今までニコニコと愛想が良かった銀行員。
しかし、一たび銀行から会社の決算報告書が「粉飾決算認定」されると、態度が豹変します。
なぜ銀行との関係が悪化するのか、あなたはどう心がければいいのか、考えていきます。
銀行が考える粉飾決算とは、実際は赤字の決算書を、数字を操作し黒字に見せかけることを指します。
銀行は、年に一度会社から提出される決算書で、追加融資の可否、会社に対する支援方針を決めています。
融資審査にとって、最重要判断資料なのです。
今期は黒字のか、赤字なのか、その結果、融資の返済能力はあるのか、融資しても大丈夫なのか、検討しています。
そのような重要資料のため、会社から提出された決算書が粉飾されたものだと発覚した場合、態度を硬化させます。
特に銀行が悪質とみなす粉飾は、以下です。
✔ 売上水増し
✔ 原価の抜き取り
✔ 経費の意図的な抜き取り
✔ 架空在庫の計上
✔ 預金残高や有価証券の水増し
✔ 融資残高の過少申告
意図的でない事務ミスによる軽微なものは、説明により理解を得られます。
しかし相違金額が大きかったり、意図的で悪質だと判断されると、その後の融資姿勢は大きく転換されます。
銀行はウソをつかれたと感じて、信頼関係が崩れます。
会社からすると、今までこれで通ってきたのに、毎年説明して決算書も提出してきたのに、と感じるかもしれません。
銀行は、通常通り返済が進んでいれば、突っ込んではきません。
粉飾決算が発覚するのは、
✔ 融資の返済ができなくなったり、
✔ 理論上は必要のないタイミングで追加融資の申請がきたり、
そういう時です。
✔ 決算書では黒字になって返済は可能なのに、なぜ返済できないのか、
✔ つい最近融資したばかりで、しばらく資金は不要なはずなのに、なぜまた融資が必要なのか、
なにかおかしい、、、。ギャップを感じた銀行は、詳しく調査しろ、となります。
本店審査部から現場の支店に、調査の指示が飛びます。
こうなると銀行は、あらゆる方法で確認してくるため、粉飾発覚は時間の問題となります。
そして粉飾が発覚するのです。
粉飾決算認定されます。
粉飾決算認定されると、追加融資は厳しくなります。
また、今まで当たり前のように書き換え継続されてきた手貸や当貸など「コロガシ融資」は、一括返済や毎月返済切り替えなどの要請がきます。
粉飾が発覚したとき、社長は言います。
「銀行には前から説明してきた」
銀行は言います。
「聞いていません」
銀行員は何となくグレーだと感じていても、何か起こらない限りは行動を起こしません。
何かとは、(銀行が考える)必要のないタイミングで追加融資の申し込みが頻繁にある、急に資金繰りが厳しくなる、などのことです。
粉飾決算認定に対して、銀行と会社にギャップが発生するのは、社長が銀行の決算書に関する考え方を知らないからです。
✔ どのような決算処理を銀行は嫌がるのか
✔ 即アウトの決算処理は何か
✔ 粉飾が発生した場合、銀行の融資態度はどうなるのか
知っておけば、銀行対応は変わってきます。
✔ 決算書について、何を知っておけば良いのか、
✔ 財務について、何を勉強して、どう備えておけば良いのか、
✔ 銀行と上手に付き合うには、財務面でどのように取り組むか、
など、日頃から準備しておきたいものです。
銀行に粉飾決算認定された後では、残念ながら打つ手は限られるからです。
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