前回、銀行融資はなるべく早く申し込みましょう、というお話をしました。しかし、いくら早く申し込んでも、その際必要書類を提出していなければ意味がありません。必要書類がないと、融資担当者は融資稟議が作成できないからです。では、融資の際の必要書類には、どんなものがあるのでしょうか。
銀行融資には、運転資金と設備資金、資金使途で分けると2種類の融資があります。その資金使途に応じて、必要な書類が違います。銀行融資取引がすでにあり、決算書はすでに提出していることを前提としてお話します。
まず、運転資金を申し込む際。直近の試算表、資金繰表、資金使途を確認する資料が必要です。資金使途を確認する資料とは、例えば納税資金であれば、納税の計算書、賞与資金であれば、賞与支給額の予定表、工事立替代金であれば、工事の請負明細書、などです。
次に、設備資金。直近の試算表、設備の見積書・パンフレット、その設備をすることで達成される収支(事業計画書)、などが必要になります。
申込む事業者、銀行ともに困るのが、試算表を作っていない場合です。銀行に「当社は年に一度まとめて、税理士さんに頼んでいます。」という説明をします。これでは決算後の途中経過の判断材料がないため、融資稟議が作成できません。あわてて税理士さんに伝票を持ち込み、試算表の作成依頼をします。
税理士さんもたまったものではありません。「銀行さんが急ぐので、至急お願いできませんか。」こんな顧客とはできれば取引したくないと思うでしょう。こうしたことにならないよう、試算表は定期的に作成しておきましょう。
逆に、これらの必要書類が、申込と同時に提出できれば、融資申込みはスムーズになります。銀行の担当者も、御社の段取りのよさに感心して、優先して稟議を作成してくれるでしょう。
融資を申し込む際には、資金使途ごとに必要書類を把握し、スムーズに提出するようにしましょう。
お問い合わせは、こちらからどうぞ。