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コロナ共生時代の中小企業診断士 ~資格活用に迷っている診断士へのメッセージ~

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コロナはどうやらゼロコロナにはならず、共生していくしかなさそうです。

そうした中、中小企業診断士(以下診断士と省略)の仕事のやり方も変化しています。

求められる役割も変化しているでしょう。

今日のお話しは、私の考えです。

診断士が100人いれば、100通りの考え方があり、仕事のやり方・ポリシーもそれぞれ相違があると思います。

最終的には、自分なりの方法を見つけてください。

この記事はあくまでも一つの意見として、あなたの今後の診断士活動にお役に立ていただけますと幸いです。

コロナ禍での診断士の業務

私がお付き合いのある診断士などから集めた情報によると、全国的にいま多いのは、事業再構築補助金の事業計画作成支援でしょうか。

事業再構築補助金の募集要項には、認定支援機関である診断士などの専門家が計画策定に関わることが要件となっています。そのため、支援実績のある診断士のもとには、オファーが集まっているようです。

こうした補助金申請に関する事業計画策定支援は、中小企業経営者のニーズが高い大切な支援だと思います。

診断士にとって忘れてならないのは、経営全体の中での「補助金事業計画」の位置づけです。会社が今後進んでいくべき方向性と合致していなければなりません。以下の記事に補助金に関しての私の考えをお話ししています。参考ください。

 

【参考記事】補助金好きな経営者の末路~正しい使い方、誤った使い方~

 

中小企業の売上はコロナ前100とすると、既存事業は今後70とか80とかの売上となります。消費者のライフスタイルや消費意識が変わったからです。100に戻る事業は少なくなります。

こうして変化した事業環境に対して、中小企業も変わっていく必要があります。

診断士には、経営者に事業環境の変化を啓発したり、今後進んでいく方向性を助言したりする役割が強く求められるでしょう。

具体的には、新しい事業展開の支援や事業環境変化に対応した組織改革の支援などです。

ツールとしては、経営診断報告書や、以下の記事に記載した各種報告書形式が重宝されます。

 

【参考記事】『経営を視覚化する』。そのツールと効果

 

また今後注目されてくるのは、「廃業支援」です。

М&Aも廃業支援の一環です。

М&A支援以外の廃業支援としては、金融機関との連携が必要になりますが、コロナ禍であぶりだされた「事業継続が困難な会社」に対して、できるだけ経営者が苦しまない「ソフトランディング支援」のニーズが高まるでしょう。

 

資格の活用が進まない診断士

個人的に、診断士は素晴らしい資格だと思います。

資格保有者は色々な犠牲を払い、何年もかけて苦労して資格を取得します。

私は銀行員時代17年と独立開業して10年の27年間で、色々な診断士を見てきました。

自分のことはよく分からない部分もある(灯台下暗し)ので、自分のことは棚上げして、客観的な意見を述べます。

折角苦労して取得した診断士資格を有効活用できていない診断士が多いと感じています。

資格勉強中から取得した後の活用イメージを描いておくこと、資格取得後は素早く具体的に活動を始めること、この2点が大切です。

ちなみに私が資格取得後、脱サラ即独立開業(経緯はこちら)したのは、銀行に残っても資格を有効活用できるイメージが湧かなかったからです。

プロコンの場合は、否が応でも資格を活用しますが、特に企業内診断士は注意が必要です。

というのは、様子見をしていると、資格はすぐにさび付くからです。活用して能力をアップデートし、知識をメンテナンスしていく必要があります。

誇張表現ではありません。たくさんそうしたケースを見てきました。

 

サービス品質を高める

コロナ共生時代において、診断士の活躍するステージは益々広がっていくと思います。

中小企業経営者が今後の事業方向性について悩むからです。

コンサルティング機会の増加は、診断士にとって「試されることが増える」ということでもあります。

 

コンサルティングに関する方式は以下です。

【ケース1】

経営者が得られる便益 > コンサルティング価格  →高評価の口コミ→リピート→依頼増加

 

【ケース2】

経営者が得られる便益 < コンサルティング価格  →低評価の口コミ→単発リピートなし→依頼減少

 

