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経営危機を乗り越える!経営再建計画の作り方|⑨アクションプランと数値計画:減価償却と設備投資計画

アクションプランと数値計画の第2回目。

今日は、「アクションプランと数値計画:減価償却と設備投資計画」の話をします。

 

【バックナンバー】

経営危機を乗り越える!経営再建計画の作り方|⑧アクションプランと数値計画:作成の流れと良い計画

 

減価償却予定を作る

「アクションプランと数値計画」は、労力を費やした「デューデリ」の延長線上にあります。

とはいえ、結構な工数がかかるのも事実です。

どこから手を付ければ良いのか?

私の場合は、まず減価償却予定を作ります。

減価償却予定を作る際には、以下の様なフォーマットを使います。

以下フォーマットに基づき、作成手順を説明していきます。フォーマットを確認しながら、読み進めて下さい。

 

【減価償却明細と設備投資計画フォーマット】※表のうえでクリックすると拡大します

減価償却明細と設備投資計画

 

手順1:平均償却率を計算する

まず、平均償却率を計算します。フォーマットで言えば、①の部分です。

償却限度額を直近実績の期首簿価で割って算出します。

①償却限度額÷期首簿価

ちなみに、償却限度額は決算報告書の「別表十六(一)、十六(二)減価償却資産の償却額に関する明細書」に記載されています。

決算報告書「別表十六」については以下の記事で説明していますので、参考にしてください。

 

【参考記事】決算報告書「別表十六」の見方

 

フォーマット②のように0年目期首簿価を転記します。

 

手順2:1年目期首簿価を計算する

次に、1年目期首簿価(0年目期末簿価とイコール)を計算します。

0年目とは今期のことです。

●年●期実績とは、前期のことです。

今期(1年目期首=0年目期末)の固定資産の簿価は、まだ確定していませんので、計算します。

0年目期首簿価×償却率=0年目償却額

フォーマットの「既存建物」のケースで言えば、6,550千円×0.0643=421千円が0年目償却額(フォーマット③)です。

1年目期首簿価は、

0年目期首簿価-0年目償却額で算出されます。

上記、既存建物のケースで言えば、6,550千円-421千円=6,129千円が1年目期首簿価(=0年目期末簿価:フォーマット④)となります。

 

手順3:0年目の償却額と1年目期首簿価

こうして、0年目の償却額と1年目の期首簿価が計算されます。

0年目償却額合計は、フォーマット⑤の914千円となります。

1年目の期首簿価合計は、フォーマットの⑥の8,336千円となります。

後の工程になりますが、⑤914千円はPL計画の減価償却費の、⑥8,336千円は個別資産ごとに分割されてBS計画の計算根拠となります。

 

手順4:設備投資資産を計上する

事業デューデリの中で、「経営課題の抽出」と「改善の方向性提示」がすでに終了しています。

例えば、

✔ 設備が老朽化して更新が必要

✔ 営業車両や運搬用車両の購入が必要

✔ 工場のリフォーム工事が必要

など、設備投資案が検討されています。

上記フォーマットでは5ヵ年計画としています。どのタイミングで、どんな設備投資をいくら実施するのか、記載します(フォーマットの⑦)。

事例では、2年目期首に7,000千円の生産性向上設備を投入することとしています。

事業デューデリで、今後の設備投資計画をしっかり検討しておくことが大切です。

上記のように、手順1~手順4の流れで、「減価償却費計算」と「設備投資計画」を作成します。

このフォーマットで計算された数値は、後の「PL計画」「BS計画」「CF計画」「金融支援計画」「タックス計画」「不良資産削減計画」にリンクしていくのです。

 

以上、「アクションプラン&数値計画:減価償却と設備投資計画」について、お話しました。

今後の貴社の財務改善にお役立ていただけますと幸いです。

次回は、アクションプラン&数値計画「リース支払計画」についてお話ししていきます。

 

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