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銀行が嫌う経営コンサル~嫌われるコンサル、嫌われないコンサルの違い~

私は銀行に17年勤めていました。

融資先の中小企業経営者が、経営コンサルタント(以下コンサルに略します)を引き連れ、融資交渉に臨むことを、何度か見てきました。

銀行員としての感想は、「胡散(うさん)臭いな」。

銀行員のコンサルに関する印象は、そんなものです。

それから数年後。脱サラ開業しました。その後12年が経過しました。

今は自分がコンサルとして、経営者から求められれば、中小企業の融資交渉の場に同席することもあります。

だから、銀行員の立場も、コンサルの立場も、両方分かります。

自戒のために、銀行が嫌うコンサルについて考えてみます。

 

銀行員は融資交渉に同席するコンサルをどう感じるか

融資交渉に同席するコンサルの役割とは何でしょう?

融資同席は時と場合によりますが、本当は出来れば避けたいのです。

なぜなら、コンサルの同席により、銀行員の警戒感が高まるからです。

口には出しませんが、銀行員の心情はこうです。

「この人物は何を言い出すのか?」

「社長から話を聞きたいのに。社長はなぜこんな人(コンサル)を連れてきたのだろうか?」

「融資金からコンサルフィーを払うつもりか?」

 

【参考記事】資金調達コンサルに融資申込みに同席してもらうということ

 

ベラベラしゃべるコンサル

良くないのは、銀行員から聞かれてもないのに、ベラベラしゃべるコンサルです。

「こうこう、こういう理由でお金が必要なんです」

「金利が高いですよね」

「どれぐらいで返事をいただけますか?」

なぜ聞かれていないのに、ベラベラしゃべるのでしょうか?

それは経営者に向けて、自分の貢献度合いをアピールするためです。

また、獲得できた融資金額に成果報酬が比例するからです。

こういうコンサルは、会社のためというより、自分のフィーに比重を置いて支援をしています。

 

融資に同席するコンサルの種類

コンサルにも色々種類があります。

スポットで支援に入る資金調達コンサル。

顧問税理士。

常日頃から定期的に経営を見ている認定経営革新等支援機関。

認定経営革新等支援機関(認定支援機関)とは、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として、国の認定を受けた支援機関(税理士、税理士法人、公認会計士、中小企業診断士、商工会・商工会議所、金融機関等)です ≪出典;経済産業省オフィシャルサイト≫。

最初に私が「融資交渉の場に同席することがある」と申し上げたのは、認定支援機関の立場として、です。

 

融資交渉に同席しても抵抗がない

認定支援機関は、常日頃から支援先の経営を見ており、銀行を決算報告などで、定期的に同行訪問しています。

その流れの中で資金ニーズが発生した場合、経営者と一緒に融資交渉を行うのです。

経験上、コンサルが融資交渉に同席しても抵抗がないのは、以下の様な場合です。

✔ 経営改善計画を策定し、銀行から計画実施の承諾を得ている。定期的にモリタリング報告で銀行を訪問している

✔ 業績が良いときも悪いときも、変わらず報告を実施。悪いときには改善策を銀行に提示

つまり、コンサルは銀行との日頃からの信頼関係の形成が大切だ、ということです。

 

最近は銀行がコンサルを活用する

とはいえ、最近は銀行がコンサルを活用するケースも増えています。

銀行本体が、コンサル会社と紹介契約を結び、取引先の中小企業を紹介するのです。

紹介が成立すれば、コンサル会社は銀行に紹介フィーを支払います。

紹介フィーが発生し、コンサルについて本部からのお墨付きがあれば、現場の銀行員も紹介しやすくなります。

紹介フィーが発生しないケースでも、自分たちが時間を取れない分野、あまり得意としない分野、

例えば経営改善計画書策定や、補助金申請書の作成支援など、銀行はコンサル会社(またはコンサル個人)を紹介することが増えています。

銀行から信用されるコンサルになると、紹介により受注の幅が広がります。

 

銀行が信頼するコンサルとは

銀行からの紹介を増やすためには、銀行に信頼される必要があります。

以下の様な点に注意が必要です。

✔ 銀行が紹介した取引先とトラブルにならない

✔ 交渉の進捗について随時報告を入れる

✔ コンサルにより、売上が増加した、利益が増えた、組織がまとまった、など、成果が目に見える支援を行う

こうしたことが守られると、銀行からの信頼が深まるでしょう。

 

コンサルが選ぶ銀行

逆に、コンサルが付き合う銀行を選ぶことも必要です。

質の悪い紹介ばかりで、無駄足ばかり踏まされると、嫌になります。

私も嫌な経験が続いて、その銀行員との関係を見直したことがあります。

これは銀行組織というより、銀行員個人の資質に関係することが多いようです。

以下の様な銀行員には、注意が必要です。

✔ 紹介の質が悪い。前裁きができておらず、丸投げで話がうまく進まない

✔ コンサルの手間について理解がない

✔ 相談に乗ってもその後の返答がなく、問い合わせると他に頼んでいる(知識・情報だけ無料で奪う)

✔ 何人ものコンサルに同時に声をかけ、てんびんにかけている

✔ コンサルを自分の意のままに動かし、軽く見ている

このような銀行員は、声が大きく、一見付き合うとメリットがあるように感じますが、振り回されるだけです。気を付けましょう。

以上、銀行が嫌うコンサルの言動と、銀行と付き合う時の注意点について考えてみました。

 

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