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【銀行 出向】は「使えない」?中小企業が受入前に知るべき注意点(2025年版)

「取引銀行から、行員の 出向 を受け入れてみないかと打診があった」

「銀行員 の 出向 って、会社にとって本当にメリットがあるの?」

「周りでは『銀行員 の 出向 は 使えない』という声も聞くけど、実際のところは?」

昨今、銀行業界の再編(店舗統廃合、合併など)や働き方の変化により、銀行 から取引先企業への 出向 が増えています。あなたの 中小企業 にも、銀行 からの 出向 者を財務担当などとして受け入れる機会があるかもしれません。

しかし、期待して受け入れたものの、うまく機能せずに「銀行員 の 出向 は 使えない」と感じてしまうケースも残念ながら存在します。なぜミスマッチが起こるのでしょうか?

この記事では、中小企業支援の現場に立つ経営コンサルタントとして、銀行 からの 出向 者受け入れの際に生じやすい問題点、メリットと注意点、そしてミスマッチを防ぎ、成功させるための要件について解説します。

元銀行員や銀行からの出向者を財務担当として受け入れる際のイメージ

なぜ「銀行員 出向 使えない」と言われるのか?ミスマッチの原因

期待して受け入れた 銀行 からの 出向 者が、なぜ「使えない」と感じられてしまうことがあるのでしょうか。その主な原因は、受け入れ企業側の期待と、出向してくる 銀行員 の経験・スキル・意識との間にギャップが存在するためです。

期待と現実のギャップ:会社が求める役割 vs 出向者の経験・意識

・中小企業側の期待: 即戦力として、財務全般(資金繰り、銀行対応、経理実務補助など)を幅広く、かつ実践的に担ってほしい。

・出向者の経験・意識(特にシニア層の場合): 銀行 では役職者として、部下への指示・管理が中心。実務は部下が担当。専門分野以外のことは本部のサポートがある。プライドが高い場合も。細かい実務作業に抵抗を感じる可能性がある。自分の役割は「財務戦略」や「銀行 とのパイプ役」だと限定的に考えている場合がある。

大組織と中小企業の文化・業務の違い

銀行 という巨大で整備された組織と、リソースの限られた 中小企業 とでは、仕事の進め方や求められる役割が大きく異なります。

・中小企業: 一人で何役もこなす必要がある。指示待ちではなく、自ら考えて動く主体性が求められる。決まったマニュアルがない業務も多い。

・銀行(大組織): 役割分担が明確。整ったマニュアルやサポート体制がある。

この文化や業務内容の違いに 出向 者が適応できないと、パフォーマンスを発揮できません。

出向者のモチベーションの問題

出向 を命じられた 銀行員 が、必ずしも高いモチベーションでいるとは限りません。特に本人の意に沿わない 出向 の場合、「都落ち」「銀行 に見放された」といったネガティブな感情を抱えている可能性もあります。(筆者自身も若い頃の 出向 経験で、当初は同様の感情を抱いた時期がありました。)

モチベーションが低い状態では、新しい環境で能力を発揮することは困難です。 出向 先で自らの役割や目標を見出し、意欲的に取り組めるかどうかが、成否を分ける大きな要因となります。

銀行 出向 受け入れのメリットと注意点

もちろん、銀行 からの 出向 受け入れにはメリットも期待できます。しかし、同時に注意すべき点も存在します。

メリット:銀行との連携強化、財務知見の活用

・銀行 との連携: 出向 元の 銀行 とのコミュニケーションが円滑になり、融資交渉などが有利に進む可能性がある。(特にメインバンクからの 出向 の場合)

・財務知見: 銀行 で培われた金融知識や財務分析のスキルを活用できる可能性がある。

注意点①:メインバンクからの出向か?

メインバンクからの 出向 者であれば、比較的安心感があります。 しかし、サブバンクなど、メインバンク以外の 銀行 からの 出向 者を、特に財務の責任者などの要職で受け入れる場合は注意が必要です。メインバンクがどう受け取るか、力関係によっては、事前にメインバンクに相談しておく方が賢明な場合もあります。

注意点②:出向者の経歴と思い込み

「支店長経験者だから優秀だろう」「役職者だったから何でもできるだろう」といった肩書きによる思い込みは危険です。管理職としての能力と、中小企業 で求められるプレイングマネージャーとしての能力は異なります。過去の役職や実績に惑わされず、実際に何ができるのか、中小企業 の実務に対応できるのかを見極める必要があります。

注意点③:「財務のプロ」とは限らない?

