私もプロコン歴10年で、まだまだ勉強して研鑽していかねばなりません。
10年間で色々な失敗をしてきました。
あそこでこうしておけば良かった、という後悔もあります。
自分で失敗しながら覚えていくのが良いのですが、わざわざ失敗する必要ないこともあり、この記事を読んで、私の経験を参考に、うまくスタートを切っていただければ嬉しいです。
開業当初は、ご祝儀的な意味合いがあり、声がかかることが多いかもしれません。
私の経験で言えば、少し経験を積んで何事にも積極的にトライする2~5年目当たりが、案件の数から言えばピークでした。
ここで永遠に受注が安定するかのような、勘違いをしないことです。
事業ですから、タイミングや競合関係もあり、良いときも悪いときもあります。
思うようにいかないとき、どのように振る舞うか。冬の時代をどう耐えぬき、春に備えるか。
調子の良いときは、勢いで何とでもなります。問題はピンチになったときです。そのとき真価が問われます。
私の場合は、調子が悪いとき、新しい分野で自分の能力を高める勉強をしたり、地道に情報発信に努めたりしていました。
私は出不精だったので、反省点ですが、プロコン診断士は周りから忘れられないよう、露出を続ける必要があります。人によっては、それがSNS発信かもしれませんし、会合への参加かもしれません。
私はもう退会してしまいましたが、開業当初は各都道府県の診断士協会の勉強会に参加して、交流を深めるのも良いでしょう。
強引な営業はご法度ですが、自分をさりげなく売り込み露出し、忘れられないようにする取り組みは、必要になります。
今後競合は、同業診断士ではなく、銀行や会計事務所のコンサル部門や他の士業、場合によっては普段は連携することも多い行政系の経営相談部署になるのかもしれません。
同業診断士は、お互い切磋琢磨していく同志という位置づけになるでしょう。
「先生にお願いするとしたら、おいくらでしょうか?」
プロコン診断士に経営者が質問します。
自分からの売り込み営業ではなく、経営者から依頼を受けることができるか。そのために様々な自分なりの営業戦略を回していきます。
私は、「経営者に対してのコンサルタントの売り込み」について、肯定的ではありません。
長年付き合いがある経営者への提案営業は、問題が少ないと思います。お互いに信頼関係が構築されていますので。一方、まだ信頼関係がない時点の提案は、効果が薄いと思います。
ファーストステージは、私が当初したように行政系でコーディネーターなど実績・経験を積むのが良いでしょう。問題はそのあとどのように展開していくかです。行政系の良いところは、安定収入を見込めることや開業当初不足しがちな信用面の補完が可能になることです。
一方、居心地の良さに安住してしまい、いつまでもこの状態が続くと錯覚してしまうと、政治都合により、事業が最悪なくなったり、予算が削減されたり、落とし穴にはまってしまう可能性があります。
また、支援先企業の経営者からは、いつまでも「行政から来た〇〇さん」と認識されて、プロコン診断士としての自分自身のブランディングが遅れるかもしれません。
考え方や戦略は人それぞれですが、どこかのタイミングで卒業し、少しリスクをとって勝負をかけるのも、選択肢のひとつではあります。
プロコン診断士は、「受益者(支援先企業)からどのようにフィーをいただくのか=事業としての売上を計上するのか、」、常に考えねばなりません。
その方法は、それぞれ自分で試行錯誤しながら発掘していきます。私の場合は、自分の価値を高めて、指名依頼される人材(=先生)になることです。
自己研鑽し、情報を多方面から収集分析し、支援先企業や自分の経験から学び、自分を高める。
その一つの方法が、現役診断士向け勉強会の主催やホームページブログでの定期的な発信といえます。
開業して10年が経過し、次の10年を迎えます。
私は事業を続けることができているでしょうか。誰も分かりません。
一つ分かったことは、繰り返しになりますが、事業をしていると良いときも悪いときもあるということです。悪いときにこそしっかり準備をして、自分の力を蓄え、次の波に備えるのです。
調子が良くともふんぞり返らず、悪くとも卑下せず、淡々と日々やるべきことをやっていく。
プロコン診断士とは、そういう取り組みが可能な事業なのです。
10回に渡り、自分の開業後10年間を振り返りました。お付き合いいただき、ありがとうございました。もしあなたが現役診断士だとしたら、どこかでお会いできる日を楽しみにしております。
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