中小企業診断士の資格を使って事業を営む経営コンサルタントとして、経営改善計画書作成をお手伝いすることが多い。
今回から8回に渡って、実務を通じて自分が感じた「経営改善計画書作成のポイント」についてお話してみたい。
そもそも経営改善計画書とは、何か?
企業を経営していくに当たり、組織形態でやっていくのであれば、事業計画書を作成しているケースが多い。企業が作成する事業計画書には、大雑把に分けると2通りあると思う。
一つ目は、成長企業が作成する、「中期経営計画書」「新事業展開計画書」「新商品販売計画書」「BCP(事業継続計画)=災害が起こったときの対処計画」など。株主や顧客、取引銀行、社内向けに作成する。
二つ目は、今回のテーマである「経営改善計画」。残念ながら業績不振に陥った企業が、今後どのように事業を改善し、業務を継続していくのか、を書面で作成する。企業が自発的に作成することもあるが、多いのは融資を受けている取引銀行から求められ、作成するケース。
なぜ銀行は、業績不振の融資先企業に経営改善計画書の提出を求めるのか?理由は、実現可能性の高い経営改善計画書を手に入れておくことで、当該融資先企業の格付けが向上し、貸倒引当金の計上が少なくて済むからだ。(自社の格付けと銀行の貸倒引当金の関係性は、こちらの記事を参照いただきたい)。
経営改善計画書の中身は、今後の損益計画・貸借対照表の計画・キャッシュフローの計画・銀行への返済計画、経営改善の具体的実施策(売上増強策、コストカット策、人員政策、不動産売却による債務削減策など)、である。
このように経営改善計画書は、取引銀行から提出を求められることがほとんどであり、逆に「取引銀行と作成過程を連携できていない」と、効果の薄いものになってしまう可能性がある。
次回は、「経営改善計画書が我々専門家に持ち込まれるルート」について、お話したい。
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