シリーズでお話してきました、農業の資金調達(借入編)最終回は、農業改良資金について説明したいと思います。
実は、この農業改良資金一番の特徴は、融資でありながら「無利子」なのです。以前の銀行員生活の中で、低金利や固定金利の融資は経験してきましたが、無利子というのはさすがにありませんでした。しかし、農業には「無利子融資」が存在するのです。ある意味、衝撃でした。資金調達の面では、農業はいろいろな制度が充実しており、しっかりと確認しておく必要がありそうです。
それでは、農林水産省のパンフレットを参考に、内容を確認していきましょう。
(1)融資条件
償還期限:10年以内(うち据置期間 3年)
融資限度額:個人5,000万円 法人1億5000万円
金利:無利子
*下記融資対象者のうち、①、③~⑥までの方については、当該農業改良措置の導入に必要な経費の額の8割に相当する額と上記の額のいずれか低い額になります。
(2)借入対象者
① 主業農家② 認定農業者③認定就農者
④ 家族経営協定を締結している者( ①~③の家族経営の経営主以外の農業者に限る。)
⑤ 一定要件を満たす集落営農組織
⑥ 任意団体(①~④までの者が全構成員の過半を占め、法人格を有しないものに限る。)
⑦ エコファーマー(導入計画に従い持続性の高い農業生産方式を導入するものに限る。)
⑧ 農林漁業バイオ燃料法の認定を受けた農業者等
⑨ 農商工等連携促進法、米穀新用途利用促進法の認定を受けた農業者、中小企業者等
⑩ 六次産業化法の認定を受けた農業者等、促進事業者(中小企業者に限る。)
(3)資金使途
新たな農業部門の経営を始める場合
(例:新たに飼料用米の栽培を開始)
新たな加工の事業を始める場合
(例:酪農法人が、アイスクリーム加工を新規に開始)
農畜産物又はその加工品の新たな生産方式を導入する場合
(例:イチゴの栽培方法を土耕栽培から高設栽培へ転換)
農畜産物又はその加工品の新たな販売方式を導入する場合
(例:直売所を設置し、消費者への直接販売を開始) など
(以上農林水産省 リーフレットより抜粋)
というように、これらは一部であり、まだまだ融資を受けるうえではいろいろな決まりがあります。しかしながら、なんといっても無利子というのは、新しいことに挑戦するうえで魅力的です。(助成金でなく、借入金のため、元金は返済しないといけないですが・・・。)
申込窓口は、日本政策金融公庫の農林水産事業です。もちろん、融資審査がありますので、「実現可能な事業計画書」と「確実な返済財源」はしっかり確認されます。
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