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赤字とは何か~損益計算書 それぞれの赤字が表すもの~

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5月は3月決算の会社にとって、決算書が出来上がる時期です。

コロナ禍で、初めて赤字を計上してしまった中小企業は多いでしょう。

経営者はまず、1年間の経営の通知表である損益計算書を確認します。

赤字か黒字か。赤字だとショックです。考え込んでしまいます。

そこで今日は、「そもそも赤字とは何か、何を意味するのか」ついて、一緒に考えてみたいと思います。

赤字とは

売上総利益が赤字

売上総利益とは、売上から売上原価を引いたもの。

売上総利益=売上高-売上原価。

例えば売上が1億円、売上原価が5,000万円なら、売上総利益は5,000万円になります。

1億円-5,000万円=5,000万円。

売上原価とは、商品の仕入代金や、材料の仕入れ代金のことです。

製造業や建設業の場合は、仕入に加えて現場でかかる人件費、経費、外注費などが追加されます。

売上総利益が赤字ということは、「仕入れた商品を販売した時点で赤字」ということです。

例; 売上高1億円-売上原価1億1,000万円=売上総利益▲1,000万円

 

小売業の場合なら、想定通りの価格で売れなかったので、在庫を低価格で大量に販売した場合などにこの現象が発生します。

【参考記事】在庫評価が経営に及ぼす影響

仕入値より安く売るのですから、商売は早晩破綻します。近々事業継続は難しくなります。

建設業や製造業の場合も、売上より現場経費が高いのですから、もちろん事務所の人件費や維持費は出ません。

 

営業利益が赤字

営業利益とは、売上総利益から一般費及び販売管理費を引いたもの。

営業利益=売上総利益- 一般費及び販売管理費。

例えば売上総利益が5,000万円、一般費及び販売管理費が4,000万円なら、営業利益は1,000万円になります。

5,000万円-4,000万円=1,000万円。

一般費及び販売管理費とは、事務所人件費(社長や事務員の人件費)や営業に係る経費、維持費等もろもろの間接経費のことです。

営業利益が赤字ということは、「本業で赤字が出ている」ということです。

本業で一生懸命営業していて赤字なので、良くない状態です。

例; 売上総利益5,000円- 一般費及び販売管理費6,000万円=営業利益▲1,000万円

売上を上げるか、売上原価もしくは一般費及び販売管理費を削減するか、により、黒字にする必要があります。

その具体例を以下リンク記事で紹介しておきますので、参考ください。

【参考記事】営業利益がマイナス。会社を立て直すコスト削減の具体的方法

 

経常利益が赤字

経常利益とは、営業利益から営業外損益を加減したもの。

雑収入など営業外の利益を足して、金融機関借入利息などを引きます。

経常利益=営業利益+営業外利益-営業外損失

例えば営業利益が1,000万円、雑収入が200万円、支払利息が300万円なら、経常利益は900万円になります。

1,000万円+200万円-300万円=900万円。

以下の例のように、営業利益が黒字なのに、経常利益が赤字ということは、「金融機関の借入金利息を本業の儲けで支払えていない」ということです。

例; 営業利益300万円-支払利息500万円=経常利益▲200万円

 

金融機関は、この状態を嫌がります。

金融機関にとって、貸付金利息収入はとても大切です。

経常利益が赤字の状態とは、「貸したお金の利息を、本業のもうけで払ってもらえないこと」だからです。

利息支払いのために、追加で資金が必要になります。

それだから、経常利益が赤字の状態で追加融資を申し込まれても、渋い顔をします。

ただし、営業外損失が長年勤務した役員の退職金など、赤字原因がはっきりして一過性の場合には、この限りではありません。

 

税引前当期純利益が赤字

税引前当期純利益とは、経常利益から特別損益を加減したもの。

特別利益とは、当期だけの特別な事情で発生した損益のことです。

例えば、不動産、車両、機械設備などを売却したり処分したりすると、固定資産売却益や固定資産除却損という勘定科目で発生します。

【参考記事】固定資産除却損とは過去の投資失敗 ~財務への影響を軽視してしまうのはなぜか~

税引前当期純利益=経常利益+特別利益-特別損失

例えば経常利益が900万円、特別利益が200万円、特別損失が300万円なら、税引前当期純利益は800万円になります。

900万円+200万円-300万円=800万円。

経常利益が黒字なのに、税引前当期純利益が赤字ということは、「特別な要因で発生した赤字が経常黒字額より多多かった」ということです。

例; 経常利益300万円-特別損失500万円=税引前当期純利益▲200万円

 

金融機関はこの部分の赤字をあまり問題視しません。特別損失は基本、当期だけの特殊要因ですし、この部分が解消すれば、来期からは黒字化すると考えているからです。

ただしこの状態は、「法人税負担がないということ」です。会社にとっては社外に資金が出なくて資金的には助かりますが、法人税を負担していないということは(連続して続くようだと;例えば多額の特別損失を計上して繰越欠損金で連続して法人税負担がないなど)、社会貢献度が少ないと判断されるかもしれません。

番外編:表面黒字だが実態は赤字

上記以外のケースで、「表面上は黒字だか、実態は赤字」ということがあります。

経営者が銀行融資を受けるために意図的に実施するケース、財務知識不足で結果的にそうなっているケースなど様々です。

少し例を挙げると、

☑ 売上で計上しているが、回収できていない売掛分が入っており、その部分を差し引くと赤字

☑ 期末在庫に計上している多くの在庫が陳腐化しており、市場価格に直すと実は赤字

☑ 経費処理していないが、社外に多額の資金が流出(社長への個人的な貸付など)し、戻ってくるか不明→この部分をマイナスカウントすると赤字

などです。詳しくは以下の記事に記載していますので、参考にしてください。

【参考記事】

銀行は粉飾決算を警戒している ~意図した粉飾と意図的でない粉飾~

銀行が嫌がる精度の低い決算書 ~不適正な事例と改善の具体策~

 

以上、それぞれの赤字が示すものについて、お話ししました。貴社の財務強化にお役立ていただけますと幸いです。

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【関連記事】

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