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銀行が嫌がる精度の低い決算書 ~不適正な事例と改善の具体策~

決算書を作成する目的

貴方が中小企業の経営者であれば、年に一度税務申告用に決算書を作成していると思います。

実務上は、契約している税理士事務所に委託していることが多いと思いますが、本来は税務申告書としての決算書は、自社で作成するものです。

日常業務で忙しかったり、税法が複雑で申告が難しかったりするため、税理士事務所に外注しているという位置づけです。

経営者である貴方は、決算書をどのように活用していますか?

まず第一は、税務署への納税根拠資料としての活用でしょう。

次に、銀行融資申込のため、取引銀行に提出していると思います。

加えて、経営数値の管理資料として活用している経営者も多いでしょう。

①税務申告用 ②銀行融資用 ③経営管理用

この3つの使い方が基本線です。

 

税務申告用の決算書を融資審査書類に併用

決算書はもともと①税務申告用に作成されたものです。

決算書の作成には、税理士事務所に委託した場合、通常は年間数十万円の費用が掛かります。

経営資源も、コストも限られている中小企業にとって、銀行融資用に新たに決算書を作ることは困難です。

そのため、便宜上、税務申告用の決算書を銀行融資用に併用しているのです。

銀行から見ても、公的資格の税理士が作成して、公的機関の税務署が承認している決算書だから信用できるだろう、という信頼関係がベースにあります。

しかし、多くの税理士事務所は、銀行融資用に決算書を作成しているわけではありません。税務署に認められる決算書を作ることが、最も大切なことなのです。

上記の税理士事務所の事情があるにもかかわらず、銀行は融資審査用に税務申告用に作成した決算書の提出を求めます。粉飾決算など決算書に関する問題の背景には、税理士事務所、銀行間の目的相違があります。

 

銀行が嫌がる精度の低い決算書とは

税務署には通りますが、銀行から見て精度の低い決算書は以下の様な決算書です。

① 部門や商品が分かれているのに、売上高が一括で計上されている(売上の内訳が分からない)

② 製造原価報告書を作るべき業種や業態なのに、作成していない

③ 直接経費(製造原価報告書)と間接経費(一般費および販売管理費)がごちゃ混ぜになっており、適切な勘定科目に適切な仕訳ができていない

④ 勘定科目の割り振りが不適切(例えば雑費や支払手数料、修繕費、消耗品、接待交際費などに不適切な項目を放り込む)

⑤ 減価償却費を適切に計上しない(利益によって、したりしなかったり、未計上にする)

⑥ 現金の移動を伴わない経費を空中戦で計上(本部勘定や役員への貸し借りなど)

⑦ 勘定科目内訳明細の記載が雑(例えば在庫の内訳不明や、売掛金勘定に相手先名がなく「その他」が多いなど)

⑧ 不明な金額を「現金勘定」や「短期貸付金」や「グループ会社勘定」に、放り込む

⑨ 売上と経費の計上時期がずれている(売上は当期に計上、その売上に該当する経費は来期に計上するなど)

⑩ 銀行借入金残高が誤っている

などなど、まだまだ多くの項目がありますが、例を挙げればこんな感じです。

「中小企業の実態を正しく把握し、経営に役立つ決算書を作成する」という方向で、正確な決算書を作成している税理士事務所も、もちろんたくさんあります(むしろほとんどの税理士事務所がそうでしょう)。

しかしながら、上記のように、「税務署に通りさえすれば良い」として、いい加減な決算書を作成する(職業倫理に首をかしげたくなる)税理士事務所も散見されます。

いい加減な税理士事務所を引き寄せているのは、往々にして経営者自身の責任であることが多い(仕事に誠実だけど自分の意向に背く税理士を切る、税理士を盲目的に信頼している)のです。

経営者は、決算書作成を委託するのであれば、税理士事務所を見極める目が必要です。

 

精度の高い決算書を作る

折角コストをかけて、決算書を作るのだから、どうせなら、①税務申告②銀行融資③経営管理、を兼ね備えた決算書にしたいですよね。

上記に記載した精度の低い決算書の逆をすれば、理想に近づくことができます。

① 売上高を一括で計上せず、部門ごとに分けて記載する(仕入れについても部門に連動させて分けて記載)

② 必要な業種や業態の場合、製造原価報告書を作る

③ 直接経費(製造原価報告書)と間接経費(一般費および販売管理費)を適切に仕訳する

④ 勘定科目を細かく割り振り、あとから見て、何にどれだけ使ったか分かりやすくする

⑤ 減価償却費を適正計上する(赤字だろうが黒字だろうがフル償却する)

⑥ 現金の移動を伴わない、本部勘定やグループ会社勘定など、分かりにくくなる経費は外す(可能な場合)

⑦ 勘定科目内訳明細の記載は詳細に

⑧ 使途不明金を作らない

⑨ 売上と経費の計上時期を合致させる

⑩ 銀行借入金残高は、残高証明書を基に正確に記載

上記①~⑩に加えて、今日はお話ししませんが、資金繰り表を併用して財務管理を実施すれば、更に経営力は強化されます(以下の記事を参考にしてください)。

【参考記事】資金繰り表 作成方法と活用の注意点

 

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