「7つの習慣」というビジネス書、世界中で大ベストセーラーの自己啓発本です。
その本の中に、「第2の領域に集中せよ」という話があります。
仕事でもプライベートでも、物事は、時間軸と重要度で、4つの領域に分けることができます。
【目次】
①第1の領域・・・至急かつ重要
仕事でいうとクレーム対応など
②第2の領域・・・急がないけど重要
自己啓発、事業計画作成、人材育成など
③第3の領域・・・至急だけど重要でないこと
重要でないクライアントからの電話、メール応対や来客対応
④第4の領域・・・急がないかつ、重要でないこと
不必要な余暇の時間(テレビやゲームの時間など)
私を含め、おそらく多くの方が、①、③、④に時間をとられ、②に時間をとれていないのではないでしょうか。
この本は、最も大切なのは上の図の②、「第2領域」【価値】であると考えます。
第2領域の活動は、自己啓発書を読むことや、有意義な資格に挑戦すること、事業計画書を作成してみること、部下や上司とコミュニケーションをとること、家族と旅行したりしてゆっくり過ごすこと、趣味の時間などです。
経営においては、この第2領域の時間をいかに確保できるかが、非常に重要なのです。
経営にとって、非常に大切な第2領域ですが、短期的な成果が見えにくいため、後回しにされます。
以下の様な事が経営にとって第2領域と言えるでしょう。
☑ 従業員に対しての教育(人材育成)
☑ 従業員の待遇改善
☑ 従業員とのコミュニケーション強化
☑ 後継者育成
☑ リスク管理対策
☑ 将来事業計画
☑ デジタル化の仕組み作り
などなど。
あなたの会社の第2領域はどこでしょう?
各会社の置かれた環境によって、第2領域活動は違うと思います。
今回は、「リスク管理対策」についてお話しします。
現在経営者としてケアが必要なリスク対策には、
☑ 新型コロナ対策
☑ 災害対策
☑ 不祥事対策
があります。
3つの中から、新型コロナ対策について、少し考えてみます。
変異ウィルスが主流になってきており、感染が今後も増加していく傾向にあります。
ワクチンが一通り行き渡るまで、後半年程度は、細心の注意が必要となります。
現時点で、会社内での感染拡大(クラスター発生)は、中小企業にとって事業継続が危ぶまれる事態になる可能性があります。
もちろん、いくら対策をしても、発生はやむを得ない部分はありますが、あなたの会社はどの程度対策を立てて実行していますか?
対策を打っていてかかってしまうことと、不作為でクラスターを発生させてしまうことは、違います。
職場内でクラスターが発生しやすい場所は、社員食堂、給湯室、トイレ、更衣室など、気持ちが緩みやすいところです。
効果的な対策は打てていますか?
【関連記事】新型コロナ対応のBCP(事業継続計画)を作成し危機に備える
リスク管理には、事前対策と、発生してしまった後の事後対応があります。
発生させないためのは、どんな対策が必要か?
もし発生してしまったら、どのように動けば良いか?
発生しないのがベストですが、経営者は「自社で発生するかもしれない」と考えておくことが大切です。
事が起こってからの事後対応では、後手に回ります。
準備しておくことが大切です。
一つの方法としては、BCP(事業継続計画)を策定しておくことです。
BCPには、新型コロナ版と災害対策版があります。
BCPを作るためには、経営者が
「自社で新型コロナが流行するかもしれない」
「地震や洪水に巻き込まれて、生産や現場がストップするかもしれない」
このような考えるのも嫌なことを想定する覚悟が、まず必要です。
策定するにあたっては、従業員に当事者意識を持たせることが大切です。
BCPの策定に従業員を参加させます。全員参加が難しいなら、各部署のリーダーを集め、プロジェクトチームを作り、作業をさせます。もちろん任せきりにせず、作業の進捗具合は、経営者がグリップしておきます。
リーダーから、各部署に伝達できる仕組みを考えます。
危機管理計画を策定する過程で、従業員が成長します。大切なのは自分たちで考えさせることです。
「もし自社で危機が発生したら、どうなるのか?」
「その際は、どのように動けば良いか?」
「危機の発生リスクを抑えるためにできる行動は何か?」
プロジェクトリーダーに、将来の幹部候補生や後継者を任命すれば、人材育成の機会となります。
第2領域の活動として、新型コロナに関する準備を例に挙げました。
あなたは、神頼みになっていないですか?
第2領域に踏み出すには、経営者のリーダーシップが必要です。
なぜなら、営業強化や顧客対応、コストカット、など目に見えやすい活動に比べて、第2領域の活動は短期的な成果が見えにくいからです。
しかしながら私の経験から言うと、こうした第2領域の活動に目を向けている会社が、事業継続を可能としています。
まず初めの一歩は、
「自社にとって第2領域とは何か?」と、経営者が自分に問いかけることだと、私は考えるのです。
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