、前向きか)

 

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