今日は決算書をマネジメントするということについて、お話ししてみたいと思います。
決算書をマネジメントするとは、粉飾するということではありません。粉飾はしてはなりません。そうではなく、将来の設備投資などに備えて、決算書を整えておくということです。
例えば、「ほんのちょっとだけ債務超過」でお話したように、債務超過と純資産超過では、たとえ数十万円の差だとしても、融資に与える影響は大きいのです。(債務超過では融資は受けにくくなります)。債務超過を防ぐためには、「赤字なのに役員報酬、接待交際費が多額」でお話したように、経費を素早く削減する必要があります。
設備投資に備え決算書を整えておくためには、中期計画の中で、今後の自社の方向性を定めておく必要があります。しかし中小企業は日々の業務に追われ、自社の方向性を定め、決算書をマネジメントすることを忘れてしまいます。結果、設備投資をしたくても肝心の融資が受けられない状況になってしまうのです。
よく経営者から、「決算書のことは税理士に任せている」と聞くことがあります。しかし、忙しい税理士さんは、もしかしたら1社1社の細かい事情には配慮できないかもしれません。この時期には、重要な設備投資を控えているから、この規の決算書はこのように着地させよう。
経営者は自分自身で、決算書のマネジメントに注意を払いたいものです。