中小企業を経営していくにあたり、銀行と上手に付き合っていくことは、とても大切なことです。
しかし通常、中小企業と銀行の間には、情報の格差があります。銀行は融資先の決算内容をはじめ、資産内容や資金繰りについて、詳細に把握しています。
一方、残念ながら中小企業には、銀行の仕組みや融資に関する判断基準など、パートナーとして長く付き合っていくために必要な情報が、十分あるとは言えない状況です。
そこで、今日からシリーズで何回かに分けて、銀行との上手な付き合い方についてお話してみたいと思います。
第1回目の今日は、信用保証付融資の上限についてです。銀行に融資を申し込むと、よく「それでは信用保証協会付融資で」と提案されます。
信用保証協会付融資によって、融資に信用保証協会の保証を付けることで、銀行はリスクを低減する事ができます。「なぜ銀行は信用保証協会付融資を勧めるのか」でもお話しましたが、信用保証付融資は銀行にとってメリットが大きいのです。
ではその信用保証付融資、上限はいくらなのでしょうか?
一般枠として、基本的に無担保保証8,000万円、有担保保証2億円の合計2億8,000万円が上限額となります。ただし、保証制度によって限度額の定めがある場合があります。また、セーフティネット保証など、一般枠とは別枠となる保証制度もあります。
また、あくまでもこれは制度上のことであって、当然個別企業の状況によって、融資の限度額は変わってきます。個別企業の保証枠を決まる要因は、基本的には、①事業規模②財務内容③資金使途です。例えば①の事業規模で考えると、年商5,000万円の企業に8,000万円の融資はできません。一つの見方として、設備運転を合わせて、年商の半分程度が限度ではないでしょうか。
以上、保証枠の上限という一部分ではありますが、このような基本的な知識を持ったうえで信用保証協会をうまく活用したいものです。
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