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経営危機を乗り越える!経営再建計画の作り方|⑧アクションプランと数値計画:作成の流れと良い計画

経営再建計画は、「事業・財務デューデリ」と「アクションプランと数値計画」の2部構成です。

前回まで7回に渡り、経営再建計画の前半部分「事業デューデリ」について説明してきました。

今回からは後半部分、「アクションプランと数値計画」について説明していきます。

まず、「アクションプランと数値計画:作成の流れ」の話をします。

 

・バックナンバー

① 経営再建計画が必要な状態とは?こちら
② 経営再建計画は「デューデリ」が8割 こちら
③ 事業デューデリ:うち内部環境分析 こちら
④ 事業デューデリ :外部環境分析はこれだけやれ こちら
⑤ 事業デューデリ:SWOT分析。不都合な真実と有効化の方法 こちら
⑥ 事業デューデリ:経営課題抽出は再建を左右する こちら
⑦ 事業デューデリ:損益イメージを共有せよ!  こちら

 

アクションプランとは

アクションプランとは、経営課題を解決するための「具体的改善策」と「行動スケジュール」のことです。

「経営課題」と「改善の方向性」は、事業デューデリを通じて、既に浮かび上がってきています。

経営課題については、この記事に詳しいので参考にしてください。

アクションプランのパートでは、事業デューデリで把握した「経営課題改善の方向性」をより踏み込んで具体化していきます。

例えば、利幅が取れていないことが経営課題で、方向性が値上げ交渉なら、どこに対していつどれぐらいの値上げ交渉を実施するのかを決めることが、具体的改善策となります。

例えば、生産性が低いことが経営課題で、方向性が老朽化設備の入れ替えなら、何の設備をいくらの投資額でいつ投資するかを決めることが、具体的改善策になります。

今まで、事業デューデリが大切!と繰り返し説明してきました。事業デューデリを通じて、的確な経営課題抽出ができていなければ、ピントが外れたアクションプランを作ってしまい、経営再建が遠のく結果となります。

 

数値計画とは

数値計画とは、アクションプランを実行することで、数値としてどのような結果がもたらされるのか、数値で明示するものです。

経営再建計画には、会社に融資している全金融機関の同意が必要となります。

金融機関の関心は、「貸したお金がいつ、いくら返ってくるのか?」ということです。

数値計画に合理性や実現性がなければ、再建計画に同意しません。

経営再建計画で大切なのは、この記事で説明したように、デューデリ部分ですが、金融機関の関心を持っているのは、数値計画の部分です。

数値計画には以下のパートがあります。

①減価償却と投資計画
②リース支払計画
③人件費計画
④計画0年目の着地見込み
⑤事業部門別業績計画
⑥販売先別売上計画
⑦一般費及び販売管理費計画
⑧製造原価計画
⑨PL計画
⑩BS計画
⑪CF(キャッシュフロー)計画
⑫タックス(税金)計画
⑬不良資産回収計画
⑭金融機関借入金返済計画

※会社の状況に応じて、3年計画(短期計画)、5年計画(中期計画)、10年計画(長期計画)に分かれます。

 

数値計画作成の流れ

数値計画は、上記の通り①から始めて⑭まで進んでいくと良いかと思います。

場合によっては一部、行ったり来たりで、数値を修正しながらの作成になります。

⑭金融機関借入金返済計画を作った後、⑨PL計画、⑩BS計画、⑪CF計画の数値を修正するなど。

じゃあ、先に⑭を作れるかと言うと、⑪が出来ていないと、返済財源が未確定なので、作れません。繰り返しますが、行ったり来たりしながら、完成させていきます。

数値計画の中心は、⑨PL計画、⑩BS計画、⑪CF計画です。それらの材料として、①~⑧、⑫~⑭があります。

全ての数値はリンクしているのです。

 

アクションプランと数値計画。どちらが先?

では、アクションプランと数値計画は、どちらを先に作ればいいのでしょう?

私が経営再建計画の策定支援を始めて、10年以上になります。

経験が浅い最初のうちは、アクションプランを先に作成して、そのあと数値計画を作っていました。

アクションプランの行動結果として、数値計画があり、その順序で策定を進めていました。

しかし経験を積むにつれ、手順が逆になりました。

まず、数値計画を作り込んで、その数値を達成するための手段として、アクションプランを作成するようにしました。

数値計画を作り込んでいく過程で、アクションプランが具体化していくからです。

先に数値計画の方が、スムーズに作業が進み、的確な再建計画を作れることに気が付きました。

 

良いアクションプラン&数値計画

各々の関係者にとって、良いアクションプラン&数値計画は以下のようなものです。

✔ 経営者にとって:将来を展望出来て、前向きに再建に取り組める計画

✔ 金融機関にとって:数値計画に根拠があり、計画が合理的で、融資回収の道筋が見える計画

✔ 支援専門家にとって:経営者が経営再建をやる気になりかつ、金融機関が納得できる計画

以上、「アクションプラン&数値計画:作成の流れと良い計画」について、お話しました。

今後の貴社の財務改善にお役立ていただけますと幸いです。

次回は、アクションプラン&数値計画「減価償却と投資計画」についてお話ししていきます。

 

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