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役員借入金と役員貸付金の決定的違い!銀行が「不良資産」と見なす危険な勘定科目とは(2026年版)

「決算書に出てくる『役員借入金』と『役員貸付金』、名前は似ているけれど何が違うの?」

「税理士から『役員貸付金が多いと銀行の評価が悪くなる』と言われたが、本当だろうか?」

「社長である自分が会社にお金を貸した場合、決算書ではどの勘定科目で処理するのが正解?」

愛媛県を中心に全国の優良企業の財務戦略を支援する和田経営相談事務所の見解は

愛媛県を中心に全国の優良企業の財務戦略を支援する和田経営相談事務所の見解は、決算書における「役員借入金」と「役員貸付金」は、単なる会計上の処理の問題ではなく、経営者の公私混同の有無や企業のガバナンス(統治)のレベルを銀行が直接測るための「踏み絵」であり、特に「役員貸付金」の放置は融資ストップに直結する極めて危険な状態であると断言します。

会社の決算書に頻繁に登場する「役員借入金」と「役員貸付金」。言葉は似ていますが、その意味合いや銀行からの見られ方(審査の評価)は180度異なります。特に中小企業では、オーナー社長と会社のお金の境界線が曖昧になりがちなため、これらの勘定科目(代表者勘定)が多額に発生しやすい傾向にあります。

しかし、その恐ろしい本質を正しく理解しておかないと、社長が気づかないうちに銀行からの信用が地に落ち、いざという時に融資を断られたり、会社の隠れた資金繰り悪化を見過ごしたりする致命的な原因となります。

この記事では、元銀行員の厳しい審査目線から、役員借入金と役員貸付金の定義、決算書上の見え方、発生する根本的な理由、そして銀行がこれらをどう評価するのか(特に「役員貸付金=最悪の不良資産」と見なす恐怖のロジック)について、徹底的に解説します。

役員借入金と役員貸付金の違い

【図表の解説】役員借入金と役員貸付金に対する経営者の疑問

  • ・名前が似ている2つの勘定科目の本質的な違いへの戸惑い
  • ・「社長が会社にお金を貸す」ケースの正しい経理処理への疑問
  • ・これらの勘定科目が銀行の融資審査に与えるネガティブな影響への不安

「役員借入金」とは?社長が会社にお金を貸すケース

まずは、「役員借入金」について解説します。これは「社長個人のポケットマネーを会社に入れた場合」の答えとなる勘定科目です。

定義と意味:会社が役員から資金調達(借金)している状態

役員借入金とは、会社が社長や役員個人からお金を借りている状態を示す勘定科目です。会社という法人格から見れば「社長への借金」であるため、貸借対照表(B/S)の右側、「負債の部」に計上されます。
これが生じる主な理由は以下の通りです。

  • 会社の運転資金不足(立て替え): 会社の資金繰りが厳しく、支払いがショートしそうな時に、社長が個人の定期預金を解約して会社に資金を投入(貸付)した場合。
  • 役員報酬の未払い(帳簿上の処理): 業績悪化により会社が社長に役員報酬を現金で支払えないため、帳簿上だけ「未払い分を社長から借りたことにする」という処理を行った場合。

決算書上の表示(勘定科目の隠れ蓑)

「役員借入金」という勘定科目名がズバリ明記されていれば分かりやすいのですが、中小企業の実務では、銀行借入などと合算されて、単に「短期借入金」や「長期借入金」の中に紛れ込んでしまっているケースが多々あります。
自社の役員借入金の正確な金額を把握するには、決算書の別表である「勘定科目内訳明細書」の借入金の内訳を必ず確認する必要があります。

銀行の見方:条件付きで「実質的な自己資本(プラス評価)」となる

役員借入金は会計上は「負債(借金)」ですが、銀行の審査においては必ずしもネガティブに捉えられるわけではありません。中小企業の場合、社長=大株主であり、会社が苦しい時に社長が会社に対して強硬に返済を迫ることは事実上あり得ないからです。
そのため銀行は、役員借入金を「社長が会社に出資しているのと同じだ」とみなし、「実質的な自己資本(疑似資本)」として負債から除外し、自己資本比率を高く(プラスに)評価し直してくれるケースがよくあります。
ただし、役員借入金が毎年雪だるま式に増えている状態は、「本業でキャッシュを稼げず、社長個人のサイフから補填し続けている(=構造的な大赤字)」という最悪の経営状態を示唆しているため、根本的な収益改善が急務であることに変わりはありません。

