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公開①私の再現答案【事例1】

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中小企業診断士試験は、2次筆記の合格発表も終了し、今頃一喜一憂のドラマがあるのではないでしょうか。私も不合格と合格の両方の経験があります。合格はもちろん嬉しいですが、不合格の場合は、いかに気持ちを切り替え、「早く再スタートを切ることができるか」が勝負です。

不合格になると、「いったいどうやったら合格答案がかけるのか、何からやったらいいのか」迷ってしまいます。私もそうでした。受験予備校の発表する「模範解答」は素晴らしいですが、本番の限られた時間の中では、とてもかけるレベルの答案ではありません。(レベルが高く現実離れしています。)

そこでいいのは、毎年シリーズで出版されている「ふぞろいの合格答案」という本ですが、この本もレベルの高い答案が掲載されたり、若干編集が入っているような気がします。

というわけで、最も現実的な、私が合格した際(22年度)の再現答案を4回シリーズで初公開しますので、参考にしてみてください。このレベルで合格できるというモデルになるのではないでしょうか。第1回目の今日は、「事例Ⅰ」(組織・人事の事例)です。設問と私が書いた解答を掲載します。問題用紙を見ながらご覧ください。(問題用紙は受験予備校「AAS」のHPで打ち出しできます。)

A社「食品原材料の一次問屋」
第1問
A社が主力事業としている砂糖業界の環境変化と事業展開の変容について、以下の設問に答えよ。
(設問1)
過去に成功してきた事業展開の中で、A社のような一次問屋にとって、二次・三次問屋とのネットワークの構築が強みになった理由について100字以内で説明せよ。
【私の再現答案】
理由は、A社のビジネスモデルが①生産者と売り手の取引を円滑に進めることで手数料を得る②相場のタイミングを計ることが重要、なためオーナー同士の人的ネットワークが情報収集のうえで重要になるからである。(97字)

(設問2)
これまでの事業展開を継続することができなくなった経営環境の変化は、どういったものであるのか。A社の取り扱う食品原材料という商品特性を踏まえて、100字以内で説明せよ。
【私の再現答案】
経営環境の変化は、①顧客の価格志向の強まり②ドライな感覚でビジネスをする顧客の増加や細かな要求の増加③大手商社参入による競争激化である。商品特性は代替品が多く参入障壁が低いため価格競争になりやすいこと。(100字)

第2問
転廃業を迫られている地方の二次問屋に対してA社が積極的に進めている友好的買収に関連して、以下の設問に答えよ。
(設問1)
A社は、友好的買収を積極的に推し進めているが、その目的と効果について100字以内で説明せよ。
【私の再現答案】
目的は、物流拠点を革新して効率性を高め大手商社等競合と差別化を図ることである。効果は、卸の中抜きによりコスト削減を図れ取引先だけでなく地元の末端顧客に対しても低価格を提供でき大手との競争力ができること。(100字)

(設問2)
A社は友好的買収を進める際に、従来の従業員を継続して雇用することにしている。そのメリットとデメリットについて100字以内で説明せよ。
【私の再現答案】
メリットは、①営業ノウハウや顧客が継承されること②組織文化の融合で能力開発が進むことである。デメリットは、①給料体系が温存されるため高コストになること②A社社員に不公平感が生じモラールが低下すること。(100字)

第3問
家族主義的な経営を掲げるA社でも、近年の経営環境の変化の中で、成果主義的要素をわずかながら人事制度に取り入れるようになった。より成果主義的要素を強化した人事制度にすべきかどうかについて、中小企業診断士としてA社社長からアドバイスを求められた。成果主義的要素を強化した際のA社のメリットとデメリットをどのように考えるべきかについて、100字以内で述べよ。
【私の再現答案】
メリットは①評価の公平性により若手のモラールが向上する②全社的な収益意識が高まり、業績が向上することである。デメリットは①方針の変更に従業員がとまどいモラールが低下する②業績重視で顧客志向が不足すること。(100字)

第4問
食品原材料商社であるA社が事業拡大のために、食品原材料以外の商材に手を伸ばすべきかどうか、中小企業診断士としてA社社長からアドバイスを求められた。どのようなアドバイスをするかについて、100字以内で述べよ。
【私の再現答案】
新規事業の売り上げシェアの増加を助言する。理由は、①衛生基準や品質面でのユーザーニーズに経営資源で対応できる②砂糖や小麦粉の仕入れルートの強みを活用できる、等で大手に対して競争優位性を発揮できるため。(99字)

以上ですが、1年ぶりに振り返ってみると、やはり反省点が目につきます。特に第4問は、「食品材料以外の商材に手を伸ばすべきかどうか」について答えていません。いわゆる題意を外している状態です。極限状態の本番では、こういう普段はしないミスをしてしまいます。

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