【この記事で分かること】
・コスト削減できる経費の種類【コスト確認シート;実績確認用あり】
・コスト種類別、削減の具体的な方法【コスト確認シート;計画立案用あり】
・コスト削減するための手順
この記事のポイントは以下の通り
☑ 営業利益がマイナスになったとき、短期的に効果が出やすいのは、コスト削減である
☑ 第一手順として、かかっているコストを抜き出す。まずは現状を確認すること
☑ 抜き出したコストについて、各項目ごとに、以下記事のような方法で、コスト削減策を考える
☑ 頭の中で考えても堂々巡りになるので、削減策と目標数値を紙に書きだして視覚化すると、実効性が高まる
詳しく見ていきましょう。
営業利益のマイナス状態を改善する方法は、企業の置かれた状況により色々あるのですが、今回は「コスト削減」に絞って対策を考えてみたいと思います。
コストとは、主に仕入と販売管理費です。
コストを削減するための最初のステップは、コストの内容を経営者が把握することです。
正しく現状を把握して対策を立てなければ、ピントの外れた改善策になって、効果が期待できません。
現状を把握する方法は、下記のような項目を過去5年間分、決算書から抜き出し数字を並べてみることです。
【抜き出す項目】
① 材料、商品仕入額(仕入先ごと、仕入れ商品ごと)
② 役員報酬
③ 人件費
④ 社会保険料
⑤ 福利厚生費(社内での懇親会、忘年会、社員旅行などの費用)
⑥ 広告宣伝費
⑦ 旅費交通費(社長や社員の出張費)
⑧ 水道光熱費
⑨ 地代家賃
⑩ リース料
⑪ 接待交際費
⑫ 支払手数料
⑬ 修繕費
⑭ 消耗品費
⑮ 支払保険料(どこにどれだけ払ったか)
⑯ 雑費(何百万円単位で多額になっていることが多い、何か)
⑰ 借入金支払利息
⑱ 法人税(赤字なので払えていないはず)
⑲ 外注費
どうでしょう?自分が感じていた額ですか?思ったより無駄がありませんでしたか?
このようにして、まずは現状を把握します。
私はコンサル実務に入る場合、このようなシートを使い、コストを把握します。参考までにシートを貼っておきます(画像をクリックすると拡大します。印刷してご使用ください)。
【コスト確認シート;実績確認用】
現状が把握できれば、次に何を削減するのか決めていきます。
今までの慣例は改め、ゼロベースで考えていきます。今までのやり方で赤字なのですから、変える必要があるのです。
例えばですが、
【実施する対策】
① 材料、商品仕入額(仕入先ごと、仕入れ商品ごと)
② 役員報酬
【参考記事】ちょっと考えたい中小企業のその財務対応①~役員報酬の決め方~
③ 人件費
※以下人件費の計算シート付の記事です。人件費見直しの参考にしてください。
【参考記事】【計算シート付】人件費を判定する3つの指標 ~経営者は何を基準に適正人件費を考えれば良いか~
④ 社会保険料
⑤ 福利厚生費(社内での懇親会、忘年会、社員旅行など)
⑥ 広告宣伝費
※広告宣伝費の考え方を記事にしています。広告宣伝費見直しの参考にしてください。
【参考記事】中小企業の広告宣伝費 ~宣伝効果が薄い理由と有効活用法~
⑦ 旅費交通費(社長や社員の出張費)
⑧ 水道光熱費
⑨ 地代家賃
⑩ リース料
※自社のリースの確認方法は、確認シート付の、この記事を参考にしてください。
【参考記事】中小企業とリース
⑪ 接待交際費
【参考記事】銀行から見て首をひねりたくなる決算書⑤~赤字なのに役員報酬、接待交際費が多額~
⑫ 支払手数料
⑬ 修繕費
⑭ 消耗品費
⑮ 支払保険料(どこにどれだけ払ったか)
⑯ 雑費(何百万円単位で多額になっていることが多い、何か)
⑰ 借入金支払利息
⑱ 法人税(赤字なので払えていないはず)
⑲ 外注費
厳しいですが、赤字状態を脱却するためには、これぐらいの改善策実行が必要です。
上記のようなコスト削減策を立案していくうえで、不採算部門や不採算店舗からの撤退、売れ行きが鈍ったかつての看板商品のリセット、なども候補案として上がってきます。
※不採算事業からの撤退の判断基準は、この記事を参考にしてください。
【参考記事】
改善案を確実に実行するポイントは、紙に書いて見える化することです。
これから、どのコストをどれぐらいに着地させるのか、予算立てし、実績を集計していきます。
私はコンサル実務に入る場合、このようなシートを使い、コスト計画を立てます。参考までにシートを貼っておきます(画像をクリックすると拡大します。印刷してご使用ください)。
【コスト確認シート;計画立案用】
コストに加えて、売上や売上原価などを埋めていけば、いったいどれぐらいコスト削減すれば黒字化できるのか、目安になります。
予算に対して実績差異がでたなら、原因は何か、予算の立て方が悪かったのか、それとも実行が不完全だったのか、、、
自社で出来れば良いですが、自分で自分を管理し、改善策を実行するのは大変です。
その時は、第三者に手伝ってもらう方法もあります。
当事務所では、営業利益がマイナスになってしまった中小企業の支援実績があります。
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