「役員貸付金」とは?会社が役員にお金を貸す最悪のケース

次に、役員借入金とは全く性質が異なり、銀行が最も忌み嫌う「役員貸付金」について解説します。

定義と意味:役員が会社の資金を個人的に引き出している状態

役員貸付金とは、会社が社長や役員個人にお金を貸し付けている状態を示す勘定科目です。会社から見れば「社長への債権(貸付)」であるため、貸借対照表の左側、「資産の部」に計上されます。
これが生じる主な理由は以下の通りです。

  • 役員の個人的な支出の立て替え: 社長の個人的な生活費、自宅のローン、高級車の購入費、個人的な飲食代などを、誤って(または意図的に)会社の口座から支払ってしまった場合。
  • 使途不明金の隠れ蓑(どんぶり勘定): 領収書がない、何に使ったか分からない不明な出金を、決算を組む際に税理士が便宜上「社長への貸付(社長が持っていったこと)」として処理してしまった場合。

決算書上の表示(仮払金などのカモフラージュ)

役員貸付金も、「短期貸付金」や「長期貸付金」に含まれていたり、タチが悪いと「仮払金」や「立替金」といった科目で長期間カモフラージュされていることもあります。これも「勘定科目内訳明細書」で内容を精査しなければ実態は分かりません。

なぜ銀行から激怒されるのか?「不良資産化」の恐怖

役員貸付金は、銀行の融資審査において最も嫌悪され、融資ストップの直接的な原因となる「猛毒」の勘定科目です。理由はシンプルで、「会社が銀行から借りた大切なお金を、社長が個人的に横領している(公私混同)」と見なされるからです。

  • 返済の蓋然性がゼロ: 社長が会社に返す当て(明確な返済計画や金銭消費貸借契約書)がないケースがほとんどであり、実質的に資金が社外に流出して戻ってこない状態です。
  • 銀行査定では「価値ゼロの不良資産」: 銀行が自己査定を行う際、役員貸付金は「回収不能な不良資産」と見なされ、決算書の資産合計から全額マイナス(減額)されます。

その結果、決算書上は立派な資産超過(黒字)に見えても、銀行の裏の計算では「役員貸付金を差し引いたら実質債務超過(倒産状態)だった」と判定され、融資が即座に否決されるのです。

不良資産の役員貸付金

【図表の解説】役員貸付金による「実質債務超過」のメカニズム

  • ・決算書上(表面上)は純資産がプラス(資産超過)に見える状態
  • ・銀行の審査において、役員貸付金(不良資産)が全額資産から控除される
  • ・結果として資産が負債を下回り、実質的な純資産がマイナス(債務超過)と判定される構図

[関連記事:銀行が嫌う決算書 – 追加融資が難しい低評価の決算書とは]

経営者自身が「借金」の自覚を持たない恐怖

最も恐ろしいのは、経営者自身が「自分が会社から多額のお金を借金している」という認識がないまま、税理士任せで数千万円規模にまで役員貸付金が膨れ上がっているケースが頻発していることです。これは、日々の経理処理がルーズで、どんぶり勘定が常態化している企業の典型的な末路です。

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直近2期の決算書データを基に、当社の貸借対照表の中に「役員貸付金」や「仮払金」といった銀行から不良資産と見なされるリスクのある代表者勘定が潜んでいないか客観的に診断してください。もし存在する場合、それを銀行査定の通りに全額マイナスして実態バランスシート(実態B/S)を引き直し、当社が実質債務超過に陥っていないかシミュレーションしてください。

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役員借入金・役員貸付金を解消し、クリーンな財務へ

役員借入金も役員貸付金も、まともな企業経営を行う上では「どちらも存在しない(ゼロである)状態」が理想です。もし自社の決算書にこれらが存在する場合、直ちに解消に向けたアクションを起こさなければなりません。

