事業をしていく際、特に新商品を世に送り出していく時に気をつけることの中に、「知的財産権にどう向き合うか?」ということがあります。知的財産権(以下知財)とは特許権、実用新案権、意匠権、商標権等の権利のことです。
知財は、新商品を販売する際、販売のことや製造のことに気を取られ、つい意識から外れてしまいがちです。しかし意識を向けなかったばかりに、痛い目にあったケースを見聞きしてきました。例えば愛媛県で言えば、新聞にも掲載されていましたが、「紅まどんな」のケース。
「紅まどんな」といえば、愛媛県で開発された高級柑橘。愛媛県内のJAが長年苦労して開発に成功しました。もちろん商標権を申請し、取得しました。しかしその際、「生果」については抑えていたものの、「加工品」について失念していたため、他社に商標を抑えられ、ビジネスチャンスを逃しています。同じ商品名でも、生果と加工品で別々に商標取得する必要があったのです。
これは一例ですが、知的財産権とは、ちょっとした知識があるのとないのとでは、その後のビジネス展開に大きな影響を及ぼします。入り口の知識を知っていれば、後は弁理士や各県の発明協会など専門家に手伝ってもらうことができます。
次回からは、知的財産権、特に特許権や実用新案権についてお話してみたいと思います。