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銀行が融資を勧めてきた。その理由と対処法

この記事のポイントは以下3点です。

☑銀行が融資提案をしてくる場合、決算書からあらかじめ融資可能額を計算して、提案してくる

☑短期借入金と長期借入金は、それぞれ返済財源が違っているため、銀行員は別々の指標を確認しながら、融資提案を行ってくる

☑経営者は、こうした銀行の考え方を把握したうえで、資金調達を実施することが大切である

融資申し込みと銀行からの提案

銀行融資を受ける経緯は、2通りあります。

一つは、会社から銀行へ申し込む流れ。運転資金や設備資金など、資金が必要で自己資金で対応できない場合、融資を申し込みます。

もう一つは、銀行から会社への提案。これぐらい(○○千万、○○億円など)借りませんか?と銀行から融資額を提案してきます。

皆さんも経営者として経験があると思いますが、こちらから申し込むより、銀行から提案してきたほうが、融資審査は通りやすいことが多いのです。

融資申し込みで中々融資審査が通らず、四苦八苦した経験を持つ方も多いでしょう。

銀行からの提案が融資審査を通りやすいわけ

企業からの申し込みより、銀行からの提案の方が融資審査が通りやすい理由は、「返済可能額(返済財源)」にあります。

銀行からの融資提案の場合、銀行員は企業の決算書から「返済財源」を確認したうえで、提案してきています。

逆に、企業からの申し込みは、資金状態が厳しい場合があります。こうした場合、融資を受けた後の『返済財源』が見えてこないことが多いのです。

銀行融資には、短期借入金と長期借入金があります。

短期借入金は、1年以内に返済する融資です。当座貸越や手形貸付などです。

長期借入金は、1年以上かかって毎月分割で返済する融資です。証書貸付がほとんどです。

銀行は、短期借入金をどうみているか

短期借入金の返済財源は、日々の資金繰りによる余剰資金です。大きな売上の入金があれば、一旦返済して、また再度融資を起こしたりします。

この金額を銀行は、必要運転資金の算式で判断しています。必要運転資金の範囲内なら、銀行は短期融資を実行します。

必要運転資金の算式は、(売掛金+受取手形+在庫)-(買掛金+支払手形)です。

例えば、売掛金1500万円 受取手形300万円 在庫2000万円 買掛金1000万円 支払手形1500万円の場合は、必要運転資金は、(1500+300+2000)-(1000+1500)=3800-2500=1300万円です(ただし不良在庫や貸し倒れの売掛金などがあれば、その数値は差し引きします)。

企業が500万円の短期融資を受けているなら、800万円の枠空きがあるため、この場合、800万円の融資提案をしてきます。

銀行は、長期借入金をどうみているか

長期借入金の返済財源は、利益に減価償却費(減価償却費は、現金の流出を伴わない経費であるため)を加えたものです。

例えば、決算書の税引後利益が1000万円で減価償却費が500万円なら、1年間の返済財源は1500万円です。

現状、長期借入金の年間返済額が500万円なら、1000万円の返済財源が空いていることになります(1500-500=1000)。

枠が空いている1000万円の返済財源を見越して、長期融資5000万円を5年返済で提案してきます(5000÷5=1000万円)。

このように返済財源をみながら、長期融資を提案してくるのです。

残高が減ってくると長期融資の提案をしてくる

また、融資残高が減れば、長期融資を巻き替え提案してくる場合もあります。

当初5000万円借りていた長期借入金が、2500万円まで返済が進んだ場合などです。もう一度企業に5000万円の提案(2500万円は返済して月額支払を同額にする)を持ってきます。

企業側からすると、使えるお金が2500万円出来て、月々の返済額は今までと同じですから、乗りやすい提案と言えるでしょう。

融資を提案してくるのは決算書ができた後

銀行が融資提案をしてくる場合、判断材料は決算書が中心です。

そのため、融資提案をしてくるのは、最新の決算書を提出した直後です。

3月決算なら、5月末に税務署に提出ですから、6月に銀行へ決算書を提出します。融資提案を受けるのは6月になります。

銀行から融資提案を受けた時の経営者の気持ち

銀行から融資提案を受けることは、中小企業経営者にとって嬉しいことです。

銀行から事業内容を評価されている、ということだからです。

そのため経営者は、「言ってくれるうちが花」「折角だからお付き合いしておこうか」という気持ちになります。

業績下降局面で返済が資金繰りを圧迫

しかし結果、「不要なお金を借りること」になります。

予定していないお金が入ってくると、予定していない使い方をしてしまいます。

必要のない過剰な設備投資をしてしまったり、無駄な経費を支出したりします。

融資を受けたお金が知らないうちに減っていく一方、融資の支払いは残っています。

業績低下局面では、この返済が資金繰りを圧迫して、苦しい事業運営を余儀なくされるのです。

プランを持ったうえで、銀行提案に対応する

ではどうすれば良いのか、、、

経営者は、自社の投資プランや資金調達プランをあらかじめ計画し、計画に沿った事業運営をしていくことが大切です。

もちろん計画を立てても、環境変化のスピードが速い昨今、外部環境の変化により、臨機応変に計画を修正していくことはあるでしょう。

しかし、自社としてのプランを持ったうえで、銀行からの提案を受け止める必要があるのではないでしょうか。

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