銀行員 が必ずしも 中小企業 の財務全般に精通しているわけではありません。

・得意分野: 融資審査、決算書分析、金融商品知識など。

・不得意な可能性のある分野: 管理会計(部門別損益管理など)、事業計画策定支援、原価計算、税務、経理実務全般。

財務担当として採用する場合、会社が求めるスキルセットを持っているかを確認する必要があります。「財務に関する資格(中小企業診断士、税理士など)はありますか?」「退職後(あるいは 出向 前)に財務関連でどのような自己啓発をされていますか?」といった質問は、能力を見極める一助になります。

また、現在の金融環境、例えば金利動向(短期プライムレートや TIBOR の動きなど)を理解し、それが自社の財務戦略や 銀行 との 融資 交渉にどう影響するかといった視点を持っているかも、確認したいポイントの一つです。

[関連記事:銀行融資担当者 アタリとハズレの見分け方]

銀行 出向 のミスマッチを防ぎ、成功させる要件

銀行 からの 出向 受け入れを成功させ、ミスマッチを防ぐためには、事前の準備と受け入れ後のコミュニケーションが鍵となります。

事前合意形成の重要性

受け入れを決定する前に、会社側と 出向 者(および 出向 元の 銀行)の間で、以下の点について十分に話し合い、明確な合意を形成しておくことが極めて重要です。

・会社側が 出向 者に期待する役割・業務内容
・出向 者が貢献できると考えていること、やりたいこと
・付与される役職と権限
・具体的な業務範囲と目標
・評価基準

出向 期間と処遇(給与負担など)

この段階で認識のズレがあれば、受け入れを見送る判断も必要です。曖昧なまま受け入れてしまうと、後々必ず問題が生じます。

受け入れ体制の整備

出向 者がスムーズに業務を開始し、能力を発揮できるよう、社内の受け入れ体制を整えることも大切です。

・明確な指示系統(誰の指示で動くのか)
・必要な情報やツール(PC、アカウントなど)の提供
・社内メンバーへの事前説明と協力依頼
・孤立させないためのコミュニケーション(歓迎会、定期的な面談など)

定期的なコミュニケーションと評価

受け入れ後も、定期的に 出向 者と面談の機会を持ち、業務の進捗状況、困っていること、期待とのズレなどを確認し、軌道修正を図ることが重要です。合意した評価基準に基づき、客観的なフィードバックを行うことも、モチベーション維持や成長に繋がります。

出向後の転籍という選択肢

出向 は、期間が定められているのが一般的ですが、その後のキャリアとして「転籍」という道もあります。

出向期間を通じた見極め

出向 期間は、会社にとってはその 出向 者の能力や人柄、会社への適合性をじっくり見極める絶好の機会となります。

双方合意の上での転籍

出向 期間中に双方が「今後も一緒に働きたい」と合意すれば、出向 期間終了後、正式に社員として採用(転籍)するケースも多くあります。この場合、出向 元の 銀行 もスムーズに承諾することが一般的です。これは、ミスマッチのリスクが非常に低い採用方法と言えます。

まとめ:銀行 出向 は「使い方」次第。事前のすり合わせが成功の鍵

銀行 からの 出向 者受け入れは、銀行 との関係強化や専門知識の活用といったメリットが期待できる一方、「銀行員 出向 使えない」という失敗に終わるリスクもはらんでいます。特に 中小企業 においては、大企業とは異なる環境への適応が求められます。

成功の鍵は、**受け入れ前の徹底した「期待値のすり合わせ」と「役割の明確化」**にあります。

・肩書きに惑わされず、中小企業 で実際に貢献できるスキル・経験・意欲があるか見極める。

・会社が何を期待し、出向 者に何を提供できるか(権限、環境)を明確に伝える。

・双方の合意事項を書面などで確認する。

・受け入れ後も、丁寧なコミュニケーションと適切なフォローアップを継続する。

これらの点を踏まえ、慎重かつ計画的に進めることで、銀行 からの 出向 は、会社にとって大きな戦力となり得ます。

この記事が、貴社における 銀行 からの 出向 者受け入れに関する意思決定の一助となれば幸いです。具体的な受け入れ準備や、受け入れ後のマネジメントについてお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。

 

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