最初にあなたが、あまり聞きたくない話をします。
赤字なのに、役員報酬や接待交際費が多額ということは、経営者のあなたの生活費や接待費を、営業活動による利益からではなく、銀行から借りたお金で準備している、ということになりませんか?
銀行の考え方は、口に出さないかもしれませんが、心の中はこうです。
「赤字なのに追加融資を申し込むなら、まずは自分の身(役員報酬、接待交際費)を削ってからにしてほしい」
詳しく見ていきましょう。
銀行から見て首をひねりたくなる決算書。第5回目の今日は、「赤字なのに役員報酬、接待交際費が多額」についてお話します。
業績が下降し、1期赤字が出たとします。経営は生き物ですから、こういうこともあります。しかし、すぐに対策を打ち、2期連続赤字だけは、避ける努力をしないといけません。
なぜなら、銀行は1期の赤字(翌期は黒字に復帰)は、一過性の赤字としてみてくれますが、それが2期続くと、赤字が恒常的なものと判断するからです。なんとしてもその事態は防がなくてはなりません。銀行は連続赤字と前回お話しました債務超過には厳しい評価をします。
しかしながら中には、あまり気にせず、2期連続で赤字を計上する企業があります。しかも、その企業の経費の内訳を見ると、黒字時代と同じように、役員報酬や接待交際費が多額に計上されたままなのです。思わず首をかしげたくなります。
銀行は、このように連続赤字を計上したにもかかわらず、危機感の薄い企業に対して、厳しい見方をします。経営改善に懐疑的な見方をします。
こうしたケース(1期赤字)に陥ると、素早く経費カットの対策を打ちます。まずは役員が犠牲を払い、役員報酬の削減や接待交際費の削減など、率先して経費削減に取り組みます。即効性の高い経費カットに素早く取り組めば、もともと高コスト体質で削減余地も大きいことから、黒字復帰できる可能性が高くなります。
なお、具体的なコストカット方法はこの記事に詳しいので、併せてご確認ください。
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赤字局面で、役員報酬と接待交際費が多額であることのデメリットは以下です。
☑ 銀行から赤字体質を改善する覚悟を疑われる
☑ 経営者の接待交際費の使い過ぎは、社員のモチベーションを低下させる(社員は経営者の行動をよく見ています)
☑ 役員報酬が多額だと、法定福利費(社会保険料の会社負担分など)で、キャッシュアウトが増える
☑ 積もり積もって、資金繰りが厳しくなる
などです。
自社の状況を考えながら、計画的な役員報酬、接待交際費の決定(予算策定)が求めれます。
自社の決算内容は客観的にどうなのか、どこを改善すれば良いのか、分からないことがあれば、下記メール連絡フォームからご連絡ください。
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