数ヶ月前になるが、顧問先であるクライアントの資金調達のお手伝いで、政府系金融機関を訪問する機会があった。
私は、以前「資金調達にコンサルが同席するということ」でもお話ししたとおり、できる限り側面支援を心がけている。
今回は、民間金融機関ではなく、政府系金融機関であるということで、最初の1回は同席することにした。
クライアントにとって申し込みをした政府系金融機関は、新規の取引なので、面談のアポを電話で入れた。すると、「アポは不要なので、直接窓口に来てください。」とのことだった。民間金融機関では、アポ無しでの直接窓口融資申し込みは御法度なので、首をかしげながら訪問した。
訪問すると、受付でホテルマンのような丁寧な受付が有り、融資担当者に取り次いでくれた。
融資担当者も紳士的で、経営者だけではなく、同席している私に対しても丁重な対応をいただいた。
「なぜ当行にお申し込みいただいたのか。」クライアントの経営者は、「和田先生の紹介です」と答える。私も当金融機関と特段親しいわけではなかったが、経済産業省から認定されている「経営革新等支援機関として同席しました」。とお話しすると、「日頃、中小企業診断士協会さんにもお世話になっております」。とのお話しがあった。
そして、「審査結果は、和田先生にもお知らせします」。と言われ、大切に扱われたような気がして、良い気分になった。
その後は、私の方針から、自分はあまり表にでず、クライアントが政府系金融機関と交渉し、1ヶ月弱で融資が決定した。(非常に素早い対応で、資金必要時期に間に合った)。クライアントから融資決定の報告の連絡があり、しばらくして当金融機関融資担当者から私宛にお礼の電話があった。
「今回はありがたい紹介でした。また案件等ありましたら、今後ともどうぞよろしくお願いします」。と。こちらも「いえ、こちらこそありがとうございました」。お礼を述べた。
本件の成功要因は、一番はクライアントの魅力的な事業展開・事業姿勢と融資申し込みに対する誠実な対応であろう。いくら政府系金融機関が親身でも、事業や経営者が魅力的でなければ、貸せない。しかし一方で政府系金融機関の真摯な応対にも驚かされたのも事実だ。政府系金融機関の地域の中小企業を支援していく姿勢も要因としてあげられるだろう。
かつて小泉改革で政府系金融機関の民営化や統合廃止が議論に上がって以来、政府系金融機関は変わったように思う。その時の危機感から、民間金融機関の補完的役割という位置づけに注意しながら、自らの組織の意義を地道に発信している。
民間金融機関も習うところがあるのではないか、と思う。
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