銀行員として17年、その後起業してコンサルとして約9年。合計26年(令和2年2月時点)、中小企業支援に携わっています。
経営不振企業と接することもあります。
競合や消費者志向などの外部環境の変化や、組織体制や後継者、資金繰りなどの企業内部の問題など、経営不振に陥る要因は様々です。
経営不振企業のお手伝いに入る際には、経営改善計画を策定し、その後数年の実行支援に入ることが多くなります。
その際、経営不振から改善が進む企業と、改善が進まない企業があります。要因は、中小企業の場合、多くが経営者自身の姿勢によると感じています。
経営者の姿勢の違いにスポットをあて、私が常日頃感じていることをお話ししてみたいと思います。
①立案した経営改善計画に対する向き合い方
〈改善が進む企業〉
・立案した経営計画について、真摯に実行しようとする誠実さがある。
・立てた計画について、債権者に対する約束として責任を持ち、自分のこととして捉えている。
・手元にいつも計画書を置いて、何度も見返している。
・計画で立案した改善実施策に意識を向け事業を行う。
〈改善が進まない企業〉
・計画は計画、実際は実際、と割り切っている。
・立てた計画について、他人事で当事者意識がない(コンサルが作ったと考えている)。そのため計画数値も頭に入っていない。
・計画書をどこに置いたか分からない。
・計画で立案した改善実施策が頭から離れ、従来通りの事業実施を行う。
②債権者(金融機関)に対する向き合い方
〈改善が進む企業〉
・計画数値についてコミットし、改善実施状況について定期的に訪問して報告する。
・計画未達の時期があっても、逃げずに原因と今後の対策について説明する。
〈改善が進まない企業〉
・計画の承認を受けるとホッとして、その後の報告を怠る。
・計画未達について、言い訳ばかりする。
・計画未達になると、銀行に寄りつかなくなり、銀行員が不審がって確認のため訪問する(信頼関係が崩れる)。
③従業員に対する向き合い方
〈改善が進む企業〉
・改善期間においても、従業員を大切な人財として扱う。
・失敗を従業員のせいにしない、話の端々から、従業員に対する感謝の気持ちが感じられる。
〈改善が進まない企業〉
・従業員に無理を強いる。従業員の気持ちが離れ、離職などで、改善に必要な人材を失う。
・失敗を従業員のせいにする。従業員のことを外部に向かって悪く言う。
ざっとこんな風に感じています。
総じて改善が進む企業の経営者は、経営改善を自分の責任として真摯に向き合っています。説明責任からも逃げません。逆に進まない企業は、どこか人ごとで当事者意識が不足しています。ダメだったら周りが何とかしてくれるわ、ぐらいに見えます。時間が経過すればするほど、その差は歴然としてくるように私は感じるのです。
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