ニーズの増加にかまけて、また目の前の手数料欲しさで、やっつけ仕事をしていると、コンサルティング依頼はなくなります。

サービス品質の向上に意識を向けることが大切です。

サービス品質向上につながらない原因は、①診断士自体の能力が不足している②コンサルティング案件のマッチングに失敗している、からです。

能力向上の方法は、常日頃から自己啓発で知識を蓄積すること、実務経験によりスキルをアップデートすることです。

案件のマッチング失敗を防ぐ方法は、コンサルティング契約前に支援予定先経営者と、着地点のすり合わせをしっかりしておくことです。合意形成ができない場合は、コンサル契約を結ばないようにします。

 

紹介は難しい

案件のマッチングが紹介であるとき、大切なのは紹介者です。

以下は私の経験です。

信用できるところからの紹介は、案件の質と確度が高い傾向にあります。紹介責任という概念を理解していることが多いからです。

一方、良くない紹介案件も結構ありました。内容をよく聞いて、お力になれそうにないときは丁重にお断りしました。

原因は、紹介者が診断士の業務内容やスキルを理解しないまま取り次いできたり、紹介者自身が困ったのち自分の困りごとをきちんを交通整理せずそのままこちらに丸投げしてきたり、したからです。

相手のことを考えず「とにかく紹介!」という姿勢は、信用を失います。

紹介は難しいと感じます。

信用にかかわるので、紹介する時も紹介される時も、注意が必要です。

 

情報発信を増やせ

プロコンとして10年間やってきましたが、診断士の知名度の低さには悔しい思いをしてきましたし、情けない気持ちも持ってきました。

最近は、少し知名度が上がったように感じますが、会計士や弁護士、税理士など他の士業に比べるとまだまだ認知度不足です。

診断協会などが様々なイベントを通じて啓発活動を行っています。

ただそれでも、唯一の経営コンサルタントの国家資格である診断士の知名度向上は道半ばです。

組織的な動きとは別に、個人個人での情報発信強化が必要です。

診断士=会社経営のドクター

診断士=新事業展開や組織改革の助言者

診断士=事業計画やリスク管理で困った時に相談するひと

などのイメージがつけば、経営に関するお困りごとの際、診断士の顔がまず思い浮かぶようになります。

情報発信には、書籍を出す、SNSを活用、動画配信、ホームページ、ブログ、メルマガ、など様々な方法があります。

自分に合った方法を選択すると良いでしょう。

情報発信する際のポイントは、ターゲットを明確化し、ターゲットが必要とする情報を発信することです。独りよがりの情報発信では、誰も興味を示しません。

個人個人の診断士の情報発信が、やがてうねりとなり、診断士の知名度向上につながると信じています。

 

ステージレベルごとの活動を

診断士には、1年目には1年目の、3年目には3年目の、5年目には5年目の、資格活用のやり方があります。

 

【参考記事】中小企業診断士、プロコンとして自立するために①~1年目に心がけたいこと~

 

大切なのは、着実にレベルアップしていくこと。

残念ながら、年に一度理論政策研修に参加するだけでは活動不足です。

苦労して取得した資格ですから、磨き続けることが大切です。

様子見していると時期を逃すことは、様々な事例が証明しています。

プロコンとしてでも、企業内診断士としてでも、意識を向ければ資格は有効活用できます。

企業内診断士は、週末副業と言う道が拓けてきました。

オンラインコンサルの環境が整ってきました。コンサルティング案件のオンラインマッチングサイトも増えています。

やり方はいくらでもあります。やるかやらないかの気持ちだけです。

 

まとめ;コロナ共生時代の診断士の役割

最後になりますが、私が考えるコロナ共生時代の診断士の役割は以下です。

 

①新事業展開や経営革新に悩んでいる中小企業経営者に明るい事業の方向性を提言する

②廃業支援としてのМ&Aやソフトランディング支援を行い経営者の将来を今より良くする

③中小企業経営のドクターとして、中小企業経営者に真っ先に頼りにされる存在となる

④中小企業の事業・組織体制・財務体質の強化に貢献する

 

そのために、我々診断士は日々努力・研鑽し、自身の能力をアップデートし続ける必要があるのです。

 

お付き合いいただき、ありがとうございます。現役診断士の方から、診断活動を充実させるためのコメント、この記事に関するご意見をお待ちしております。以下コメント欄からお気軽にご連絡いただくと嬉しいです(当ホームページは、暗号化対策をするなど、情報漏洩に注意を払っております)。

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