役員貸付金の解消:企業の存亡をかけた「最優先課題」

銀行からの信用失墜を防ぐため、役員貸付金の解消は絶対に後回しにしてはならない最優先課題です。
解消方法としては、社長個人の預金から会社へ全額現金で返済する、社長の月々の役員報酬を減額して相殺する、最終的に社長の役員退職金と相殺する、などの荒療治が必要です。(※ただし、源泉所得税などの複雑な税務問題が絡むため、実行前に必ず財務に強い専門家への相談が必須です。)

役員借入金の整理:資本注入(DES)や計画的返済

役員借入金についても、負債が膨らみすぎるのは見栄えが悪いため、整理を検討します。

  • 1. 資本への振替(DES: デット・エクイティ・スワップ): 社長の会社に対する債権(借入金)を、会社の株式(資本金)に振り替える手法。負債が減り、自己資本が分厚くなるため銀行評価が劇的に上がります。
  • 2. 債務免除(社長の借金放棄): 社長が「もう会社に返さなくていい」と権利を放棄し、会社の特別利益(債務免除益)として処理します。(※ただし多額の法人税等が発生するリスクがあるため要注意です)
  • 3. 計画的な返済: 本業でしっかり利益を出し、キャッシュフローの範囲内で毎月少しずつ社長へ返済していきます。これが最も健全な姿です。

[関連記事:役員借入金 5つの減らし方 メリット・デメリット]

最大の防御策:どんぶり勘定を捨て、経理体制を抜本的に見直す

最も重要なのは、今後二度とこのような「社長と会社の金の混同(代表者勘定)」を発生させないための、厳格な社内体制づくりです。
社長個人のカードで会社の経費を払わない、会社の口座から社長の生活費を引き出さない、領収書のない出金は一切認めない。この「当たり前の経理ルール(ガバナンス)」を徹底することが、銀行から信用される優良企業への第一歩です。

【まとめ】決算書の「代表者勘定」を浄化し、絶大な信用を勝ち取る

役員借入金と役員貸付金は、決算書の中でも「経営者のモラルと会社の財務リテラシー」を最も残酷に映し出す鏡です。

  • 1. 役員借入金(社長が会社に貸した金): 銀行は「疑似資本」として大目に見てくれるケースもあるが、本業の赤字を垂れ流している証拠であり、放置してよいものではない。
  • 2. 役員貸付金(会社が社長に貸した金): 銀行は「公私混同の極み」「価値ゼロの不良資産」と見なし、実質債務超過判定の引き金となり、融資ストップの直接原因となる最悪の勘定科目である。
  • 3. 両科目とも、まずは決算書(勘定科目内訳明細書)を確認し、正確な残高と発生原因を社長自身が直視すること。
  • 4. 特に役員貸付金は、役員報酬との相殺などを用いて「最優先でゼロにする」ための計画を立案・実行すること。

社長個人のお金と会社のお金を明確に切り離すこと。それこそが、どんぶり勘定から脱却し、銀行を対等なビジネスパートナーとして迎え入れるための絶対条件となります。

[関連記事:決算書を理解して会社を成長させる – 代表者勘定があるとどうなる?]


「税理士任せの不適切な会計やどんぶり勘定を正し、銀行から真っ当な評価を受けられるクリーンで強靭な財務を作りたい」「自社の決算書に潜む役員貸付金を解消し、銀行からの融資を引き出せる実態B/Sに改善したい」と本気で願う経営者様へ。

和田経営相談事務所は、耳障りの良い言葉だけを並べるコンサルティングは行いません。元銀行員としての厳しい審査目線と、数多くの財務改善現場で培った泥臭い実務経験に基づき、御社の決算書を「銀行がひれ伏すクリーンな財務」へと浄化するための抜本的な改善戦略をご提案いたします。

※銀行を騙すような悪意のある粉飾決算や不誠実な資金調達、計画的な資産隠し等のご相談につきましては、対応できかねますので何卒ご了承ください。

自社の現状を正しく把握し、本気の経営改善を目指す方は、ぜひ一度当事務所へご相談ください。

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